週末の釣りは、釣りだけは楽しかったが、レジャーとしてはウンザリするもので、貴重な半日をぶち壊されてしまった。その恨みを晴らすべく、昨日に続いてゲンナリする話をする。

 

自分は11尺を出してチョイ底切りで釣っていたのだが、半日券を買った人が一つ隣りに入ってきた。彼の仲間も1人付いてきたが、桟橋はガラ空きなのにわざわざ自分の近くに寄ってきた意図が判らなかった。ちなみに、ガラ空きの駐車場で隣に停めたがる人のことを「トナラ―」と呼ぶらしい。チョット臭いそうだ。うん? 何を書いているのだろう。

 

 

 

さて、隣りの人は道具を置いて先に挨拶してくれた。トナラ―呼ばわりとは酷いな、良い人かもしれないと思った。エサを作っているとジィ~と見られている。目線が合うと

「底に着いているんですよね」

と聞かれたので、

「いや、底チョイ切りですよ」

と答えると会話が止まってしまった。

 

しばらくすると出している竿が明らかに自分より長いことに気付く。5本継ぎ、多分16尺くらいだろう。1つ空けているとはいえど、5尺も長い竿を出すのに一声無いんだと呆れる。そして、釣りを始めるとバシャァンと二段合わせだ。それも毎投、水を叩いている。

「幼稚園か、保育園か、ここは。水遊びはあっちの浅場で」

と突っ込みたくなる。

 

 

 

そのうち、底釣り讃歌が始まる。それは全く構わない。自分も底釣り好きだし。

そして、好きな底釣りをしているならば、対面の浅ダナが釣れているのを見て「浅ダナでないと釣れないな」という必要はないだろう。選択肢に無いでしょう、浅ダナは。そして、自分が釣れるようになると「宙じゃなきゃ釣れないな」と言い出す。「底から10cmくらいしか切れていないんですけど釣れますよ」と教えたくなる。挙句に「13尺以上じゃないとツマラナイ」と言い出す始末だ。そう、付ける薬がない、底釣り原理主義者だ。逃げたくなる。

 

 

 

聞く気もないが、その内、貰い物のラインを使っているが伸びると言い始める。だから、家では力を入れて引っ張って伸ばしてから仕掛けに使っているという。まぁ、釣るために色々と工夫されているようで、ご苦労様です。その内、ラインが伸びたと言って、底を測り始めている。隣の人が

「ウキを引っ張っている。それじゃ、正しく底が測れていない」

と指摘する。確かにトップが斜めになっている。そうすると、腕を伸ばしてラインテンションを抜いて、

「ほら、正しいだろう」

と答えている。ふ~ん、腕を伸ばしてアタリを待っているんだ。でも、釣り始めると普通に万力の上あたりに握りが来るように構えている。使っている13 尺ならばカケアガリの途中だろうから、腕を伸ばした位置でのウキ下を基準にしたら、そりゃあ、ナジミが少なく、ラインが伸びたと思うだろう。こういうのはマッチポンプの一種とみなせるのだろうか。良く分からない。

 

釣れない、おかしいと四六時中口を開いている。静かにしていただきたくて、コケティシュでフワフワなムグッチョに目もくれず、お茶に手を伸ばすこともなく、例会よりも集中して釣りをして彼らの何倍ものペースでヘラを掛けていると静かになった。それともゾーンに入って彼らのグチが耳に入らなかったのか。

 

もう、勘弁してもらえないだろうか。こっちは周囲から聞こえる野鳥の声や魚が暴れたときの水音などを聴き、ウキが立つまで雲の動きや風に揺れる木々を見ながら、ノンビリと心豊かに釣りを楽しみたいのだ。管理人の悪口を何度も言い、大きな声で「釣れない」「あぁ、釣れない」「クソッ釣れない」を絶え間なく繰返し唱える人は離れて釣って欲しい。否応なく聞かされるこちらの身になって欲しい。また、バシャバシャと竿を叩いて水遊びをしたい人もあっちに行って欲しい。先に釣り座を構えたのは俺なのだ。わざわざ近寄ってきて騒いでくれるな。俺は魚釣りだけでなく、魚釣りをメインとした自然全体を楽しみたいのだ。

 

そう、そう、右隣り方は15尺程度の竿を使って沖底を静かに楽しんでおられたがコンスタントに釣り上げていた。その数は彼らの総数、いや倍近いかもしれない。まぁ、そういうものだろう、ヘラ釣りは。

 

それでは、また。