皆様、こんばんは。
本日は、2013年11月28日木曜日です。
今朝も冷え込みましたが、明日も今日以上に寒いようで。。。もっとも、あと二日で12月!冬だから寒いのも当然ですね。防寒対策しっかりして、がんばりましょー!
さて、今日の話題は26日に衆院を通過した「特定秘密保護法」(4党修正案全文 、2013年11月27日朝日新聞)についての記事を集めて読んでみました。感想は3行です。
【1】スパイ対策は必須。日本の良さを対外アピールし、日本にとって良くない情報を集める機関は必要。
【2】問題点は「秘密の定義があいまい」であること。
【3】原子力発電と核のゴミ等は、テロ対策に関係するでしょうけれども、国民の安全という点で公開を求めたい情報です。安全面に関わることは公開されるという言葉が欲しい。
【情報元】
総理 秘密保護法案衆院通過FBで報告 コメント千件超
http://yukan-news.ameba.jp/20131128-119/
2013年11月28日 15時15分 アメーバニュース/政治・社会
機密を漏洩した公務員らへの罰則を強める特定秘密保護法案が11月26日に衆議院を通過。11月27日にはいわゆる日本版NSCの国家安全保障会議を設立するための法律が可決、成立した。
安倍晋三総理(59)は自身のフェイスブックで両法案の進捗を報告し、「国民の皆さまの安全を守るための法律が大きく前進しました」とコメント。また、両法案に対する不安や懸念を払拭するために、「しっかりと説明責任を果たしていきます」とも強調した。
特に特定秘密保護法案に関しては反対意見も多く、議論の的。共同通信が11月23、24日に実施した全国電話世論調査によると、特定秘密保護法案への「賛成」は45.9%、「反対」は41.1%と賛否両論。同法案が成立した場合に「知る権利」が守られるとは思わないとの回答が62.9%に上った。
同法案については安倍総理のフェイスブックにも意見を書き込む人が多数。2013年11月28日13時18分現在、1150件のコメントが書き込まれており、「この法案はベストじゃなくても国同士の機密保持契約に最低必要なものと理解してます」「国民を守るために必要なことです。自信をもって前へ進んでください」「自分も賛成です。自分の職場や身近な人間で反対している者がいません」と賛成する声が多数。しかし、中には「もっとしっかり議論していくべきだと思う。今の時代で悪用されなくても後の時代はわからないからなぁ」「法の目的はよくわかりますが、希代の悪法になりそうですね」と釘を刺す声も書き込まれている。
首相「知る権利十分尊重」…秘密保護と両立強調
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131128-OYT1T00386.htm
2013年11月28日10時45分 読売新聞
安倍首相は27日の参院本会議で、安全保障の機密情報を漏えいした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案について、機密保全と「知る権利」尊重を両立させる考えを強調した。
法案は27日、参院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。質疑では、「知る権利」が制限されることなどへの国民の懸念を踏まえ、野党だけでなく与党からも、法案に関し一層の説明を求める意見が出された。
自民党の宇都隆史氏は「『知る権利』の範囲がこれまで以上に狭められるわけではないことを国民に正しく説明する必要がある」と訴えた。これに対し、首相は「『知る権利』が十分尊重されるべきことは当然だ。報道・取材の自由に十分配慮しなければならないとの明文規定を置くなど、『知る権利』を十分尊重しつつ、特定秘密の保護を図る」と述べた。
特定秘密保護法案、成立したらどんなことが起こる?議論も説明も足りないとの指摘も【争点:安全保障】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/27/japans-illiberal-secrecy-law_n_4352010.html
