初めて手に入れたに触発され、脇名が軟らかそうな雅はどういうものなのか、と入手した。

 

 

さすがに剛とは異なり、大きく曲がる本調子。それでも、現代ヘラ竿という感じで、8寸程度だと竿が勝ってしまう。元気な9寸、尺上のヘラが相手だと良い勝負になる感じだ。ただ、不思議なのがヘラがするのは突っ走るか反転するくらいで、止まって首を振るような動作が少ないということである。竿の特性なのか、自分の操作が変わったのか判断がついていない。細身の中硬式では楽しめているので竿の特性かな、と思い始めている。この点で少し不満があるが、ヘラを取れる竿という点では高く評価している。

 

狂い難い、バランスの取れた竿である。合わせたときに強く突進するダム、平均して型が良い円良田湖、など野釣りに持って行くことが多いが全く問題ない。一度、ダムでポットベリー(ヤカンのような腹を指す)のランカーバスをヒットさせてしまったときも狂わなかった。この時はヒットさせて直ぐにバスと気づかないほど容易に水面付近まで上げてしまった。ここで、そのサイズと体形に気付いて慌てたが、ハリスを切ろうと更に力を入れて上に持って行ったところで激しエラ洗いをして鈎は簡単に外れた。この時の口の大きさといったら、自分の記憶には無いほど大きかった。その大きさと迫力に左隣の人も驚いていたが、竿には相当の負担を掛けてしまったはず。不要に魚を驚かせず、竿全体で引き上げ、大きな負荷にも曲がりクセが付き難い、と高い機能を有する竿である。

 

https://youtu.be/DSXaUOKthRo

 

「機能美」という言葉があるように、高い機能性を持つものはその点だけ捉えてもも美しい。逆に機能性に貢献しない見てくれだけのものものに疑問を呈していた。だからこそ、凸凹の無い握りは歯牙にもかけなかった。しかし、実際に使ってみると、トロコンを使うときは気になるかもしれないが、ぺトコンくらいだと問題にならない。そして、意匠としてブラックチェーンは強過ぎないところが気に入っている。初めて手に取って眺めたときに好きになった。そして、趣味であるからこそ、程よく手を入れたデザインを楽しむことは心豊かなことだと好意的に思えるようになってきた (過剰な加飾は好みではない。抑制された美しさ、に心地良さを覚える)。

 

竿の性能が高いため、釣り手の技量が問われにくい竿である。そのため、つい、タックル・エサのマッチングに集中してしまい、竿を介してヘラとのやり取りは二の次になってしまう。せっかくのデザインも釣り始めか、家で手入れをしているときに楽しむ程度に留まってしまい、帰り道、さもしい釣りをしてしまった、と反省することの方が多い。まぁ、歳月が解決するのではないか、と期待している。

 

それでは、また。