第7回戦争遺跡保存ネットワーク四国現地見学会 其の一

『民間防空壕』



H28年5月28日、香川県で開催されたフィールドワークに参加させていただきました。


今回の参加人数は30数名で、子どもから戦争体験者までと幅の広い年齢層での学習会となりました。





当日、行程表です。





JR丸亀駅に集合、香川県代表の挨拶から始まりました。






地図を使っての、わかりやすい説明を受けました。
最初に目指すは丸亀城付近の戦争遺跡『地下式防空壕』です。






昭和の雰囲気たっぷりのアーケードを通ります。




アーケード内の更地に残された古井戸の様です。



丸亀駅から徒歩約10分で、最初の目的地に「秋寅の館」に到着。

大正時代末期の重厚な印象を受ける建物です。

戦争空襲を逃れるために一時この建物は疎開したようですが、元の位置に帰ってきたとの説明を受けました。





屋内の一角に不自然なムシロが敷かれています。

ここだけ何か違う空気が漂っています。





ムシロの下は、なんと蓋扉で、忍者屋敷の様です。

そして先は地下防空壕に降りる階段になっていました。





防空壕室内の広さは四畳半ほどで天井は低目です。

表面の状態は大変良いものでした。


驚いたのは天井付近の壁にある明かり取り、換気用?の小窓があったことです。

子どもならなんとか潜れそうですが、大人は無理だと思います。





戦時中、空襲を避けるための防空壕は山によく掘られていますが、山が近くに無い場合、道路脇の地下や自宅の庭先、納屋の中と様々な所に掘られました。ここも、その立地から自宅地下に壕を掘らざるを得なかったのでしょう。(戦中は各戸に、この様な壕を造るようにと指導がありました)



屋内式地下防空壕タイプの場合、空襲の火災被害などが発生時、壕入口に倒壊した柱や屋根などが覆いかぶさったら、外に出ることができなくなる恐れがあります。

当時いつ襲ってくるかもわからない脅威には、どうしようもなかったと思いますが、想像するだけでも大変恐ろしいです。




いつの時代の物か分かりませんが、レトロでお洒落な碍子と古い電線がついていました。



湿気などは全く感じませんでした。

香川は雨が少ないので、浸水被害なども無い様子です。





昔、田舎で地下防空壕をみたことがありますが、この町の中でこれほど状態の良いものが残っているとは驚きです。





そして、建物裏手側も素晴らしい構造でした。


この丸亀には、他にもう一基だけ建物内に地下壕が残っている家屋があるそうです。大変貴重な戦争遺跡だと思います。




つづきます…。