二人で笑いながら入って行くと「真知子さん」と「婆ちゃん」が嬉しそうな顔で「もう友達できたんだ。やるねぇひろし君」と笑いながら言った。「ひろし君?」と彼が言い私の顔を見た。「凄いな、入学してまだ間もないのに、もう「ファーストネーム」で呼んでくれる店見つけたのか? 凄いな〜」と、驚くほど大きな声で言った。そしておもむろに「俺、加藤えつし。高知県出身の漁師の息子です。えつしと呼んで下さい」と言った。

 おいおいそれは違うだろ。先ずは俺に言うべき言葉だろ❕と突っ込みを入れた。すると頭を掻きながら「それはそうだよな。俺、えつしな。呼び捨てで良いからな」と照れ笑いした。当然のごとく私も、「俺、ひろし。よろしくな」と一通りの「挨拶タイム」は無事終了し、その後我々は「ファーストネーム」で呼び合う仲となった。
 明日は休みということもあり、私は「えつし」を待たせ、「馬場君」を呼ぶべく、下宿へ走った。ラッキーなことに「馬場君」も食事前だったので、私の誘いを快く受け入れ、かくして、「愛知県」「高知県」「鹿児島県」の酒飲み対決は始まった。勿論「大阪代表」は「真知子さん」である。その夜は「飽きるほど飲み、飽きるほど語り、飽きるほど笑った」
 そして「まんまる母ちゃん」は我々の「基地」になった。