新幹線通勤を始めてそろそろ一年・・・
俺の職場は最寄のJR駅からバスで3駅ほど離れた場所にある。
だから朝はバスに乗って通勤しているのだが、俺の住んでいる街とは違い
中規模都市ということもあってか沢山のバスが駅には来る。
事務所の入っているビルはその街でも割と有名なビルであり
近くに百貨店もあることからたいていのバスそこを経由して走っている。
元々が横着者である俺はいつも行き先を大して確認することなく
適当なバスに乗り込んで出勤している。
その雑な通勤が災いし、何度か全然違う方向に行ってしまい
タクシーを使っての出勤で余計な出費をしているダメな33歳。
今日はそんなバス出勤について考えたい。
今から7年ほど前、俺がまだ26歳の頃
学習塾の講師をしていた時のことだ。
教室が田舎にあった為
夜の9:00を過ぎれば電車は一時間に一本くらいしかなく
授業が終わってから40分くらいは誰もいない無人駅か
少し離れたコンビニで立ち読みをして時間を潰すしかなかった俺だが、
ある日、1kmくらい離れた場所にバス停があることに気づいた。
しかも授業が終わった後
10分くらい経った時間にバスが来るというではないか!?
早速、そちら方面に家がある生徒のガキと交渉し
100円払うから自転車2人乗りをさせてもらうことに成功した。
赤信号を待つ時間こそ
人生の中で最大の浪費だというポリシーを持つ俺が
時間の有効活用を喜んだことは言うまでもない。
とは言え、ガキと2ケツして目的のバス停に到着するのは
バスが来る3分くらい前なので
授業をダラダラやって延長でもしようものなら大変だ。
帰りの電車までの待ち時間が長いことを嫌がり
延長しがちだった授業も、早く帰れるルートを発見してからは
異常なほど早く終わるようになっていた。
そんなある日のこと。
バスが到着する3分間にバス停の前に立つ俺。
「先生、じゃあな~~~~」
「おう、寺岡も気ぃつけて帰れよ!」
ガキの背中が住宅街の角に消えるのをいつものように見送る俺。
いつまでもガキ相手の仕事をしている場合ではない・・・。
珍しく自分の将来について思案を巡らせていた。
そろそろバスが来る時間だ。
家に帰って何を食べよう・・・。
・・・。
・・・。
バスが来ない。
時計を見るも時間はピッタリだ。
田舎道を走る車はまばらだ。
夜の闇の中、ライトが何度も目の前を交差する。
しかしいくら目を凝らしてもバス特有の独特の車体は影も形も見えて来ない。
「遅れてんのかな?」
チッと心の中で舌打ちをする。
以前、誰かから
「バスというものは遅れることはあっても早く来ることはない。」
と聞いていたので、ややイラついたが待つことにした。
・・・。
・・・。
来ない!!
時刻表の時間より10分は過ぎている・・・。
一体、何があったんだよ!!こんな田舎道でよぉぉぉ!!!