2013年11月28日 07時48分 JST(更新: 2013年11月28日 14時53分 JST) The Huffignton Post
懸念される秘密保護法案とビッグデータの関係
http://japan.zdnet.com/cio/sp_13matsuokaopinion/35040570/
2013年11月27日 17時32分 ZDNet Japan 松岡功
特定秘密保護法案における国会での審議が大詰めを迎えている。国民の「知る権利」やメディアの「取材・報道の自由」を脅かしかねない法案だけに慎重な論議を求める声も多いが、11月26日夜に衆院で可決され、参院での審議に移った。(中略)
秘密保護法に「有効活用」されるビッグデータ
そんな特定秘密保護法案に対して、筆者なりの懸念を1つ示しておきたい。それは、この法案とビッグデータ (コトバンク)の関係である。さまざまな情報を収集し分析して、ビジネスの拡大や便利な社会作りにつなげようというビッグデータの活用が今、ブームともいえる盛り上がりを見せている。企業にとってはまさに「宝の山」とも言われるビッグデータだが、それは当然ながら行政にとっても同じだ。
最近では、ビッグデータ (総務省)を活用して人間の行動だけでなく嗜好や感情をも把握できるようになってきており、これらによって企業がビジネスの拡大を図るのと同じく、行政にとっても便利な社会づくりにつなげていくことが期待されている。(後略)
特定秘密保護法案、衆院通過 アメリカは歓迎、海外メディアは懸念報じる
http://newsphere.jp/politics/20131127-4/
2013年11月27日 NewSphere
特定秘密保護法案が26日、衆議院で賛成多数で承認された。27日の参院本会議で審議に入り、今会期中に成立する見通し。
法案では、国家機密を漏らした官僚と、それを入手しようとするジャーナリストに、より厳しい処罰を定めている。政府関係者が秘密を漏洩すれば、最長で懲役10年が科される。ジャーナリストが「不適切」あるいは「不正」に情報を入手した場合は最長で懲役5年の刑としている。閣僚と省庁が、防衛、外交、諜報活動、テロ対策などに関連する23項目の情報をほぼ無制限に機密扱いにすることを認めるとしている。
安倍首相は、「この法律は、国民の安全を守るためのものだ」とし、法案成立後も運用について国会でさらなる議論を重ねることを約束した。
【懸念される国政運営の透明性低下】
議論の主な争点は、政府がどの情報を機密扱いとするかだ、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。法案の反対派は、機密指定の過程を監視する独立組織の設置を約束するよう求めていたようだ。
AP通信は、元内閣官房副長官補(2004~2009年)の柳澤協二氏の、「最も心配なのは、政府が方針を決定する過程がより見えにくくなることだ」との懸念を報じている。同氏は、政府の意思決定過程を確認できないため、「国民が政府に賢明な選択を求めることができなくなる」と語っている。
さらに、明治大学のローレンス・レペタ教授(政府情報への市民アクセスと政策立案への市民参加に関する研究者)は、法案は報道の自由に対する深刻な脅威だと語り、「安倍政権は、監視を免れるため、いくらでも情報を隠すことができ、政府とその関係者が情報を機密扱いにすることで、これからの法案成立過程の透明性が落ちることになる」と指摘した。
【アメリカは法案を歓迎】
一方、法案成立の動きをアメリカは歓迎しているようだ。軍事力を強める中国に対抗するため、日本が強い政府となることを望んでいるのだ、とAP通信は報じている。ただ、国際的には、日本政府が言論の自由を統制した、戦前の軍国主義に逆戻りするのではとの不安も強まっている、とも指摘している。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、アメリカが法案成立により日本を「より強力な同盟国」と評価しているとの、在日米国大使館首席公使のカート・トン氏の発言を報じている。同氏は同時に、成立過程の透明化と、アジア諸国から法案への理解を得るよう求めている。
法案は、安倍首相がアジア地域の安全保障において、日本の影響力を強めようとする基本的取り組みのひとつだと報じられている。
