北海道戦争遺跡 トーチカ探訪:㉝ 『エツキサイ5号トーチカ』

 

 

在所:北海道広尾町小紋別

探訪日:2019年10月30日

『エツキサイ5号トーチカ』

 

 

『エツキサイ5号トーチカ』在所

 

 

※トーチカとは…

語源はロシア語。

コンクリート製などで造られた

堅固な小型要塞です。

内部に兵士が隠れて小窓(銃眼)より

機関銃等の火器を用いて敵を狙います。

今回紹介するトーチカは

アジア・太平洋戦争末期

本土決戦用に旧日本軍が構築したものです。

 

 

 

 

トーチカ内部のイメージ(旧日本陸軍)

 

トーチカ内部のイメージ(旧日本海軍陸戦隊)

 

 

 

 

 

銃眼は完全に埋まっていますが

こちらが

トーチカ正面(攻撃側)です

 

 

 

 

 

本体の

約85パーセントが埋まっています

 

 

 

 

 

 

沿岸未舗装道路近くにあり

アクセスは容易です。

 

 

 

 

 

このトーチカの際を

タイヤの轍が…

せめて、もう少し離れて走って欲しい。

 

 

 

 

 

 

屋根部は

捨てコン状態仕上げで

洗われた様に見えます。

 

 

 

 

 

 

この地区のトーチカ群で一番

砂浜に埋まっている5号

 

 

 

 

 

 

入り口側

もう少し埋まれば

どちら方向かも解らなくなってしまいます

 

 

 

 

 

この状態から掘り出すのは

重機が必須です。

掘り出したくてたまりませんが

その後の、引き上げが大変です

 

 

 

 

 

この角度から見ると

海側に引っ張られている様に感じます

 

 

 

 

 

 

 

砂の盛り上がり状態から

波浪時には

 

 

 

 

 

 

容易に波が当たっていることでしょう

 

 

 

 

 

奥から崖の上のある

エツキサイツトーチカ3号、4号

そして、今回の5号です

何らかの策を講じなければ

これら全てのトーチカが

没する様に感じます

 

 

 

 

 

海中に没する前に

砂に埋まっています…

 

 

 

 

このトーチカは

 

人を殺める施設でありながら

幸いにも、その役割を果たす事なく

終戦を迎えました

 

今、ここで聞こえるのは

静かな波と風の音のみで

何とも言えない

悲し気な雰囲気が漂います

その影響か

複雑な感情が込み上げてきます

 

 

 

 

 

 

  

このトーチカ群で

あまりにも強烈なインパクトを放つ2基

初めて見た時には「信じられない」と

声が出てしまいました

詳細は下部のリブロで紹介いたします

よろしければ、ご覧下さい

 

自然の脅威の中で眠るトーチカ…

これらは

負の遺跡と言われながらも

今となっては

歴史や正しい事が学べる

大変貴重な戦争遺跡です

この先、何ら対策を講じずに

海中に没し姿を消したら

まるで、何事も無かった様な

光景となり

戦争の証しが消え去り

人の記憶からも消え去ることでしょう

 

 

行政の力で

何とかならないものかと…

 

 

先々が心配で

心の中を寂しく悲しい風が

吹き抜けます…

 

 

 

 

2022年2月24日

悲しい事に

新たな戦争が

始まってしまいました…