ノヽ口―_φ(゚▽゚*)♪(使ってみたかっただけ)
小学生の頃、うちの実家を新築した。
隣りは空き地だった。
雑草は好き放題に生い茂り
崩れそうな小屋みたいなものもあった。
隣りに面した扉は開けれなかった。
なぜなら一歩踏み出したら段差が強烈で
1.5m程の下に転落してしまう可能性があるからだ。
夜なんて結構、不気味なテイストを醸し出していたが
うちの土地だったので、
俺は自分の部屋がある3階からお気楽にゴミを投げ捨てたりしてた。
何年か経ち、そこを庭にしようという事になった。
工事も始まったが、俺はスクールボーイだったので
騒音などたいした被害はなかった。
しかし気になることが一つだけあった。
その空き地には草ボーボーの中に隠れて見えなかったが
井戸があったのだ。
勿論その当時でも誰も使っていない井戸だったのだが
高く生い茂った雑草の隙間から見えるその井戸は
俺の知らない長い年月を感じさせ、味がある・・
というより恐かった。
庭を造ると言う事は当然その井戸も壊してしまうことになる。
祟りとかないのか???
当時「あなたの知らない世界」
など心霊番組に
ドップリとハマりそういった事にビビっていた俺は
工事中にオヤジにそのことを聞いてみた。
オヤジ曰く
『井戸自体枯れているし、
キチンと神主さんを呼んで処理してもらったから大丈夫』
御祓いまでしたという事実は初耳だったがそれで安心した。
工事中、隣りの土地の石垣から真っ黒いデカイ蛇
が出てきたのを見た直後、
玄関に小さなアマガエルが入ってきた。(#゚ロ゚#) ギョェ!
それを母親に話したら「蛇は家の守り神なのに・・・」と呟いたのも
庭工事にまつわる記憶として今でも鮮明に覚えているし
俺もナーバスになっていたのかも知れない。
そんなこんなで完成した庭。
高い塀に植え木がさらに高くそびえたち、芝まで植えてあった。
飼っていた犬とジャレあったり、妹とバトミントンしたり
俺にとって活用方法は無限大だった。
出来たての新しい庭!テンションは上がる。
しかし・・・芝生を敷き詰めたその庭の
ある一部分は何故か、陥没してしまうのだった。
井戸のあった場所だった。
その度に土を補充し、芝生を植え変えるのだがどうしても陥没する。
粘りの補充の甲斐あってか何とか陥没しなくなったが
今度はそこに芝が生えないのだ。
青々とした芝生に、剥き出しの地面。
井戸の形に丸くなってる。(-ω-|||)
嫌な話だが本題はここからなのだ。
恐い話が嫌いな人はここで読むのをお止め下さいね。
庭が出来てしばらくしたある日、学校帰りの妹の前に不審な人物が現れた。
家の近くに立ち、じっと我が家を見ていたそうだ。
「ここの家のコ?」
妹に気づき質問してくるオヤジ。
「はい。」
気味悪く思いつつも答える妹。
30歳になっている今なら
不信感ありありの表情でガンを飛ばし威嚇するんだろうが
当時は小学生だから素直なもんだ。
「ここに井戸があるじゃろぅ?」
「えっ・・・!?」
俺達の住んでいた町からは結構離れた神石町から来たという
そのオヤジは驚く妹にこう言ったそうだ。
「わしゃあ夢で見たんよ。
この家の井戸で死んだ女の人を。
夢で見たけぇこの家を探して来たんよ。」
ウッソ━━━━ヽ(´Д`lll)ノ━━━━ン
実は俺はこの話をリアルタイムで聞いていない。
二十歳過ぎて妹から初めて聞いた。
確かにあの井戸は気味悪かった。
でも本当に何かあったんだろうか?
俺が物心ついてからその井戸でそんなことがあったのであれば
絶対に記憶があったはずだし小心者のウチのオヤジが
そんな曰くつきの土地に庭を造るわけがない。
ではずっと以前に?
元々祖父の代から所有している土地である。
自分の息子にその辺りの因果も含めず与えるはずもない。
実際、母親も妹の話にビックリしていた。
神石町から来たオヤジがなぜそんなコトを言いに来たのかわからない。
嫌がらせかだったのかも知れないし
頭がおかしい人だったのかも知れない。
妹の聞き間違いかも知れないし、
そもそも俺達を恐がらせる作り話かも知れない。
でも、ひとつだけ言える事。
その時オヤジに話しかけられたのが俺じゃなくて良かったε=(´◇`*)ホッ
もし俺だったら夜一人では眠れてなかった。間違いない!