またAP通信によると、専門家の多くは、特定秘密保護法案は、安倍首相の望む中央集権的政府をつくるための憲法改正への道ならしともみているようだ。
【残る国民の不安】
共同通信が23、24日に行った世論調査では、62.9%の有権者が「知る権利」が守られないだろうと不安な見方をしているようだ。法案自体に関しては、45.9%が支持、41.1%が反対であった。日本経済新聞とテレビ東京の調査では、50%が法案反対、26%が支持という結果だった。
安倍政権が「特定秘密保護法案」「日本版NSC設置法案」成立を急いだ本当の理由
http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20131127/375123/?rt=nocnt
2013年11月28日 日経BPネット
11月26日、衆議院本会議で「特定秘密保護法案」が自民、公明、みんなの党の3党によって強行採決された。審議が不十分とする野党民主党ほかや、法案には同調していたが審議時間をもっととるべきと主張していた日本維新の会の申し入れを振り切ってまで、強行した理由は何なのか? ここに極めて危険な安倍政権の保守主義があらわになった。
創生「日本」での不可解な演説
それを象徴するのが、26日の安倍首相の動静だ。午前に開かれた衆議院の特別委員会を強行突破した後、夜の衆議院本会議までの合間を縫って、自身が会長を務める超党派議連「創生『日本』」の会合に参加。そこで安倍首相は「誇りある日本を取り戻す」とぶち上げたのだ。
なぜこんな多忙な日にこうした会合に参加したのか? その真相は、創生「日本」、なる組織がなんたるかを知れば理解できる。創生「日本」は、自由民主党、日本維新の会、みんなの党、新党改革の4党と無所属の国会議員など約70名の国会議員が参加する「真・保守主義」という理念を掲げる政治団体。憲法改正や「国民ひとりひとりが、真・保守主義の根本理念の下で、皇室を戴く」ことなどをうたっている。
この日の会合では議連メンバーを含め約400名が参加し、保守派の論客であるジャーナリストの櫻井よしこ氏らが講演した。安倍首相が「特定秘密保護法案」や「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」で目指すものが、創生「日本」の理念と合致するとなれば合点がいく。
安倍首相悲願の憲法改正の布石に
11月27日には日本版NSC設置法案が、参院本会議で自民党、公明党の与党と民主党、みんなの党、日本維新の会、新党改革の賛成多数で可決、成立。12月4日に発足することが決定した。日本版NSCの運営が本格化してくれば、当然その中では日米の安全保障問題も主要なテーマとして扱われる。
しかも日本版NSCは議事録の作成が義務付けられていないため、政策決定過程が非公開になる恐れもある。集団的自衛権行使などを巡る米国とのやり取りは特定秘密保護法によって秘匿され、公の場で議論されないまま、なし崩し的に日本の安全保障の道筋が決まっていくことも懸念されるのだ。
日本版NSCは政府が12月中に取りまとめる「国家安保戦略」や「新防衛大綱」を実質的に決定する役割も担う。この重要な報告書を取りまとめていくためにも、それまでに「特定秘密保護法案」と「日本版NSC設置法案」をセットで成立させておきたかったともみてとれる。
9月17日には、安倍晋三首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が7カ月ぶりに開かれ、集団的自衛権行使の議論を本格的に始めたところだが、この議論は日本版NSCに引き継がれるわけだ。
⇒ 集団的自衛権、サイバー攻撃も対象に現実的に議論せよ
安倍首相にとって、憲法改正による「戦後レジームからの脱却」は悲願である。祖父の岸信介元首相のDNAを引き継ぐ安倍首相は、政権発足時から憲法改正に向けて奮闘してきた。いきなり憲法改正が難しいとみるや、憲法改正をやりやすくするために憲法改正手続きを定めた96条改正を目指した。
⇒ 「押し付けられた服に体を合わせる」日本人の憲法観
