若年層こそ投票に行くべきー投票率が政治を変える
日本の選挙における若年層の投票率は非常に低い。
統計で世代ごとの投票率を見てみると、60歳代が83%
と一番高く、そこから下の世代へ行くと投票率はどんどん
下がっていき、20歳代では46%と一番低くなっている。
きっと若い世代の人ほど政治との接点を見出せず無関
心になっていて、「政治はよくわからない、自分が投票に
行っても結局何も変わらない」と思っているのだろう。しか
し、若年層の投票率が非常に低いせいで、若者達は大
変損をしている事を自覚すべきだろう。自分の大切な一
票を無駄にしているとかそういったレベルの話ではない。
投票率が低いせいで若年層は政治家から政策の面で無
視され、金銭的にも実質的にも損をしているのだ。今回
は低い投票率がどうしてそういった損に結びつくのかを
わかり易く説明したいと思う。
政治家は常に選挙で当選するためにどうすれば良
いのかということを考えている。当選するためにはもちろ
ん票を伸ばさないといけない訳だが、そのために政治家
はどういった人たちにどういった政策を訴えれば一番効
果的に票を集められるかという事を考えているのだ。故
に政治家は投票してくれる人がたくさんいる年齢層や性
別、職業に焦点を当てた政策を押す傾向にあり、内容も
彼らが得をするものになる事が多い。今の日本で言うと、
年金や医療、介護などが頻繁に政治的な課題として取り
上げられるが、これはそういった事柄に関心が高い60歳
代とその前後の人たちの人口が多く、投票率も80%近
くと高くなっているためだ。逆に投票率が非常に低く人口
の上でも少ない若年層は選挙においてあまり重要と思わ
れていないため、政策面でもかなり冷遇され、政治的な
恩恵を受けられないでいる。
例えば、若年層への支援となる雇用や子育て、教育
などに対する日本の公的な支出は、先進国の中では最
低の水準となっている。それに国の借金と言う将来的に
若年層が税金という形で背負う事になるだろう負担もこれ
まで際限なく増やされてきた。こういった事は若年層が軽
視され、高齢者よりの政治が行なわれてきた証拠である
と言えよう。つまり、若年層はただでも人口の面で他の世
代よりも少ないのに投票率が40%台と極端に低いため
政策面で政治家から無視されてきたのだ。しかし、こうい
った政治的状況は何としても変えないといけない。若者が
軽視される社会に未来などないからだ。具体的に言えば、
若年層ばかりが重い負担を背負わされたり、教育の劣化
によって将来の日本経済を担う人材が育たなくなったり、
若者の非正規化が拡大する事で生涯賃金が低下したり、
経済成長が妨げられるなど様々な弊害が考えられる。
よって若い人たちにはぜひとも選挙に行って若年層
の投票率を上げて頂きたい。私も投票に行くに際には、
自分の一票などちっぽけなもので、誰に入れても選挙の
結果は変わらないのではと感じる事がある。しかし、これ
まで話してきたように投票率を上げる事自体にも意味が
あり、そのためだけでも投票に行く価値は十分にあると
言える。選挙結果がどうであれ、投票率が上がって若年
層の存在感が増せば、政治家も若者に配慮した政策を
考えるようになり、実際に損をする事も少なくなるだろう。
誰に投票して良いかわからない人は白票を入れるのも
良い。政治に対して抗議するために選挙に行かないとい
う人もいるだろうが、政治家は投票率が下がっても困ら
ないので、どうせなら投票に行く事をお勧めする。政治に
無関心という人や面倒くさがり屋の人にもぜひ投票に行
って頂きたい。投票率が上がれば政治が変わり、日本の
未来を明るくなるのだから。