


昭和60年(1985)3月17日の釣り日誌を見ると恥ずかしくなるくらいの迷文になっていました。 この翌月 突然の名古屋転勤を言い渡される事を 知る由も無く・・・
自然との触れ合いで是ほどまで趣きの深い釣りは無いであろう。
奥深い湖畔 エメラルドグリーンの湖面に 打ち込んだ浮子と餌の波紋が交錯する。右手の頭上から枯葉が一つまた一つ静寂な空間を破るごとく これから始まるドラマの緊張感をほぐしてくれるように落ちていく 讃岐 綾歌郡綾南町 綾南橋上流の竹林ワンドの一人 釣りの始まり・・・
3投目微かなアタリ、4投目の打ち込み水面で寝た浮子がユックリと立ち上がり 餌落ち目盛を過ぎてトップが沈み馴染みきると 上餌の溶けで徐々に上ってゆく その時 眠気を吹き飛ばす 1目盛の
チクッ アタリですかさず合わせ・・ギュ-ンの糸鳴りで19尺ウィスカーの竿先が締め込まれる 慌てるな自分に言い聞かせて竿を立てる。右に左にへらが・・頭はまだ出ない 竿を立て直すズッシリと重い 竿を両手にひたすら耐え さらに耐える・・・
水面にやっと口を出したへらは間違いなく巨べら・・ 引き寄せの際 口から水を吐いた・・・
もう少しで たもに・・ここで奴は 沖へ・・逸走する・・またもや両手でためる・・このやりとりこそ山上湖のへら鮒釣り・・立てた竿に重量感のある動きで上ってくるのがわかる、、再び顔を見せた巨べらにこの釣りが出来る幸せを身にしみて感じる瞬間である・・慎重に取り込んで たもに納める
私にとって 一番楽しい釣りができた 頃の思い出です
サラリーマンにとって 自信過剰などになってはならない
山があったら 谷もある このことを身にしみてしらされた時でもありました。
アノ頃のアノ釣り場 風の便りでは 護岸工事がされて 昔の面影は無いということでした
もう 日誌と 同じ釣りは・・・残念です。