趣味の問題 | あんりズム

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私と人と。

好き度:★★★

$あんりズム▼・ω・▼

『une Affaire de Gout』
洗練された趣味を持ち、美食家として知られる経済界の実力者フレデリック。
ある日彼は青年ニコラに出会い、料理を的確な言葉で表現する才能があることに気づくと、
自分のパーソナル・テイスター(試食係)になるよう多額の報酬を提示する。
やがてフレデリックは料理の味見だけでなく、
ありとあらゆる事をニコラに“味見”させるようになる。
そして、その危険な戯れは二人をそれぞれの深淵へとひきずりこんでいく…。

昔見た作品なので、若干ラストの記憶が怪しいですが・・・・;
見始めた時は、フレデリックのニコラに対する怪しげな視線(動画参照w)に、
「え・・・?これ、もしかしてアッー!な映画・・・?『趣味の問題』ってそっちの趣味!?」
と多少の冷や汗をかいてしまいましたが、ちゃんと心理サスペンス映画でしたw
洗脳系としてはWAVEやE'sに比べると地味な雰囲気の映画ではありますが、
互いの心理状態の変化がしっかり描かれていて面白かったです。

映像美というのは映画にしては少なかったように思いますが、
主人公二人の共通点が『食』ということもあってか、食べ物は非常に美味しそうでしたチクショウ。
そして、この作品独特の雰囲気は出ていたと思います。
当時一番印象に残っているのは、ニコラ役の人がサッカーのウクライナ代表シェフチェンコに
ちょっと似ていたことだったりw
(しかし今見たらあまり似てなかった・・・・)

~ここから多少ネタバレ含みます~

この話は、味覚を共有し合うことから始まり、常に行動を共にし、同じ苦しみを味わい、
経験や感情を共通のものにしていくことで、
互いを、友達・家族・恋人をも超越した
『もう一人の自分』という究極の存在に位置づけてしまう心理サスペンスです。
二人とも最初は互いを騙し合っていたはずなのに、気付いたら自らその穴にのめり込んでしまう。
同性愛とかそんな単純なものではなく、ニコラを自分と同化させようとするような
フレデリックの異様な執着心とマインドコントロールは気味が悪かったです。
孤独感が深いが分、それを埋め合わせる為に
求めてしまうものも大きくなってしまうということなのでしょうか。

互いの存在が自分の影と化してしまい、離れたくても離れられなくなる苦悩。
嫌でも相手の気持ちが分かってしまう苦痛。
ラストの展開も、フレデリックの気持ちや願望を察してしまった故のニコラの行動なのでしょう。
相互依存関係の最終形態が出来るまでの過程が作品から見て取れます。
ヤンデレさんにはたまらん状態でしょうねコレw
全てを分かち合え、かつ互いが離れられない状態なんですから。
フレデリックの飴と鞭の使い分けっぷりときたら・・・。
恋愛にもある種活用出来そうですが、
やりすぎるとフレデリックと同じ展開になるのでバランスが難しそうw

周りの仲間から見た彼らの異常な変化と、彼ら自身の主観的な変化、
両方の視点から楽しめる作品だと思います。
そりゃもう、周りのドン引きっぷりときたら!w
確か私も画面のこちら側からドン引きしてました。
「おっさん(←フレデリック)キメェwww」連呼してたような・・・。
ちょっと心理的に不気味な部分のある作品なので、好き嫌いは別れそうではありますが、
心理学に興味のある方は見て損はない作品だと思います。


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