中○と申します。宜しくお願いします。


激動の4月、ある日の深夜にかかってきた一本の電話。

修羅が住む国と言われた某支店。
その支店に俺同様、転勤を命じられた
チマチマからの礼儀正しい挨拶。

どの角度から考えても
そうは思えないのだが本人は栄転だと固く信じていたと聞く。



「中○くんか?ちっちゃいで。背は。」



どんなコなん?
とチマチマの元上司であるタカシに聞いて
返ってきた答えだ。


実際初対面の時のチマチマはミニサイズで
普通の人が持てばどうってことないカバンが
まるでガリバー旅行記のように
異常に大きく見えたものだ。


勤務時間中も
フラッと行き先も告げずに休憩をとり
用事があって一生懸命探し、やっと見つけた俺にも
一向に動じることなく悠々とタバコを吹かし続け
謝る気配もなく、黙って会釈をするのみ


その後も客をほったらかしにして
クレームがあってもすべて
「連絡したんですが、繋がりませんでぇ・・・」
とテキトーク(適当なトークの略)で責任回避。


何をする訳でもないのに
妙に遅くまで事務所にいて
残業代の申請は100%してくる。
(MAX100時間)



出勤は始業時間のいつもギリギリ。


何かあったらすぐ頭が痛くなるか、お腹が痛くなり
早退を申し出る。


やたらと親類が亡くなり休みをバンバン取る。


それらがすべて許されてきた2ヶ月間
ヤツにとっては天国のような状態だったはずだ。


俺がやっとペースを掴み、矛先がヤツに向かうまでは・・・。


その後のヤツは俺の鉄拳制裁を受け
割と真人間に近づいてきた。


とは言え、依然としてクレームの数は減らない。

しかもヤツが引き起こすクレームの数々は
長い間熟成したものばかりなのでかなり手強い。


という訳で同じように、クレームを引き起こす宮●に
「毒を持って毒を制す」とばかり
お互いのミスの処理をさせることにした。


チマチマが不在の時にチマチマのクレーム対応は宮●が
宮●が不在の時はチマチマが、という按配だ。



今日はチマチマが休み。
案の定、発覚したヤツの大切な書類作成漏れ。


宮●は半日をチマチマの後始末に費やした。



明日は宮●が休みでチマチマが出勤。
さーて、どんなミスが発覚するのかなぁ・・・。







   怒る宮●、馬耳東風のチマチマ
   どちらも出世志向は強い。