合格を一番最初に教えたかったあなたへ | ノスタルジック☆倉庫

合格を一番最初に教えたかったあなたへ

今日はいつもと違い真剣に「わたし個人」として書かせて頂きます。

絵文字ゼロです(笑)

つまらないし長いのですが…

もしもあなたやあなたのまわりの人が

何かに真剣になっているのであれば読んでください。

やっと合格することができました。

東京芸術大学の日本画科です。

この大学にはいるために五年もかかってしまいました。

いろんな人に迷惑をかけ

いろんな人々に出会い 励まされ 傷つけ 勇気づけられました

もう顔も合わせられない人がいます

裏切ってしまった信頼があります

どこかであったら私を殴って下さい

フラフラして さぼりがちでどうしようもないのが私です

仕事も始めたのに これでやって行こうと思っていたのに

この受験の世界から動けなかったのはなんでだったかというと

尊敬する人からのことば

ずっと見守っていてくれた人の存在

ドロップアウトしていった仲間の顔

それらすべてを

いい思い出にしたかっただけです。

思えば芸大を目指そうと思ったのは

「目標にしている人と同じものが見たい」からでした。

絵をかくって楽しい すごい!

それを教えてくれた人がいます。

「お前の絵を見ても何も感じない」

そう言ってくれた人がいます。

「お前の頑張りを見てくれてる人を裏切るな」

そう言ってくれた人もいます。

「お前だけは辞めないでほしい」

そう言ってくれた人もいます。

尊敬する先生はなぜか同じ研究室に在籍していました。

だから芸大に入ったらその先生に教わりたかったのです。

その先生は退官してしまい もういませんけれど。

一年に一度しかない入試のチャンス

別に受からなくても倍率的にも

なにも恥ずかしいことなんて無いのです

40人に一人ですから。

もうやめようかなあ…

毎日毎日本当に精神がボロボロでした。

でも私は「ええかっこしい」なので

みんなにいいところ…とくに尊敬する人にはいいとこを見せたかったんです。

「ええかっこしい」のおかげでやめずにすみました。

もうこんなくだらないことはやめよう 毎日思っていましたが…

でもそのたびに誰かの顔が浮かんで、

結局アトリエから出ていくことはついにできませんでした。

受かるまで高校の友達には恥ずかしくて顔も合わせられませんでした。

どんだけ才能ないんだよ五浪って。名前かよ。みたいなね(笑)

でもどの友達もいつも気にかけていてくれて

あきらめないことしか取り柄がない私を

すてきだと言ってくれました。


そんなの言われちゃったらさ

 

もういいとこみせたいに決まってるじゃないですか!

生まれてから人格を形成するのは

周りの人々の出会いによるものが一番大きいのだと思います。

今の私は 周りの人々とのふれあいの証なんです。


あんなに素敵な人ばっかりなのにその証がだらしないなんてだめです。


みなさんとの出会いを すこしだけいいものに昇華できたかな?

いきてきてよかった 本当にそう思っています。


ありがとう ありがとう


いや、ほんとにありがとう。


今まで会った全てのひとにありがとうを言いたいです。

まあそれは合格する前からずっと思っていたことですけど。

その素晴らしかったはずの毎日が

辞めてしまうことで 一気に悲しいものになってしまうんです。

やめとけば気持ちは楽になったんでしょう。

自分の力のなさに絶望する事ももう無いんでしょう。

でもあたしが生きてきたこれまでを

「かなわなかった夢をみた日々」に変えてしまうことは

どうしてもできませんでした。

五年のあいだに周りは社会人になり

他の美術大学に進学していきました。

美術をあきらめた人もいます。いっぱい。

わたしだけが辞める事もできず

わたしだけ前に進む事もできない

わたしはここにいるしかできなかった。

頑張ることは本当に苦しい事で

本当に恥ずかしいことなんです。

頑張らなかったらなにがあったんだろう。

「普通」の大学に行って

恋愛したりして

こどもができて そのこどもが初めてあるいて

反抗期が来て とんでもない恋人と結婚するとか言ってさ(笑)

その人生の中には本当にいっぱいのドラマがあって

それはすごくしあわせで

それはすごく楽しいんだということを知っています。

きっと人間は本来そういうことのためにうまれてきたんです。

姪ができて 楓を抱っこしてみて

わたしなんて何もないんだと感じ、

楓の中には全てがあると思いました。

自分の可能性に期待しなければ

人生に賭けることなんてしなければ

悲しい事も絶望する事もきっと少ない。

親を泣かす事もね(笑)

でも 涙を流す事も 緊張する事も

それから絶望する事も

すべてが「こころのうごき」で「こころのゆらぎ」で

すごくね、鮮やかなんです。

こんな毎日はほかのどこにもなかったんです。

これを読んでくれる人のほとんどはたぶん

この世の全てのしあわせのなかにいるんです。

おおきなおおきなしあわせの輪の中にいて ほほ笑んでいます。

そのわっかから出てしまったものには

ひどい苦しみと悲しみが待っています。

輪っかの中の何人かが笑いながら言うのです。

「そうアツくなりなさんなよ」

「むきになるなよかっこわりい」

わたしの手はゴツいしガサガサです。

爪は鉛筆でボロボロです。

毎日絵の具まみれの汚いジーパンをはいて予備校にいきます。

周りの友達はやわらかそうなきれいな手と髪で いい匂いがするんです。

輪っかからでれば そういうしんどい事がいっぱいあります。

でも輪っかの外で掴んだ何かは

この世にあるすべてのなかで一番きれいな色をしていると思います。

それを掴んだ瞬間に

わっかのなかの人々が

やさしく それとちょっと羨望のまなざしで ほほ笑んでるのを

見る事ができると思います。

もしも 信じる何かを辞めてしまおうという人がいましたら

あとすこしだけ待って頂きたいです。


私が掴んだものはほんとうにきれいな色をしています。


その色をみるためだけに


もうすこしだけ頑張るってのも 悪くないと思いませんか?

くるしかったけど

終わっちゃえば全てがいい思い出になるんですね…。

もう一年がんばらなきゃいけないみんな、

本当につらいと思うけど…

つらい思いをした人には勝ち取って頂きたいので…


めちゃくちゃ応援しています。


次はあなたの番ですよ。

長かったですねえ

私の文章も、浪人も(笑)

もう終わりました。

来週からまた

ノスタルジック倉庫を始めますのでよろしくごひいきのほどを。

では





変な本屋