その時は冬場であり、夜風が身を突き刺すように寒かった。
奥歯がカチカチと鳴る・・・寒い。
でも、待ってみた。
バスのヘッドライトの灯りが道路の彼方に見えることを信じて・・・。
・・・。
・・・。
来ない・・・。
すでに30分は過ぎていた。
街頭もまばらな一本道
俺の耳は寒さで赤く変色し、身体は冷え切っていた。
その15分後
やるせない気持ちで立っていた俺の前に現れたバスは
確実に一本遅れの時間のバスだった。
2~3人くらいしか乗っていない
暖房の効いたバスの中で
身体中に血が通っていくのを感じながら俺は
「なぜバスが来なかったか?」について
思いを巡らせていた。
「時計が狂っていたのか?」
「時刻表に改正でもあったのか?」
「運転手にトラブルでもあったのだろうか?」
しかし明確な答えは出なかった。
・・・そして次の日に俺は真相を知ることになる。
俺の職場は最寄のJR駅からバスで3駅ほど離れた場所にある。
だから朝はバスに乗って通勤しているのだが、俺の住んでいる街とは違い
中規模都市ということもあってか沢山のバスが駅には来る。
事務所の入っているビルはその街でも割と有名なビルであり
近くに百貨店もあることからたいていのバスそこを経由して走っている。
元々が横着者である俺はいつも行き先を大して確認することなく
適当なバスに乗り込んで出勤している。
その雑な通勤が災いし、何度か全然違う方向に行ってしまい
タクシーを使っての出勤で余計な出費をしているダメな33歳。
今日はそんなバス出勤について考えたい。
今から7年ほど前、俺がまだ26歳の頃
学習塾の講師をしていた時のことだ。
教室が田舎にあった為
夜の9:00を過ぎれば電車は一時間に一本くらいしかなく
授業が終わってから40分くらいは誰もいない無人駅か
少し離れたコンビニで立ち読みをして時間を潰すしかなかった俺だが、
ある日、1kmくらい離れた場所にバス停があることに気づいた。
しかも授業が終わった後
10分くらい経った時間にバスが来るというではないか!?
早速、そちら方面に家がある生徒のガキと交渉し
100円払うから自転車2人乗りをさせてもらうことに成功した。
赤信号を待つ時間こそ
人生の中で最大の浪費だというポリシーを持つ俺が
時間の有効活用を喜んだことは言うまでもない。
とは言え、ガキと2ケツして目的のバス停に到着するのは
バスが来る3分くらい前なので
授業をダラダラやって延長でもしようものなら大変だ。
帰りの電車までの待ち時間が長いことを嫌がり
延長しがちだった授業も、早く帰れるルートを発見してからは
異常なほど早く終わるようになっていた。
そんなある日のこと。
バスが到着する3分間にバス停の前に立つ俺。
「先生、じゃあな~~~~」
「おう、寺岡も気ぃつけて帰れよ!」
ガキの背中が住宅街の角に消えるのをいつものように見送る俺。
いつまでもガキ相手の仕事をしている場合ではない・・・。
珍しく自分の将来について思案を巡らせていた。
そろそろバスが来る時間だ。
家に帰って何を食べよう・・・。
・・・。
・・・。
バスが来ない。
時計を見るも時間はピッタリだ。
田舎道を走る車はまばらだ。
夜の闇の中、ライトが何度も目の前を交差する。
しかしいくら目を凝らしてもバス特有の独特の車体は影も形も見えて来ない。
「遅れてんのかな?」
チッと心の中で舌打ちをする。
以前、誰かから
「バスというものは遅れることはあっても早く来ることはない。」
と聞いていたので、ややイラついたが待つことにした。
・・・。
・・・。
来ない!!
時刻表の時間より10分は過ぎている・・・。
一体、何があったんだよ!!こんな田舎道でよぉぉぉ!!!
その時は冬場であり、夜風が身を突き刺すように寒かった。
奥歯がカチカチと鳴る・・・寒い。
でも、待ってみた。
バスのヘッドライトの灯りが道路の彼方に見えることを信じて・・・。
・・・。
・・・。
来ない・・・。
すでに30分は過ぎていた。
街頭もまばらな一本道
俺の耳は寒さで赤く変色し、身体は冷え切っていた。
その15分後
やるせない気持ちで立っていた俺の前に現れたバスは
確実に一本遅れの時間のバスだった。
2~3人くらいしか乗っていない
暖房の効いたバスの中で
身体中に血が通っていくのを感じながら俺は
「なぜバスが来なかったか?」について
思いを巡らせていた。
「時計が狂っていたのか?」
「時刻表に改正でもあったのか?」
「運転手にトラブルでもあったのだろうか?」
しかし明確な答えは出なかった。
・・・そして次の日に俺は真相を知ることになる。