俺は短気だった。

短気を英語で「ショートテンパー」と言うのを高校時代に知って
短髪で天パーの俺は何か変な気持ちになったのを覚えている。

バブルがはじけるちょい前の
「東京ラブストーリー」が流行っていたあの時代。
俺は高校生だった。

物分りのいい爽やか系が流行っていた
そんな時代に「短気男」がモテるはずもなく
肝心のルックスがイマイチなのは無視し
俺がモテないのは「短気」が原因ではないかと
密かに自己分析していた時期もあった。

だから20歳の時くらいに
「いしべ、(性格が)丸くなったのぅ」
とサコッペから言われた時は嬉しかった。



しかし、それは長続きせず
初めて付き合った彼女に対しても

「ほら!ヘリコプター飛んでるで!見て!(^^)ノ」

「え?どこ?」


「ほら!あの辺り!(^^)ノ」


「え?見えない??どこ?」


「ほら・・・今、あのビルに隠れたけど・・・(^^)ノ」


「えー、どこ?」


「お前はバカかぁぁぁぁ(怒゚Д゚)ノ」
と、ブチ切れてたし


ハムスターのカゴがうまく作れないだけで
プラスチックのカゴを拳で叩き割りそうになったり・・・


社会人になってからも自転車の駐輪で
管理人のオヤジと口論になったり・・・


ビルですれ違ったレゲエ風のオヤジと
怒鳴りあいを演じたり


パチンコで負けた腹いせに
みんなが見てる前で財布を叩きつけ店を出たが
それでも気が納まらなかったので

その時に買い物した洋服の紙袋を大きく蹴り上げたら
他の家の屋根に引っかかってしまったこともある。
(その時に「「おい、まっさんあの紙袋取って来い」と一緒にいた友人に命令した。」
 とツウが勝手に脚色してあちこちで話したオマケつき)


聞く分には笑い話だろうが
俺は30代にもなって【短気野郎】は絶対に嫌だ。

みっともないし、人間が小さくて格好悪い。
そういう自分からは早急に脱却を図りたい。

しかし神様は見てくれているのか
そういう短気人間だからこそ数々の困難を与えてくれた。

特に4月以降、岡山に転勤してからというもの
刺激的な困難の連続に俺の「短気」はすっかりなりを潜めていた。



以前、一緒に仕事をした連中には
俺の「短気=人間の小ささ」はバレバレなので隠す気もないが
新しく一緒に仕事をする連中には
絶対に『怒ることなくいつも穏やかな・・・話のわかる上司』でありたかった・・・。


・・・ところが・・・(続く)





     俺の理想自己図(微笑み上司)