一旦は落ち着いたかに見えた彼も、
胸の奥にこの1年燃え続けていた私への憎悪の炎はまだまだ抑えることができなかったようで。
彼的には思い出すだけでハラワタが煮えくり返るくらい腹立たしいらしい、
「保険証の件」
にふたたび話を持ってきて、テンションは赤丸急上昇!
「だいたいお前は営業ということがわかってない。」
「会社で地位を守るのは大変なんだ。ちょっとしたことですぐにマイナス評価されてしまう。」
「俺も一時は部長級だったのに今は担当や」
「どんなに俺を苦しめたか、俺の仕事を邪魔したかちょっとはわかれ!」
「保険証も会社が返せという時に返さないとそれだけで目を付けられる」
「不正使用の疑いがかけられて俺がどれだけ大変な思いをしたか!」
「お前が悪いんだけど今までは俺がかばうような発言をしてきてやったんや。けど、今後はそういうわけにはいかない。」
「なんですぐに保険証を返さんかったんや?俺がそれでどれだけ困ったかおまえはぜんっっぜんわかってないんや!こういう一つ一つのことがマイナス評価につながっとるんやぞ。俺をどんだけ苦しめたら気が済むねん!」
「保険の不正使用をした お ま え が 犯罪者ということになるぞ。」
「俺の信用はガタ落ちや。おまえはどれだけ俺の仕事の邪魔をしたかわかってるのか!!」
ダンナは私に言いたかったことをここぞとばかりに
同じことを繰り返し繰り返し途切れる事無く吐き出します。
拳を固く握りプルプルと震わせ、
つばを飛ばし、
ヘッドシェイクするように頭を小刻みに上下に振りながら、
だんだん大きな声になって
子ども私も、こういう時の唯一の対処法として、
一言も発せず体を固くして、ただただ貝か石ころのようにじっとしていました。(途中一度、「寝とんか?」と言われました。)
つづく