「表皮」に宿るフェティシズム———名和晃平 ”Synthesis”展 | mocaのブログ

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名和晃平の作品は、どれも触りたくなる。

どこまでも透明で滑らかなガラスの球体や、石鹸のような泡で覆われた彫像、光の屈折によってその中身を巧みに欺くプリズム、穏やかに光りながら規則的に発泡するゲル—————

どれも独特の質感があり、思わず手を伸ばしてしまいそうになる。

もちろん作品なので触ったらダメなんだけど、(スタッフの人に「触ったらダメですか?」と聞いたら「ダメです」と言われた)そこに微妙なフェティシズムがあるような気もする。

そして出来るならばそれに触れるだけではなく、その表面を覆っているものを剥ぎ取り、解剖し、その中身に触れてみたいと思う。

その作品が持っているはずの意味とか本質とか、そういうものを手にとって確かめてみたいと思う。

だけど、そうして中身と呼ばれるものに触れる頃には、作品が持っていた魅力はたぶん消え失せてしまっている。

だってそこにあるのは何の変哲もない鹿の剥製だったり、サボテンだったり、フランスパンだったりだけだから。

そしてそこに至って、これらの作品の本質というのはその中身ではなく、それを覆っている表面に宿っているのだと気づくことになる。


名和晃平の制作のテーマは「表皮」だという。

見るもの、見られるもの。
コミュニケーションの本質はあくまで表面的な現象のみに存在する。

それってすごくクールな認識だよなあと思う。




名和晃平 ─ ”Synthesis”展
会期=2011年6月11日(土)‒ 8月28日(日)
会場=東京都現代美術館 企画展示室地下2階・アトリウム
http://www.mot-art-museum.jp/koheinawa/



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