京都には古い町家が数多く残っていますが、その数は年々減っています。

そうした状況下で有志の方々が立ち上げたのが「町家の日」。マチヤに引っ掛けてMarch の8日前後に全国の町家でイベントを仕掛けておられます。なお2024年の開催期間は3月2日~10日。詳しくはこちらをどうぞ。

 

町家やその庭は僕の守備範囲のわずかに外。これまであまり訪ねていませんが、数少ない訪問先の一つが八竹庵です。ここはわりと良かったので、ご紹介いたします。

(なお八竹庵は上記イベントには参加しておられません。)

 

八竹庵は昭和初期に建築された和洋折衷の建物です。設計には東京駅などを手掛けた武田吾一も関わっており、個人住宅としては破格の豪華さだと思います。

 

入ってすぐ右に洋館があります。和館は奥。

 

武田吾一っぽい?

 

入口は和館側にあります。狭い路地を通っての玄関で、入ると正面に中庭があります。この抜け感がたまらないですね。

 

玄関右手(洋館1階部分)。ここで見学受け付けを済ませます。よく見ると折り上げ天井です。かつては応接室だったのかなぁ。

 

床の寄木細工もなかなかオシャレです。

 

まずは和館を拝見。中庭には鶴亀島があるということでしたが、僕には判別付かず。代わりに、陰陽石と思しきものは見つけました。窓ガラスは今や貴重な大正ガラス。1枚も欠けていないというのが素晴らしいです。

 

1階和室。ここは欄間の意匠が面白くて、東山三十六峰の山並みの形です。

 

スカイラインから松?が飛び出ています。ピョコンと可愛いです。

 

もう一つの庭。茶室があり、なかなか素敵です。とくに飛び石のお洒落なこと! 庭師の実力は飛び石を見ればわかるような気がしますが、ここはなかなかです。

 

庭から茶室のなかを撮影。

 

2階にあがります。まずは洋館部分。ここでコーヒー(追加料金不要)がいただけます。

 

この部屋のステンドグラスって「八竹」を幾何学模様にデザインしたんじゃないかなぁ。扇形の部分が2つセットで「八」。そのあいだに、「竹」っぽい意匠が隠されている……と思いません?

 

2階の和室。窓の外に、バルコニーのようなものが見えます。

 

このバルコニー、じつは祇園祭の山鉾巡行を見る際の特等席でした!

 

ほかにもいいところはいろいろありますけど、おおよそこんな感じ。京町家を一度じっくり見てみたいって人にとってはけっこう満足できると思います。

料金が他と比べてちょっと高い(1700円)のだけが難点ですけど、維持コストを考えたらむしろ安いかもしれません。常時公開されているのもありがたいですし。

 

季節によって建具を替えているそうですので、暑くなってきたらまた訪ねてみようと思っています。

 

 

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