先日から「台風12号」が上陸するというテレビ報道があったが、とうとう明日か明後日ぐらいに上陸するという話だ。おりしも9月に入って間なしのことである。
ぼくは、「台風」というと、中学時代のことを思い出してしまう。当時は、「台風1号」「台風2号」などと呼ばずに、ギリシャ神話の女神の名前をつけていた。
「ジェーン台風」というのが、そのときの台風である。
ぼくの家は酒屋で、家の出入り口(というか、店の出入り口というか)に大きなガラス障子がはまっていて、台風が来るという当日も、お客さんのために、ガラス障子のままでシャッターも降ろしていなかった。
本業は酒屋だが(酒やビール、あるいは醤油などの調味料を商っていた)、「イッパイ飲み」も兼営していて、その「イッパイ」のアテに天ぷらを揚げていた(冬のアテはおでんだったと思う)。
学校は休校だったから、ぼくは手伝えとも言われないのに店を手伝って、ボツボツと天ぷらを揚げていた。予報どおりに強い風で、人っ気は全然なく、ぼくは自分で揚げた天ぷらをつまみながら店番をしていた。
風に煽られて、草木のみならず、どこかの看板なども飛んできて、非常に物騒な日であったことを覚えている。
そんな中を、1人の女の子(まだ幼稚園にも行っていないような子供)が、泣きながら通りかかったのが見えた。「こんな風の中を危ないのに」と思って見ていたのだが、おかしなことに、その女の子のお腹が妊婦のように膨れていたのである。
まだ秋の深まる前だから薄着で、お腹の大きさだけが目立った。
ぼくが店番をしているものだから、ゆったり寛いでいる大人に、「あの子、おかしいよ」と言うと、「ああ、あれは腸満という病気だ。小さいのに可哀相に!」という話だった。そんな病気があるのかと思いながら、ぼくは、「ジェーン台風」という名前と「腸満」という病気の名前を覚えたのだった。
台風や地震など、記憶に残るような自然の脅威があると、同時に、そのときのちょっとした出来事も覚え込んでしまうらしい。
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