政権交代を望むが、民主党には非常に不安を感じる | オーウェルの日本再生論

政権交代を望むが、民主党には非常に不安を感じる

  衆議院選挙の投票日まであと数日となった。少し

の世論調査の結果を見る限り、民主党が圧倒的に優勢

を保っており、自民党にとっては厳しい選局が続いてい

る。たぶん国民の多くが自民党政権のやってきた政治

に対して不満を持ち、一度政権を変えた方が良いと考え

ているのだろう。それに対して自民党の麻生首相は責任

力とか実行力、実績などを訴えるという的外れな選挙戦

を展開しており、支持率の回復には到っていない。このま

ま行くと民主党が衆議院で第一党となり、民主党を中心

とした政権が誕生する公算が高いが、民主党の政策に

ついては、行政改革案には一定の評価をするが、全体

を見ると政策の整合性が取れておらず、経済に精通した

人物がいるのか疑問に感じる。それに民主党は日本の

国益大きく損ないかねないとんでもない政策や支持団

体をえているだけに非常に不安を感じる。


  よく議論されるように政権交代を目的化するのは選

の争点を二の次にしてしまうので、確かに問題ではあ

る。しかし、これだけ長い事自民党による政権が続いて

きた事を思うと、政権交代自体に大きな意味があるとも

言える。権力は人を腐らせると言うが、長い間同じ体制

が続くと既得権益を巡る馴れ合いやしがらみが強くなり、

組織としての自浄作用が働かなくなり、腐敗や不正がは

びこるようになる。官僚も政治家も自らの責任を問われ

ることを嫌い、問題や情報の隠蔽に走るようになるのだ。

現在の硬直化した自民党と官僚による政治もその延長

上にあるものと考えて良いだろう。故に政権交代によ

ってそいった馴れ合いやしがらみとは関係ない人間が

政府にれば、これまで隠されていた問題や不正が一

に表に出てくる可能性は十分ある。民主党も、外交

でもない限り前政権の問題を隠したまま引き継ぎた

はないだろし、行政の大掃除をする事で国民にアピー

ルしたいことろう。正直その辺は民主党に期待してしま

う所があり、権交代は望ましいと言える。


  しかしながら、民主党の他の政策や支持団体につい

調べていくと非常に不安になってくる。例えば、予算の

組み替えをして無駄を削るのは結構だが、それでも日本

が借金大国で財政的に厳しい事に変わりはない。にもか

かわらずマニフェストにはバラマキと批判されるような政

策が目白押しだ。中でも高速道路の無料化、ガソリン等

の暫定税率の廃止は理解に苦しむ。どう考えてもこの二

つの優先順位は低く、こういう所に税金を使うぐらいなら、

医療や介護などに回すべきだろう。民主党は高速道路の

無料化は何兆円もの経済効果があると言うが、無料化を

図ればマイナスの経済効果も生まれる。渋滞や排気ガス

の増加はもちろんだが、他の交通機関が打撃を受ける。

フェリーや鉄道や航空などとのバランスやモーダルシフト

の流れを考えると、無料化は愚策としか思えない。しかも、

暫定税率を廃止すればさらに車の利用は増え、渋滞と排

気ガスが激増するだろうから、民主党が掲げる非常に

いCO2の削減目標と真っ向から対立する事になる。つま

り政策がちぐはぐで整合性が取れていないのだ。


  また、民主党の経済政策は家計のお金を増やして内

需を刺激するとしているが、その辺もどうも説得力に欠け

る。高速道路の無料化と暫定税率の廃止で物流のコスト

を下げて物価を安くするそうだが、渋滞が深刻かしてそ

効果が半減したり、物価が下がっても逆にデフレを加

させてマクロ的によくない効果をもたらすことはないだ

か。それから子供手当てと高校の無償化にしても、そ

自体は評価できる政策だが短期間で内需の拡大に

は疑問である。確かにそういったお金が子育て世

家計を助け、消費を増やすことはあるだろうが、これ

体のごく一部の人に限られるし、子供の教育費

来の貯蓄に回る分もあるだろう(ただ少子化対策とし

的にやれば、長期的には子供の数が増えて内需

つく)。また、他の経済政策や成長戦略に関しても、

けたような印象を受けるものが多く、個々の産業

体に精通した人間が民主党の中にちゃんとい

である。


  そうは言っても賛成できる政策もいくつかあるのだが、

一番私が不安に感じるのは民主党の裏に怪しい支持団

体がいてマニフェストにはないとんでも政策を実行するの

ではと疑われている事だ。特に民団と日教組、自治労の

存在は民主党の政策に暗い影を落としている。例えば外

国人参政権の推進や従軍慰安婦の問題などについては

支持団体である民団の呼びかけがあると思われる。これ

らの政策が日本の国益を大きく害するのは確実だが、マ

ニフェストに載っていないからと言ってやらない保証はま

ったくない。実際、代表の鳩山氏は外国人参政権につい

て積極的な姿勢を示している。また、教育に関しても、

山氏は支持団体である日教組にすべて任すような発言

ている。日教組は左翼的なイデオロギーを持つ頭の

い集団だ。現実を直視できないそういった組織に日本

教育を任せれば、日本の教育の劣化は間逃れないだ

う(ゆとり教育も日教組が推進したもの)。加えて自治

の存在も、民主党が掲げる行政改革が本当に実行で

るかという点に疑問を呈する原因となっている。

  

  このまま行くと民主党政権の誕生はほぼ確実だろう

が、正直民主党には日本を任せたくない。それは政治

や外交には一度やってしまうと後戻りがきかないものが

あるからだ。しかし、国民は自民党政治に飽き飽きして

おり、民主党以外に政権の受け皿となるような大きな政

党がなく、行政改革を声高に訴える政党がないため

めひとまず民主党にやらせてみようという流れに傾い

いる。これはある意味危険な賭けであると言えるだろう。

本当は民主党の動きをけん制する第三局があると良

のだが、社民党はかなり左よりだし、国民新党も頼り

いものがある。個人的にはみんなの党のマニフェストを

一番評価しているので、彼らに期待しているのだが、全

国区からはほど遠く、議席を増やせるかも微妙だ。また、

もう少し接戦になれば、政界再編の動きもあるのだろう

が、今の情勢ではかなり難しいだろう。現時点において

国民がもう少し細かな政策や政界全体のバランスに

ついても考え、30日の投票に行くよう願うしかない。