私はいずれ、語学系の大学に進む事になるのだが先ずは、その経緯を話しておきたい。実は私には米国人と日本人の2世である父親がいた(既に離別しているのだが)その父親から小学校5年生の時にクリスマスカードと「英語で書いてある手紙」をもらっていたのである。その頃の小学校には英語教育というものは当然なく、まして周りにも英語を解読できる人などいるわけもなかった。せいぜい沖縄に住んでいたことのある「ばあちゃん」が「マネー」と発音する事ができる位の環境であった。だから中学校での英語教育には興味津々であり、私なりに楽しみながら日々勉強していた記憶がある。しかし、「英語で書いてある手紙」の解読への道は遠く、いつしかそれは「思いで」として

机の引き出しの中の片隅に追いやられることになった。それでも、英語への興味は薄れることなく、高校生の頃には「片言」ではあるが日常会話は出来るようになっていた。そしてそのスキルを高めるべく、語学系の大学への道を選択するに至ったというわけである。

 私は外国語大学の英米語学科ドイツ語学部という学部に席をおくことになるわけだが、この「ドイツ語学部」という選択には私なりのまともな理由があった。

 なんと私は小学校の卒業アルバムに「将来はスイスに住みたい」とメッセージを残していたのだ。スイスといえば公用語はドイツ語であるという「安易」な発想だが、「スイスに住みたい」ということには具体的な理由がある事を追記しておきたい。

 私はなんと、かの偉大なる詩人、小説家「ヘルマン・ヘッセ」氏の愛読者であったのである。理由はともあれ私は小学生時代の夢を叶えるべくスタートラインに立つという「奇跡」を起こしたわけである。