この世界の片隅に | あんりズム

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私と人と。

好き度:★★★★★
 
 
『この世界の片隅に』
1944(昭和19)年2月、18歳のすずは広島から軍港のある呉の北條家に嫁ぐ。
戦時下、物資が徐々に不足する不自由さの中、
すずは持ち前の性格で明るく日常を乗り切っていたが、
翌年の空襲によって大切なものを失う。
広島への原子爆弾投下、終戦。
それでもすずは自分の居場所を呉と決め、生きていく。
 
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映画カテゴリの更新って、5年ぶりなんですね・・・(((▼ ;°Д°▼)))
2017年8月15日。今日は72回目の終戦記念日。
先月この作品に触れた私には、原爆の日も今日も、例年よりは少し身近に感じられました。
昨年公開前から見たかったこの作品。
丁度先月、図書館に行った際に漫画が置いてあったのでそれを借り、
読むより先にネットで映画を視聴、その後漫画の方を読みました。
 
この映画の魅力は、圧倒的時代描写ではないでしょうか。
原作に世界観がとても忠実で、原作ファンはそれはもう感動したことでしょう。
以前この作品の特集を情報番組で見かけましたが、
当時の広島市内の街並みを、店舗一つ一つから写真を参考に忠実に再現しているのだとか。
監督のそのこだわり、たまらんですw
そして当時の物の無い質素な暮らし。食料が無い時代の生きる知恵。
小学生の時に戦争について調べた際に何度も目にした資料から窺える当時の雰囲気、
高校生の時から何度も見た『映像の世紀』で映されていた時代の流れ、
私が小学生時代から祖父母によく聞かされた当時の人々の暮らしそのものが
作品に息づいているように思いました。
私はその時代に生きた人間ではないのに、広島出身でもないのに、
冒頭10分ほどは、なぜだか作中の街並みや人々を懐かしく感じてしまい泣いてしまいましたw
リアルでもなく、ゆるい雰囲気の背景に人物なんですけどねw
何々!?日本人のDNAに根付いた感覚なの!?
私の前前前世が当時の人間とか!?(作品違い)等と若干困惑w
おそらく、その描かれた当時の雰囲気に触れることで、その時代の若き祖父母を知るような、
タイムスリップして祖父母に会いに行ったような感覚になったのでしょうね。
 
作品をみて一番関心したのは、当時の人の行動力です。
祖父母含め、昔の人はよく動くしよく気が付くよね。逞しくて尊敬していました。
なぜ昔の人はよく動くのか、この作品を通して答えが見つかった気がします。
前回の記事の李斯の言葉から感じた「場所や立場が人を育てる」と同じでした。
場所、環境、立場、時代。当たり前のことだけど忘れがちなこと。
戦時中という貧しい時代に育てられたからこそ逞しいんですよね。
作中ではゆるゆる天然で周りから呆れられるような主人公すずさんでも、
現代人の私からしたらとても機敏で逞しくしっかりしてるなぁと感じさせられます。
私が祖父母世代の方々に抱く人としての憧れは、
戦時中に培われた『強さ』への憧れなのだろうなと思いました。
まさに、「耐え難きを耐え、忍び難きを忍んだ」人だけが併せ持つ心の強さ。
 
映画は戦争を生きた人たちがどうやってその強さを身に着けていったのかがよく分かります。
すずさんも、知らない家に嫁いで心細かったことでしょう。
この作品の主軸は、すずさんの心の居場所探しです。
時代や環境に振り回されながら、心強くあれる居場所を探す作品です。
また李斯と被りますね。李斯も自分の居たい場所を探すため勉強したのですからw
この映画は、当時の戦争下で生きる人々の暮らしと生き方を学ぶ素敵な作品でした。
 
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映画だけではところどころ分からない部分が多々あったのですが、

原作の漫画はそれらの疑問を全て解決してくれました。

原作はそれはもう見事なものでした。

伏線も伏線回収も、心理描写も、それぞれの関わりも、完璧です。

おそらく映画は予算や時間の都合上省かざるを得なかったのでしょうが、そこがとても惜しい!!

メインストーリーの半分しか、映画では描かれていません。

大事な軸を映画化していない衝撃たるや・・・

映画はすずさんの主観よりも戦争中の人々の生き方メインの構成でした。

すずさんが「気付く」世界線が漫画、

すずさんが「気付かない」世界線が映画と考えればいいのでしょうか?

それでも矛盾が生まれそうだけど・・・

この映画が原作のストーリーに忠実に沿っていたならば、

それはもう完璧な化け物コンテンツと化していたでしょう。惜しい!非常に惜しいよーー!!

いつか原作に沿ったバージョンでBD化しないだろうか・・・。

 

 

そして個人的に周作さんが格好良くてキュンキュンしちゃいましたw

(アカン!画像見ただけでニヤけてしまうー!▼*ノωノ▼キャー)←歳考えろよと後になって思いました。。

水原くんも格好良かったですけどね。男らしくてドキドキですね!

映画の周作さんを先に見た時はニヤニヤしっぱなしでしたよ。

空襲時の溝ドンのあたりは私もクッションをドンドンさせましたともw

水原くん来訪時のすずさんを追い出す場面は、映画と漫画で見方が違って二度ニヤニヤできました。

原作の周作さんは映画よりもっと人間味に溢れていました。

映画では分からなかった周作さんのその時々の心理が手に取るように・・・ニヤニヤ

そして周作さんの過去・・・私も知らないほうが幸せだった▼ノ_-。▼

と、すずさんと同じ気持ちになりましたw

私もすずさん同様周作さんの秘密にもやもやしっぱなしでしたよw

ここまで主人公視点で見た作品、いつぶりだろうかw

 

さりげない人間描写はあれど、多くは語らないこの作品。

具体的心情の描写は最低限のみで、ただただ淡々と過ぎる日々と何気ない出来事。

登場人物の感情の推移判断は視聴者側に委ねられるタイプです。

そういう点からも彼氏的には気軽に見れる『君の名は。』の方が好きだと言ってました。

感情ダダ漏れ積極性作品を好むか、感情ひた隠し奥ゆかしい系作品を好むか。

ちなみにわたしはこちらの方が好きです。

淡々と過ぎる中に芯を見るような、日本人らしさを感じられる『この世界の片隅に』。

原作とセットで多くの日本人に見てほしい作品だな、と思いました。

古き良き日本人の暮らし、生活、価値観、恋愛観を垣間見たとても綺麗な映画でした。

 

そして、この作品に描かれた時代に生き、苦しい日本を支え、

現代の豊かな日本へと繋いでくださった先人方に、謹んで哀悼の意を表します。

今年に入って何とも緊迫した情勢が続いておりますが、

どうか先人たちの死を無駄にしない今日が、未来も続きますように。