高知県宿毛市 宇須々木基地戦跡探訪 其の十八

『宇須々木基地繋船柱』



2015.8

旧日本海軍宇須々木基地内にある

繋船柱(係船柱:ボラード)を訪ねました。


係船柱とは、岸壁に設置し、船をロープなどで係留(結ぶ)するための柱です。

昭和19年5月2日受理された軍極秘、日本海軍資料に

『繋船柱』の記載2箇所あり。



この図では桟橋から油倉庫へ続く『送油管』も2本通っていますので、基地の燃料を運ぶ油送船が、ここに繋留されたと推測します。





今回は、この柱を探すのが目的でした。

許される現地滞在時間は30分ほどしかなく、大急ぎの行程でしたが簡単に見つかりました。



南桟橋まで行くと、繋船柱がもう見えています。

前回の探訪時この場所のことを思い出すと、そう言えば何かあった様な?程度でした。

この近くには壕や桟橋があり、そちらに意識が集中してしまい読図を含め見落としてました。






すぐ南(写真奥側)には鳥居横の格納壕があります。


資料から、当時の海岸立ち上がり擁壁の位置などは大きく変わってない様です。


(繋船柱使用中:イメージ画像)




(現在主流の型式)

現在の繋船柱は、ボデーの全てが金属や特殊コンクリート製で、形も逆さL字型が主流です。




来た道を振り返ります。



南桟橋をバックに





よく見ると、中心部がコンクリート流し込み型式です。この型式はめずらしと思います。

天板の2/3は過去に水色で塗装された跡なのか、ペンキがまけてしまったのかも?





それほど大きくはないですが、近くで見ると傷や表面の地肌、色などから
重みを感じます。

現在の普通型の系船柱とは異なった何とも言えない雰囲気があります。





資料から、設置されてかなりの年月が経っていますが、堂々と立派な姿に

現役で活躍できそうですが…

残念ながら現在は、この前に護岸テトラの投入があり本来の目的である利用は困難と思われます。過去に、どれ程の船を繋留したのか見てみたいものです。

これからは是非、歴史を語る重要な役割を担ってもらいたいです。




資料によると、桟橋をはさんで北側にシンメトリーでもう一つ、同じものがあるようですが…残念ながら発見できませんでした。位置的には写真左の建物前付近と思われます。





今回、この場所では地元の方の姿がなく、証言などの聴き取りができずに残念でした。



ペタしてね

しかし、基地内他の場所にて、新たな情報を得ることができました。



旧日本海軍宇須々木基地、まだまだ調べたいことがあります。

また訪ねたいと思います。






人気ブログランキングへ