最近は、体調が良いです。職場環境的にも恵まれています。給料は安く最低限しか貰っていませんが。

 

 今回は、介護職や一般家庭の介護者の介護疲れについて考えてみたいと思います。

 

何で介護に疲れているのか。実は私も介護職に疲れた経験があります。この仕事は私には向いていないのではないかと思った程です。利用者さんに対しても負の感情を持ってしまって、介護士失格と思っていました。イライラしたり、頭の中もボーッとして、何やらうつ傾向みたいな感じ。厳しい評価を自分自身にしていて、自己評価も主任からの評価も最低レベルといった感じです。

 

 今は良い環境で、自分のしたい事はやらせてくれる環境にいるし、別に気にはしていませんでしたが、周囲からも意外といい評価をされています。

 

 今思うに、介護に疲れていたころは、自己卑下していた傾向にありますし、比較的厳しく評価される環境にもいたように思います。

 今思えば、もう少し自分に対して「優しく」してやれば良かったようにおもいます。

 

 介護に疲れる方には一般的な傾向があるようです。まず、熱心で真面目です。ですが、介護職をするには、ある意味いい加減な方がいいように思います。自分に対して甘く優しい方がいいようです。自分に優しい人は、他人にも優しいです。

 理想としては、「自分に厳しく、他人に優しく」ですが、精神分析学上はそれはあり得ない事だそうです(詳しく学びたい方は、精神分析学の「象表」について調べて下さい)。自分に甘く、少し位のことは簡単に自分を「許す」位でいいです。そして、適当に「さぼる」です。

 

 一般家庭で大抵の介護者が疲れるのは、「さぼる」ことをせずに一人で抱え込んでいる傾向があるように思います。できるだけ介護から離れて、羽を伸ばした方がいいようにおもいます。そして自分に甘く優しく。そうすると要介護者が何だか愛おしく感じてくるようです。

 

 私のデーサービスの利用者さんのあるお宅では、弟さんが姉の介護をしていて、弟様も不自由で、オムツをしている姉のオムツの交換などは殆ど全くされていません。私が朝にお迎えに行った際は、2回に1回程はまず衣類から濡れています。排便もそのままです。便を触る、臀部を掻くため、状況さらに悪化です。ご本人様は、「私はそんな事知らないもーん、してないもん」と。弟様も高齢で障害があるので。そこで私たちはデイサービスに運び、毎日利用があるその方の着替えや入浴や臀部正式を毎日行っています。それで何とかなっているのですから、いいんじゃないでしょうか。その弟様も、「今のように、冗談ばかり言って、毎日がずっとつづくといい」と思っておられます。

 

 私も父や母が要介護1ですが、私はいい加減です。父母の他にケアハウスにいる要介護1の叔母も抱えています。金、土、日は介護サービスの切れ間になるし、様子見に実家に戻って泊まっています。大抵は、自分の部屋を作って(そこが秘密基地のようになっているのですが)そこに籠っています。まだ始まったばかりで今後が心配ですが、何とかなるだろうと楽観的です。フランスに転勤でいる弟も協力的で、ライン電話で報告・相談しています。3月末には日本に戻ってきます。絶縁状態であった叔母の息子とも、弟と共謀して引きずり出す事に成功しています。父・母・叔母、3人共に介護保険サービスを付けています。

 

 自分をつい責めてしまうという方、自分に厳いという方は、周囲に厳しい評価をする人たちという対人表象が自分の中にあるようですね。そして、他人に厳しい要求をしてしまうようです。そういう方にはアドラー心理学をお勧めします。

 

 そもそも評価するのは他人だし、自分ではどうする事も出来ない。他人の評価を気にするより、他人からどうみられるかを気にするより、自分で自分を大事にしたいですね。自分の人生を歩いていきたいですね。他人の評価を気にすと、他人の人生を歩んでいく事になってしまいます。アドラーは「課題の分離」をして、自分の課題と他人の課題を明確に分離して、評価する他人の課題には踏み込むな、つまり気にするなといった感じの事を言っています。アドラーの「嫌われる勇気」という本(今、大ベストセラーなのですが)は私はまだ読んでいませんが、調べてみると面白いですよ。今は、Youtubeなどで簡単に調べる事ができるので便利ですね。誰でも解るように解説してくれています。

 

自分に甘く優しく、自分の間違いを許し他人の間違いも許す。そういった自分を大切にしていたら、理不尽な事を言ってくる、してくる利用者さんにも、愛おしく感じ、許し、優しくなれるのではないでしょうか。

 

 プロであってもバーンアウト(燃え尽き)はあるし、ご家庭での介護者でもあるでしょう。その時は、適当に「さぼって」、「自分を許して」、そして見栄を捨てて「頼って」みたらどうでしょうか。