毎日が飛ぶように過ぎていきます。

流れにのることと

流されていってしまうことは

まったく違うもの。

 

流されないということは

自分で考えて、感じて

選択して、結果も受け入れて

成長していくことですね。

 

 

土曜日、コロナの事実を発信されていた

京都大学のウィルス学者宮沢孝之先生が

退官されたことを記念する

講演会と演奏会に行きました。

 

宮沢先生はご自身の過去を振り返る中で

今市事件に関わったことを話をされていました。

 

今市事件というのは小学校1年生の

女の子が殺されてしまった事件です。

犯人とされる勝又被告と

殺された女の子の服についてた

猫の毛のミトコンドリアの配列が

同じだったということで

勝又被告は犯人とされた事件です。

 

猫の「遺伝子配列」ではなく

ミトコンドリアの配列は70種類ほど

限られているそうです。

世の中に何百万匹猫がいても

ミトコンドリアの配列は

70種類ほどしかないので、

たまたま重なることがある

というのです。

 

それだけで犯人だとされたのです。

 

この被告の無罪を主張する事件に

関わることを

宮沢孝之先生はものすごく悩んだと

おっしゃいます。

怖かったと。

 

検察を(国を)相手にすることは

本当に怖い。

自分の仕事の立場が危ういとか

そんなレベルではなく

身が危険になるので

例えば、電車で痴漢など丁稚あげられないよう

電車には乗らないということもしていたと

おっしゃってました。

 

検察側の鑑定には膨大な費用がつく一方

こちらは、手弁当ほどの費用で

やっているのはもちろんのことです。

 

そして、検察側の主張を全部ひっくり

返したそうです。

 

すると、裁判官は、訴因を変えないのですか?と

検察側にいうのです。

 

訴因というのは、犯行時刻や

犯行現場の範囲など犯行の前提となる

要因です。

 

このままでは、裁判が成り立たないから

犯行現場を拡大し

犯行時間を延ばし

(●時~●時までに犯行が行われただろう

という推測時間)

もともと、その人が実行できる範囲を

拡大してしまったということです。

 

結果、犯行に及ぶことができるという

前提を変えたのです。

 

 

残念ながら、これが現実です。

それが高等裁判所でそんなことが

行われたのです。

そして、勝又被告の無罪とはならない

裁判結果で終わっています。

 

宮沢先生はこの事件を引き受けてよかったと

おっしゃっていました。

 

検察の主張をひっくっり返せるのは

宮沢先生しかいない、と言われ

(弁護団が直々にお願いされに行かれました)

自分しかできないだろうと分かっていて

それをやらなければ

 

この事件の結果を知ってた時に

自分がやっていれば・・・と後悔をし

罪の意識を持ってしまうことになっただろう。

 

それを持ち続けるのは耐え難いものが

あったと思うし

裁判には負けたけど勝負してよかったと

思うとおっしゃってました。

 

後悔はしていないのですと

力強くお話しされていました。

 

国が国難に陥っている時に

立ち上がるのが大学、アカデミアなんだ!

それが使命だと僕は思って

この3年、4年とやってきたのだと

いう言葉に心が震えたことは

いうまでもありません。

 

 

流されることなく

今日も自分の使命を果たす1日を

過ごしていきたいと思います。

 

決意・・・。