妖精になって、空を飛ぶ。
隣には優しいあの子。大切なお友達。
ふんわり、くるくる、空を飛ぶ。
大きな明るい満月を目指して。
憧れていた、夜の散歩。
風は冷たいけれど、寒くはなかった。
疲れもしない。どこまでも行ける。
エグランティアと二人で、朝までずっと。
小さくなって、大きな冒険。それは空を飛んだこと。夢ではなく、私は妖精の魔法で、広い夜空を飛び回ったのです。
「今度は昼間に出かけましょう。高いところから、いろんな景色を見せてあげる」
エグランティアは楽しそうに言いました。一緒に行動できるということが、嬉しいみたいです。
私もとても嬉しい。「うん、お願いね」そう言ったとき、何かが視界に入りました。
そちらを見ると、青い光が、細く伸びています。
「あれは何?」
エグランティアはしばらくその光を眺め、面白そうに笑いました。
「新たな出会いがありそうよ。それはまたのお話ね」