(馬小屋はどこやっけ? 何かウマのままだと文字が読みにくいし……一旦、ヒトに戻るか)
 コノハがパカパカと辿り着いたのは、馬小屋ではなく、牛小屋だった。高校一年生の時、春の遠足でここの牛の乳を絞って搾りたての牛乳を飲んだことがあった。
 コノハは周りに誰もいないことを確認して、ウマからヒトに戻るイメージをした。すると、すぐに変化が始まる。
「ヒヒーゥ、アゥ、ヒヒ―」
 ウシの目の前で変身が始まる。
 体全体が少しずつ縮んでいく。両足の長さが縮んでいくと、蹄が五本の指に割れ始める。首も肩の方へと縮んでいき、突きだしたウマのマズルが顔の方に戻っていく。たてがみは頭部の部分を残して体内に吸収され、体全体が茶色から肌色に変化する。筋肉質なウマの肌から女子高生のやわらかい肌に。ピンと伸びた耳が頭の上部から顔の横へと移動し、東部に残ったたてがみの色が黒に変わり、周りからも黒い髪の毛が生えてくる。ボリュームのあったお尻は丸みを残して縮み、しっぽが体内に吸収されていく。
「ヒヒゥン、ヒァアン、アン、アァアン」
 声帯がヒトのものに戻り、女の子の喘ぎ声になる。
 左右の目が中央に寄り、ヒトの視界に戻る。マズルが縮み、鼻や口がヒトのもになる。髪の毛がバサッと生え、耳は顔の横に小さくなった。割れた蹄がそれぞれ前足は手に、後ろ足は足になる。ヒトに近い姿のウマになったところで、股にあるおっぱいが膨らみながら胸の位置に戻ってくる。おっぱいが腹側で移動する感覚は初めてだった。しっぽはドンドン吸収され、おしりは完全にヒトのものになった。