嫌々だが、ヘラ鮒釣り以外のことを書いてみる。

 

ヘラ鮒釣りのブログの中で、

「市販されているペットボトル入りの水が危険」

という話があった。いつのことだったか、ネットで話題になったせいか、それとも和食は水が大事だからなのか、きっかけを忘れているが、業務と関係なくミネラルウォーターについて調べて「まぁ、大丈夫だよな」と満足したと記憶している。そんなこともあって、何か新しい知見でも入ったのかと読んでみた。健康被害をもたらす亜硝酸性窒素(*)が含まれていないミネラルウォーターを推しているのだが、うさん臭さを感じたので久し振りに調べてみた。

 

そのミネラルウォーターだが、食品衛生法では清涼飲料水に該当することからその規格基準は水道法で規定される水道水質基準等と異なっていた。しかし、Codex 委員会においてミネラルウォーター等の規格が設定されたことや水道法の水質基準改正の動きを受け、厚生労働省が規格基準を見直し、平成26年12月22日に食品、添加物等の規格基準の一部が改正され、清涼飲料水の規格基準が変更された。このとき水道水の基準に合わせて亜硝酸性窒素の基準として硝酸性窒素との合計で10mg/l以下という値が設けられた。しかし、これらの物質は独立して測定できるため、平成30年の改正では硝酸性窒素との合計はそのままで、新たに亜硝酸性窒素の基準値が0.04mg/l以下と規定された。そして、これらの値は現在に至るまで変わっていない。

 

 

問題は、この基準値の妥当性だが、(公財)水道技術研究センターによる2018年の報告書によるとWHOガイドライン、USEPA飲料水基準、カナダ飲料水水質ガイドライン、オーストラリアでは1.0mg/l以下、EU飲料水指令、イギリス、フランスでは 0.15mg/l以下、ニュージーランドで 0.06mg/lということだから、日本の基準である0.04mg/l以下という値は他国より厳しいことから、国産ならば健康リスクは低いだろうと考えている。

 

 

それでは、ミネラルウォーターの原料である地下水が亜硝酸性窒素に汚染されるかというと、その主な原因は、農地への過剰な肥料投与、家畜の糞尿の不適正管理、生活排水とされている。そうなると野菜に含まれる量が気になるだろうが、水から離れる話なので興味のある方はご自身で調べていただきたい。では、何が言いたいかというと、普段からクジラのごとくミネラルウォーターを飲んでいる人は別にして、低濃度でも亜硝酸性窒素を排除したいならば、なぜ野菜は考えないのかということだ。野菜の中で亜硝酸性窒素は蓄積され、最悪のケースでは濃縮されないのかと。自分には理解できない。

 

 

ここで、かのブログに戻ると

実は硝酸態窒素という物質があります。水道水の基準は10mg/l以下とされています。勿論市販されている水も同じ基準になるはずですが、市販されている水はジュースなどと同じ扱いの清涼飲料水ですから水道水より基準が緩いのです。そのため安全な水を飲むためにペットボトルの水を求めるのは少し意味合いが違ってきます。

と説明されている。そして、

この硝酸態窒素か検出されたペットボトルの水は、案外大手の販売している水に多いのです。興味のある方はこちらを見て下さい。資料としてはやや古いので現在は改善されているかも知れませんが、最低限赤ん坊には赤ん坊用の水が売られていますので、そちらを飲ませる方が良いのではと思います。

と結論付けている。

 

いやはや、ALPS処理水の海洋放出を思いおこさせる。

国際原子力機関(IAEA)が安全性を確認し、G7やオーストラリア、また国内で反発のある韓国すらも大統領がIAEAの調査結果を信頼していると言明している中で、中国だけが突出して日本の処理水を「核汚染水」と表現して日本を叩いているという構図と似てないか。危険だという根拠はどこにあるのだろう。

 

中国は外交カードとして処理水を使っているが、同じように別の理由があるのだろうか。リスクが低いと認めてしまうと記事にならないので古い情報だけ引用したのか。

 

マッシュルームの件といい、今回のミネラルウォーターの件といい、いい加減なことしか書けないならば、食に関する記載は止めるべきだ。自分の承認欲求を満たすために、でっち上げの誹謗、中傷の類で他所さまの生活を脅かすことは許されることではない。それは犯罪と言っても大げさではないと考える。

 

まぁ、あの記事を鵜呑みして信じている人は居ないと思っているのだが。

 

それでは、また

 

(*) 亜硝酸性窒素はメトヘモグロビン血症を引き起こすことが知られている。特に、乳児等の胃では亜硝酸性窒素が作られやすく、メトヘモグロビンが多く生成されるために血液中の酸素が少なくなり、最悪の場合、窒息死に至ることがあることから規制されている。しかし、それも程度の問題であることから完全に排除されているわけではない。