「ああ、ローズクォーツもいいな。何か、アクセサリーとかありますか?」


後半のは、マクシミリアンに向けられた言葉です。


「彼はルチルさんの息子なの。私に伝言と、買い物があるって言うので、一緒に来たのよ」


ユアンはすぐに奥へ引っ込んでしまいました。きっとお茶の用意でもするのでしょう。でも、少しくらいやきもちをやいてくれてもいいのに……とリゼルは思いました。


「お母さんのおつかいですか?」


「いえ。友達へのプレゼントを探しにきたんです。誕生日プレゼント」


「彼女?」


「友達ですよ。もらったから、お返しに」


リビアンとマクシミリアンは話しながら、店内を物色しはじめました。


あの夢の男の子は、リビアンではなかったようです。夢なのだから、現実にはいない人だったかもしれません。


リゼルはリリアナのところへ行き、顔をのぞきこんで、小声で話しかけてみました。


「リリアナ、こんにちは。あなたは……どうしてお人形になったの? なりたいと思って、なれるもの? あなたは、若くして亡くなったのかしら。あなたとシンクロしても、あなたになっているから、あなたがどんな外見をしているのかはわからないのよ」


お人形と同じ姿なのでしょうか。視界に入る髪は、銀色だったような気がします。それなら、やっぱり目の色はエメラルドに違いないかもしれません。


リゼルの髪の毛は黒です。目の色はブルー。それは気に入っていますが、リリアナのような外見にも憧れます。