大西常商店ってご存じでしょうか?
京都市街地ど真ん中の烏丸駅から徒歩10分にある老舗の扇子屋さんで、素敵な扇子と女将の菖蒲打ちで有名なお店です(笑)
ここは予約すれば様々な体験をさせてくれるのですが、そのひとつに京町家見学があり、大西常商店の店舗の奥をツアー形式で詳しく案内してくださいます。今のところ写真撮影も自由、案内時間は30分。僕ら夫婦を案内してくれたのは女将さんでした。
ツアーは最初、店の外見の説明から始まります。
知らなければ「風情ある町家だな」と思うだけで通り過ぎちゃいますけど、じつはここにも見所があります。軒が一文字瓦で、前面が端から端までビシッと揃っているのです。これは確かに格好いいです。
その後、土間の台所や、土間奥の小さな庭を案内していただき、いよいよ町家に上がらせていただきました。
入ってすぐの部屋の引き戸を開けると台所が見えます。
カウンターキッチンになっているので、ここで楽しく食べたり飲んだりして遊べるみたいです。
室内なのに明るいのは、天井の一部がガラス瓦になっていたり、壁の高いところに煙出し用のガラス窓があったりするから。
さらに奥に進むと(ウナギの寝床と言われるように奥に向かって細長いのです)大きな座敷があり、立派な床や違い棚があるのですが、そのむこうに中庭があります。
かつては水が流れていたようですが、いまは枯山水です。奥に蓬莱山かなにかを見立てた三角の石があり、その遠い山からこちらに向かって川が流れ来ているという作りになっています。よく見ると三角石の上の方には縦に長い割れ目のようなものがありまして、ひょっとしたら山の高いところから落ちる滝を見立てているのかもしれません。
お庭そのものも素敵なんですが、ぜひ注目していただきたいのは写真右側の壁。土壁ですが、磨き上げた結果ピカピカに光っています! 泥団子を作ったことのあるかたはご存じの通り、磨き上げにはとても手間暇がかかりますが、そのぶん出来上がりはとんでもなく格好いいです。
五箇荘の近江商人屋敷(外村繁文学館)にも同じものがありました(大津壁)が、ここのはもっと広い面積で、しかも室外にあります。これはほんとすごいです。
このお庭を横目に奥の茶室、さらには茶室の上の二階を案内していただいてツアーは終了となりました。あっという間の楽しい30分でした。
※写真は撮りそびれました
個人的には、京町家や坪庭を味わいたいならここがいちばん楽しいんじゃないでしょうか。
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