「ブログに書いて欲しいネタある?」ヨッシーに聞いてみる。

「えっと・・ですね、『日本の今のお笑い』についてお願いします。

・・・なぜ?

タイトルの「爽風」はある友人の結婚式で、彼の地元の友達が
スピーチ代わりに歌った自作の曲である。
新郎をイメージしたそうだ。

新郎の名前は高瀬くんと言う。

彼は、ホルモン焼きのように脂っこい友人が多い俺にあって
人生初の「爽やか系友人」の話である。


高校時代の悪友、ヤマシの大学時代のツレであり
出身は愛知県で、大学も名古屋、その後
建設会社に就職していたのだが、転勤、転勤で俺たちの町に
流れ着いていたのだった。



ヤマシと飲んでいた時に同席したのが縁で
俺がフラフラしていた時期、結構な頻度で二人でメシとか喰っていたのだ。



ルックスは加藤晴彦からアクの強さを差し引き、公家顔を足したような
サッパリした感じで、いつもニコニコして屈託が無く
「~じゃけぇのぉ」とかイカツイ語尾になりがちな我が地元にあって
「~なんだよねぇ」とキレイな標準語で通していた。



サーフィンをこよなく愛し、愛車は何故か横浜ナンバー、
テニスのインストラクターも出来るほどの腕前であり
その爽やかそのもののルックスとも相まって、
俺は自分の昔からの個性派の友人達との違いに
外国人と一緒にいるような不思議な気分で会っていたものだ。



しかし爽やかとは本当にすごいものである、と彼に教えられた。
どんな場面でも全く動揺しないのである。



道に迷って、袋小路に行き着いて、
俺ならば呪いの言葉を吐き続ける場面でも
「いや~迷っちゃったね~」とニコニコ。




駐車場で不自然なくらい大きく一台分開いているところに
何の躊躇もなく駐車。
そこに大きく車椅子のマークがあっても
「空いてて良かったね~」とニコニコ。




二人の共通の友人「ヤマシ」の呼び名も
なぜか語尾に「ン」をつけ「ヤマシンがさぁ・・」と呼び
俺がいくら「ヤマシが・・」と正しい呼び名を、遠まわしに伝えても
一向に改める風でもなく
「・・でっヤマシンがねっ、」とニコニコと全く気にせず




大勢で山道を走っていた時
高瀬くんの車が脱輪し、重量のある車だったので
みんな焦って必死で持ち上げようとしている時も
「いや~脱輪しちゃったね~」とこれまたニコニコ。(ヤマシ談)




それどころか、あまり細かい事は気にしない性格なのか、
愛車の中は靴やら、小物が滅茶苦茶に置いてあり、
「クーラー壊れてんだよね~」とニコニコしながら
どんな猛暑の日でも窓全開で走っていた。



そんな高瀬くんだが、あまりに爽やかな性格のためか
恋愛では意外に苦戦していた。



大体、男って言うものは仲の良い数人でつるむと
「あいつは胸がデカかった。」とか「あの女にこんなコトしてもらった」と
お互いの女性関係を暴露する。



高瀬くんのような爽やか人間だったら軽くかわすのかと思いきや
「僕の場合はさぁ~」と付き合っている女性が聞いたら卒倒しそうな
誰にも知られたくない二人の秘め事をあっけらかーんと話し、運の悪いことに
巡りめぐって当事者の耳に入り破局・・・というパターンだったようだ。



そんな高瀬くんも現在では俺の紹介により
素敵な女性と結婚し、一児のパパである。



最後に彼の息子の名前を聞いた時のエピソード。



「名前、何て言うん?」

高瀬くん「えーっとね~
元気の元と書いて・・・・
元(げん)って言うんだ




・・・高瀬くん、そのままじゃん、それ。