それも暗礁に乗り上げると、今度は憲法解釈を担当してきた内閣法制局の人事に官邸が介入し、長官を交代させ、政府見解による解釈改憲による集団的自衛権行使に向けた環境を整えてきた。
⇒ 専政か英断か。霞が関を震え上がらせる官邸の人事介入
憲法改正に向けた最後の仕上げが、「特定秘密保護法案」と「日本版NSC設置法案」という2つの法案のセット成立ともみることができるわけだ。
まだまだある「特定秘密保護法案」の問題点
ここで改めて「特定秘密保護法案」の問題点を見ていこう。
特定秘密保護法案は「外交」「防衛」「スパイ活動などの特定有害活動の防止」「テロ活動の防止」という4分野を対象にしている。「漏えいすると我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの」を「特定秘密」としており、大臣ら行政機関の長がそれを指定することができる。
特定秘密を漏らせば「10年以下の懲役」に処せられる。漏らした者ばかりか、人を欺いたり、人に暴行を加えたりして特定秘密を取得した者も10年以下の懲役。共謀、教唆(そそのかし)、扇動した者も5年以下の懲役に処せられる。
ジャーナリストの田原総一朗氏は、何が危険かというと、大臣ら行政機関の長が「これを特定秘密に指定しよう」と考えたら、その裁量で決められてしまうことである、という。
特定秘密は4分野に限るとしているが、国の安全保障を脅かすような原発事故問題についても、原発は「テロ活動」の対象になる可能性もあるので、原発に関する情報も特定秘密に指定されてしまうかもしれないというのだ。
⇒ 特定秘密保護法案の危険きわまりない曖昧さ
ねじ伏せられた民意
法案の衆議院通過の前日に、特定秘密保護法案に関する地方公聴会が福島市で開かれ、県内の首長、学者ら7人が意見を述べた。そこでは、範囲指定があいまいな「特定秘密」によって原発の情報開示が不透明になる恐れがあるとして、全員が反対や懸念を表明した。
浪江町の馬場有町長は、原発事故直後に「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の情報が公開されず、住民が無用な被爆を受けたと指摘。秘密保護よりも情報公開を優先すべきと訴えた。
だが、こうした民意は翌日の国会では全く考慮されず、為政者によってねじ伏せられた。こうした振る舞いをする為政者が、監視の役割も担うというから、国民は開いた口が塞がらないだろう。
「さようなら原発1000万人署名」運動や憲法を守る「九条の会」に取り組むノーベル賞作家の大江健三郎氏は26日、「原発事故の情報が隠されていなければ、どれだけの人が被ばくを防げたか。秘密保護法案の反対運動と反原発運動が重なり、市民の声はますます大きくなるだろう」と説いた。
日本経済新聞社とテレビ東京が11月22~24日に実施した世論調査では、特定秘密保護法案に反対が50%となり、賛成の26%を上回った。これは各メディアが実施した調査ともほぼ同じ傾向を示している。原発問題や憲法改正問題を差し引いても、多くの国民が、依然、根強い不安を抱いているのが浮き彫りになった。
当初42万件だが、官僚の采配でどんどん増える「特定秘密」
「特定秘密」の範囲が官僚の裁量によってどんどん拡大して歯止めがきかなくなるという懸念は、現実のものになりそうだ。特定秘密保護法案が成立したあと、政府はまず42万件の情報を特定秘密に指定する方針だ。2007年に政府が作った秘密基準である「特別管理秘密」をそのまま「特定秘密」に横滑りさせるわけだ。
安倍首相はこの数の問題を指摘されると、「42万件のうち9割は衛星写真」と答弁した。では残りの4万件もを首相が把握できているのか。しかも、これは当初の数で、今後加速度的に増えることが予想されるのだ。
ジャーナリストの磯山友幸氏は、米国やその他の先進民主主義国では、秘密文書の取り扱いについて明確に規定しているが、どの国も20~30年で文書を公開する情報公開ルールを確立していると指摘する。1972年の沖縄返還に伴う密約文書を日本政府は認めてこなかったが、米国で期限が来て情報公開される文書からその内容が明らかになった。米国並みの秘密保護法制を整えると言いながら、米国並みの情報公開法制はまったく整える気が安倍内閣にはないとみる。
⇒ 政府が好き勝手に「秘密」指定。その数40万件以上?
