記者会見をオープンにー民主党は約束を守れ | オーウェルの日本再生論

記者会見をオープンにー民主党は約束を守れ

  前回事務次官や官僚らによる定例会見の中止に

いて書いたが、政治報道に関して言うと先週もうひ

重要なニュースが、ネットや一部メディアで話題となって

いた。それは今度の民主党政権が、これまで公言して

きた記者会見のオープン化の約束をいきなり破った事

だ。これまで官邸内や各省庁などで行なわれる会見は、

記者クラブに所属する大手メディアのみが出席できる事

になっていたのだが、民主党はこれをオープンにし、ジ

ーナリストなら誰でも会見に出れるようにすると明言し

来た。しかし、実際に鳩山首相が就任会見を行なう段

なると、民主党は会見をオープンにせず、一部の雑誌

者に会見に出席する権利を与えただけで事を済ませ

しまったのだ。


  記者会見をオープンにする事は非常に重要な課題

である。なぜなら、これは記者クラブの存在とも関わっ

てくるのだが、一部のメディアだけに独占的に会見に出

席する権利を与えてしまえば、他のジャーナリストの取

材する権利を奪い、国民の知る権利を制限する事にな

るからだ。会見に出席できるのが特定のメディアに限ら

れると(ここでは記者クラブに属する大手メディア)、他の

視点を持つ人達による追求や批判は当然限られること

なり、記者と官僚達の馴れ合いなども起こり、報道さ

れる報にも偏りが生じてくる。これまでメディアによっ

を欠いた垂れ流し的な報道があったのも決して

偶然はないのだ。しかし、こういった特権は自由な

道を本とする民主主義国家のあり方とは相容れない

ものあり、先進国はどこも記者会見をオープンにして

いる。日本だけそれが出来ていないのは非常に恥ずか

しい事であり、民主党が今回約束を破ったのは実に残

念だと言わざるを得ない。


  記者会見のオープン化を止めた理由として、一部で

記者クラブの特権を奪う事で、そこに属する大手メデ

ィアから集中砲火を浴びたくなかったのではの噂も流

ているが、一方で、記者クラブの側も会見がオープンに

なるのは仕方がないとすでに腹を括っていたとの情報も

出ている。私にはどちらが正しいかはわからない。ただ

手メディアの多くは今回の件に関して報道しておら

ず、ほとんどスルーしていると言ってもいい状だ。

達の特権を奪われたくないから、ニュースでる事

問題提起する事も避けたいという事なのだろうが、

が日本のメディアのする事なのかと思うと非常に恥ず

しくなってくる。既得権益にすがりつき、事なかれ主義

問題から目を背ける彼らに、偉そうに政治家や官僚

批判する権利があるとは思えない。


  それから、よく記者会見がオープンにされない理由と

してセキュリティーや会見のためのスペースの問題が挙

げられるが、これは理由としてはまったく根拠に欠けて

。例えば、セキュリティーに関して言えば、今は記者ク

ラブに属する報道関係者側に丸投げの状態にあり、政

府はセキュリティーと呼べるよう事はほとんどしていな

い。つまり、記者クブに属していればそれでOKであっ

て、記者クラブにい人は問題を起こさない、大丈夫だ

ろうという根拠のない定の下にすべてを任せているの

だ。元々やっていないものをセキュリティーの問題があっ

できないと言うのは受け入れがたい理由である。それ

にそもそもの話として、他の先進国ではちゃんとセキュ

ティーの問題をクリアーして記者会見をオープンにしてい

る。日本だけできないというロジックは通用しないだろう。

他の国でやっているように、どんなジャーナリストでも

録制にして、しっかりとした基準で変な人でないか調べ、

場合によっては、持ち物検査なども導入してやれば、大

きな問題になる事はないだろうと私は思う。


  また、スペースの問題にしても、今使っている会見場

が狭すぎるというのが理由なのだが、海外ではスペース

い場合、メディア関係者が協力して、映像を共有し

り、代表者に質問を託すなど、会見場に入る人を少

くしてやりくりしている。海ではこういったことに関する

ルールがしっかりとしていて、日本でもやろうと思えばす

ぐにできるようになるはずだ。だいたい日本の場合、

見によってはテレビ局1社から10人ぐらいの人が入る場

合もあ聞く。何でも質問で当ててもらう確率を上げた

いがめなんだとか。こういった手前勝手な理由のため

に他ジャーナリストが排除され、会見をクローズにして

るとしたら、これは当性、公平性に欠けると非難され

ても仕方がない。想像するに、記者クラブから会見場に

を絞れば、それでほどの場合は問題はなくな

のではないだろうか仮にもっと大きなスペースの会見

場が必要と言うのであっても、そういうスペーを用意

きるまでは取係者お互いに協力し合ってやりくり

れば問題はないはずだ


  このように記者会見をオープンに出来ない理由はた

いしたものではなく、推測するに記者クラブの既得権益と

彼らを敵にしたくないという民主党の利益のために頓挫

していると考えられる。しかし、民主党はこれまで記者会

見をオープンにすると公言してきたのだから、その必要

性を今一度思い出し、しっかりとその約束を守るよう行動

すべきである。これぐらいの約束を守る覚悟と度胸がな

ようでは、民主党が目指す政治の構造改革も妥協に

つぐ妥協で前に進まなくなるのではないだろう。