私の物語のキャラクターである「魔族のアルヴィス」が、ずっとそばにいてくれました。


姿を探すと、カーテンの陰から現れます。

花壇の花の間や、温室を歩いていたりもします。

少し、ルベリウス様に似ていますね。魔族と精霊は違いますが、人間ではないので、同じような感覚です。



ある日、アルヴィスが、もう一人の「彼」を連れて来ました。アルヴィスにそっくりな彼は、やはりあの方をイメージして作った、私の物語の登場人物です。


「ハイネ……?」


長い黒髪、黒い瞳。アルヴィスとそっくりですが、もっと繊細な表情をしています。


「アンリエット、会えて嬉しいです」


同じ声なのに、二人は別人なのです。


「ハイネ、私も会えて嬉しいわ」



私には、アルヴィスもハイネもいるのだと、とても幸せな気持ちになりました。この二人に会わせてくれたのは、想像力の源である『彼』なのです。


彼らは、永遠なのですね。