めえは気功使いに首根っこを捕まれ運ばれる。

「やーん。なにー? コノハが逃げちゃった。アンタ達なによー」

 めえは飼育員四人にジタバタと抵抗しながら講義する。

 それを道行く周りの人たちは不思議そうに見ている。

 しかし、飼育員はフェネック姿のめえが人語を話しているのに全く動じていない。

 この四人。ありえないものは受け入れない性質なのだ。

 この動物園にはレンタルでビーストトランスの従業員が動物に変身していることは知っているが、彼らは動物になっても人語は話せない。

 よって、動物が人語を話すのは妄想であると強く信じている。

「そういえば、フェネックは二匹もいたか?」

「さぁ? 新しく入ったのじゃないか?」

「そんな話聞いていないような気もするが……」

「ま、まさか……このキツネ……妖術を!!」

 気功使い以外の三人はビビった。

「あーん、ねぇ、放して! せっかくコノハと楽しく遊んでいたのにー!」

 めえは俄然抗議するが、彼らにスルーされている。

「妖術? それはない。こいつはただのキツネだ」

 気功使いの言葉を聞いて三人は安心した。

「新しく入ったのだろう。ほら、仲間だ」

 フェネックの飼育小屋までめえを掴んでいった彼らはめえを飼育小屋の中に入れて鍵をかけた。

「もう、なによ!! 急に人を掴んで!!」

 めえはかなりご立腹。

 と。

「くぅーん」

 檻の中にいたフェネックがめえの登場にしっぽを元気よくふりふり。

「ん? あ! 君はさっきの!」

 めえの前には本物のフェネックがいた。しかし……

 檻にもともといたフェネックは喜び方がハンパない……というかめえに発情している。

 そう、このフェネックは♂だった。

「ルククククーー」

 きれいな声を出してめえの気を惹こうとする。

「およ? めえも真似するー。ルククククーー」

 すると、一層喜んでしっぽをふりふりするフェネック。めえがチョメチョメに同意したと捉え、めえの背後から襲い掛かった!!