嵐山から少しれた太秦に、広隆寺というお寺があります。京都最古のお寺とされる寺院。路面電車や自動車の走るすぐまえに仁王門があります。

 

一歩門をくぐると、驚くほど静かです。

奥に霊宝館があり、仏像はそちらに安置されています。

 

広隆寺と言えば、まずは弥勒菩薩像2体でしょう。いずれも国宝に指定されておりますが、教科書などで取り上げられるのは左のかた(宝冠弥勒)ばかり。でも右のかた(泣き弥勒)もなかなか魅力です。ちょっと指の造形が甘いけどね(笑)

 

お顔をアップで見ると、泣き弥勒さん(右)はあの興福寺の阿修羅くん(左)にも似た幼く物憂げな顔立ちです。そういえば阿修羅くんの正面顔も泣きそうな表情でした。すごく魅力的なお顔でしょ?!

宝冠弥勒も泣き弥勒も、いずれもあまり大きくない像(3尺ほど)で、かつ展示は遠目。なのに単眼鏡、双眼鏡さえも使用禁止ですので、正直言って目がかなり良くなければ拝観環境はあまり良くないです。だからこのブログでも取り上げるかどうか、かなり迷いました。

でもやっぱり良いものは良いし、どうしてもスルーできませんでした。

 

広隆寺には巨像もあります。霊宝館中央にでっかい千手観音坐像(像高3m近く!)がありまして、このボリューム感はなかなかのもの。目がそんなに良くなくてもこれはよく見えます(笑) ちなみに国宝。

 

その両脇に不空羂索観音立像(写真左)と木造千手観音立像(写真右)が並んでいます。両脇お二方とも3m近いサイズです。こちらも国宝。

 

京都のお寺ってだいたい応仁の乱で焼けつくされてるんですよね。だから京都には古い仏像や建物って案外少なくて、平安中期(貞観時代)のものでさえ稀少です。が、ここ広隆寺にあるのは平安前期あるいはそれより古いものがたくさんあります。拝観環境の悪さは差し引いても、行く価値がある……気もします。

 

 

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