長い人生の中で
人は誰しもネタを持っている。
例えば、カムサハムノダさんは
本物のレイプ現場に出くわし
その女性を救ったことがあるし
サコッペは塾からチャリンコで帰っている最中に
ヤンキーの集団につかまりそうになり
何とか振り切って帰ったその夜、金縛りにあい
「おみゃー、今日はホンマに危なかったんど」という謎の声を聞いたり
ガキの頃、地蔵の首を蹴ったコバヤンは
その後7回、川に落ちたり
(これはツウがコバヤンの結婚式でスピーチをしたようだ)
人生、一度や二度くらい不思議、または強烈な
忘れられない出来事に出会うもんだ。
俺と言えば、
周りに強烈な人を引き寄せる運を持っているくらいで
大した話は持っていない。
数少ない体験の中から
本日は軽い奴をご紹介しよう。
あれは大学4年生の初夏。
今より痩せていた俺は
慣れないスーツに身を包み、
ぎこちない「私(わたし)」という一人称を使い
大したことない自分を無理やり「即戦力でございます」とばかりに売り込む
就職活動って奴に邁進していた。
よく分からない地図を元に
大阪の街を汗だくになりながら
会社訪問に明け暮れる毎日。
遊びすぎて単位を落としまくり、就職以前に卒業がヤバかった。
割と勉強が出来た方だと高校時代自負していた俺は
その時「落ちこぼれ」と呼ばれる奴の気持ちを痛いほど味わっていた。
丘の上にある大学
その脇に密集する貧乏下宿。
俺の4年間過ごした部屋はその中のひとつにあった。
自転車で駅まで行くのは
まるでトライアスロンであり、少ない貯金から捻出して買った
オンボロバイクに乗っていた俺。
その日も欺瞞に満ちた面接を終え
ヘロヘロになりながら
ブーーーーンと軽快なエンジン音と共に
下宿に向かう坂道を登っていた俺。
登りきった坂道から右に曲がり
スピードをあげようとアクセルを吹かしたその刹那・・・。
前を走っていた4歳くらいの女のコが
いきなり斜めに道路を横切った。
「グシャッ」という異音と
俺のバイクのハンドルに食い込む有機物の感触。
すべてがスローモーションのように俺の目に映った。
俺は年端もいかない女の子をバイクで轢いていた。
瞬間「俺の人生、終わった・・・」と思った。
バイク毎、横転する俺。
吹き飛んだ女のコは!?
自力で立ち上がり
「ごめんなさーい」と言った。
道端の真ん中に倒れこんだ一人の大学生とそのバイク。
横に立っている女の子。
急ブレーキの音とバイクがガッシャーンと横転する
大きな音に近所の人が「何や、何や」と出てきた。
「警察呼ぶわ」とその中のオッサンが言った。
放心した表情の俺とあどけない女の子
どうやら余り怪我はしてないようだ。
集まる野次馬に遅れて来た警察官。
事情を聞かれる俺。
その時、野次馬の中から見たこともないオヤジが
俺を指差して警察官に言った。
「このニイちゃん、逃げようとしてたで!」
ウソォ━━━Σ(ロ゚|||ノ)ノ━━━ッ!?
人間、驚きと怒りがいっぺんに来たら
声が出ないとその時初めて知った。
(二度目は社会人になって見ず知らずの女にいきなりストーカー扱いをされた時だ)
「そんなん、しとるかッ!!ボケッ!!」
我に返り怒鳴り返していた。
・・・がッ、女の子をバイクで轢き殺しかけた後なので
ちょっと微妙。
そんなこんなでその女のコの両親が来て
一緒に病院に連れていかれ、
「今後、この件で後遺症があったら私が責任を持って対処します」
と一筆をかかされ下宿に帰った。
それにしても今でも思い出せるあの感触。
みんな安全運転をしましょう。
・・・で、この話のオチと言えば
事故を起こしたまさにその日
俺が就職活動で回っていたのは
損害保険の会社。v(≧∇≦)v イェェ~イ♪

チマチマ男。今日は終日、暗かった。別にいいけどさ。
人は誰しもネタを持っている。
例えば、カムサハムノダさんは
本物のレイプ現場に出くわし
その女性を救ったことがあるし
サコッペは塾からチャリンコで帰っている最中に
ヤンキーの集団につかまりそうになり
何とか振り切って帰ったその夜、金縛りにあい
「おみゃー、今日はホンマに危なかったんど」という謎の声を聞いたり
ガキの頃、地蔵の首を蹴ったコバヤンは
その後7回、川に落ちたり
(これはツウがコバヤンの結婚式でスピーチをしたようだ)
人生、一度や二度くらい不思議、または強烈な
忘れられない出来事に出会うもんだ。
俺と言えば、
周りに強烈な人を引き寄せる運を持っているくらいで
大した話は持っていない。
数少ない体験の中から
本日は軽い奴をご紹介しよう。
あれは大学4年生の初夏。
今より痩せていた俺は
慣れないスーツに身を包み、
ぎこちない「私(わたし)」という一人称を使い
大したことない自分を無理やり「即戦力でございます」とばかりに売り込む
就職活動って奴に邁進していた。
よく分からない地図を元に
大阪の街を汗だくになりながら
会社訪問に明け暮れる毎日。
遊びすぎて単位を落としまくり、就職以前に卒業がヤバかった。
割と勉強が出来た方だと高校時代自負していた俺は
その時「落ちこぼれ」と呼ばれる奴の気持ちを痛いほど味わっていた。
丘の上にある大学
その脇に密集する貧乏下宿。
俺の4年間過ごした部屋はその中のひとつにあった。
自転車で駅まで行くのは
まるでトライアスロンであり、少ない貯金から捻出して買った
オンボロバイクに乗っていた俺。
その日も欺瞞に満ちた面接を終え
ヘロヘロになりながら
ブーーーーンと軽快なエンジン音と共に
下宿に向かう坂道を登っていた俺。
登りきった坂道から右に曲がり
スピードをあげようとアクセルを吹かしたその刹那・・・。
前を走っていた4歳くらいの女のコが
いきなり斜めに道路を横切った。
「グシャッ」という異音と
俺のバイクのハンドルに食い込む有機物の感触。
すべてがスローモーションのように俺の目に映った。
俺は年端もいかない女の子をバイクで轢いていた。
瞬間「俺の人生、終わった・・・」と思った。
バイク毎、横転する俺。
吹き飛んだ女のコは!?
自力で立ち上がり
「ごめんなさーい」と言った。
道端の真ん中に倒れこんだ一人の大学生とそのバイク。
横に立っている女の子。
急ブレーキの音とバイクがガッシャーンと横転する
大きな音に近所の人が「何や、何や」と出てきた。
「警察呼ぶわ」とその中のオッサンが言った。
放心した表情の俺とあどけない女の子
どうやら余り怪我はしてないようだ。
集まる野次馬に遅れて来た警察官。
事情を聞かれる俺。
その時、野次馬の中から見たこともないオヤジが
俺を指差して警察官に言った。
「このニイちゃん、逃げようとしてたで!」
ウソォ━━━Σ(ロ゚|||ノ)ノ━━━ッ!?
人間、驚きと怒りがいっぺんに来たら
声が出ないとその時初めて知った。
(二度目は社会人になって見ず知らずの女にいきなりストーカー扱いをされた時だ)
「そんなん、しとるかッ!!ボケッ!!」
我に返り怒鳴り返していた。
・・・がッ、女の子をバイクで轢き殺しかけた後なので
ちょっと微妙。
そんなこんなでその女のコの両親が来て
一緒に病院に連れていかれ、
「今後、この件で後遺症があったら私が責任を持って対処します」
と一筆をかかされ下宿に帰った。
それにしても今でも思い出せるあの感触。
みんな安全運転をしましょう。
・・・で、この話のオチと言えば
事故を起こしたまさにその日
俺が就職活動で回っていたのは
損害保険の会社。v(≧∇≦)v イェェ~イ♪

チマチマ男。今日は終日、暗かった。別にいいけどさ。