民主主義国家では政府が「国民に説明する義務」を負っている。「秘密は秘密」だと、その義務に頬被りしようとしているのが今回の法案だ。国民の代表である国会議員すら永遠に知ることができず、下手に聞き出そうとすれば犯罪者にされかねない。磯山氏は、それが霞が関の一存で事実上できてしまうところに危うさを感じるという。
ネット時代には通用しない時代遅れの法案
今回の「特定秘密保護法案」「日本版NSC設置法案」について、ノンフィクション作家の松浦晋也氏は、ネット以前の時代錯誤をそのまま体現した法案だと指摘する。インターネット時代では、1人の人間が一度に扱える情報量が劇的に増え、かつ簡単に扱えるようになったため、インナーサークルの者が「法を犯す」と決意すれば、従来とは比較にならないほど大量の情報を簡単に持ち出すことが可能という。
米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン氏による米国の機密情報大量漏洩などを見ても明らかなように、いくら罰則を厳しくしても、機密漏えい問題は防ぎようがないのだ。
さらに日本が輸入して政府機関も使っている通信機器のファームウエアやI/Oチップにバックドアが仕掛けられたら、いったいどうしたらいいのだろうか。インフラ機器を疑いだしたら切りがない。そんなバックドアから国家の機密情報が漏れた時、はたして特定機密保護法は、具体的にどのように役に立つのだろうか、と松浦氏は疑問を投げかける。
⇒ 問題多い特定機密保護法案~ネット以前の時代錯誤をそのまま体現
情報を巡る環境が激変した以上、国家と情報の関係も根本から考え直す必要がある。基本的に秘密を守るのが非常に難しくなったのだから、機密指定は本当に隠さねばならない最小限の事項だけに限定し、その代わり徹底的に厳密に秘匿すべきと松浦氏は指摘する。そして今後の防諜は、情報の流出を防ぐだけではなく、流出を前提として分析を困難にする方向で考えるべきではないかと提案する。
特定秘密保護法案は27日から参議院入りし、12月6日の会期末までには成立する見通しだ。参議院は良識の府として、この法案について改めて議論を深めてほしい。そして、安倍首相は歪められたナショナリズムに固執せず、あるべき日本の未来を真摯に考え抜いてもらいたいと切に願う。
ジャーナリストが秘密保護法案反対集会
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131127/k10013364241000.html
2013年11月27日 4時54分 NHKニュース
【田中秀征 政権ウォッチ第210回】
特定秘密保護法案成立で危機に瀕する日本人の“自由”と“民権”
http://diamond.jp/articles/-/45147
2013年11月28日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
特定秘密保護法案は26日に衆議院本会議に緊急上程され、自民、公明、みんなの党の3党の賛成により可決、参議院に送られた。
注目の日本維新の会は採決を棄権。みんなの党は江田憲司前幹事長が「強行採決に抗議」して退席。1年生議員の井出庸生、林宙紀両議員が同法案を「官僚統制強化法案」として反対した。
(中略)
それにしても、あえて党議に反しても反対した井出庸生、林宙紀両議員の行動には心底から敬意を表したい。1年生としてはあまりに重すぎる決断。おそらく長く深い苦悩の末に辿り着いた結論だったのだろう。
(後略)
プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
特定秘密保護法案をめぐる議論、3つの疑問とは?
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/11/post-607.php
2013年11月28日(木)13時21分 ニューズウィーク日本版 冷泉彰彦
この問題ですが、政府が秘密を守ろうとする、あるいは秘密の漏洩に関する罰則を強化したくなるというのは、政府の立場からは理にかなっている部分があります。だから良いというわけではありませんが、複雑化した現代の国際社会にあって「世論の合意を取るのが面倒だから公開しない」とか「相手のある(交渉相手やテロリストなどの)話については手の内を見せたくない」という動機を持つことそれ自体は理解ができます。特に後者に関しては、実務的に考えても秘密扱いをゼロにはできないでしょう。
問題は、この法案を巡る議論の周辺にあると思います。3点ほど、深刻な疑問を感じます。
1つ目は、報道の自由を守るべき報道機関に対して、世論が冷淡だということです。
報道機関に対する冷淡な態度として、例えば、保守的な若い層には「マスコミ」のことを「マスゴミ」だと言って揶揄することが流行しました。国家に自己を投影した立場からは、国家への批判者は「裏切り者=反日」だという印象になることに加えて、そうした「裏切り者」が「経済的な安定」を得ている(実際はそうでもなくなってきていますが)ことへの反発も重なっていたのだと思います。賛成反対はともかく、そうした立場があるのは理屈として理解できます。
ですが、それはあくまで「自分の立場とは異なる報道機関への反発」に過ぎないわけです。その延長上として「報道機関一般に対して世論が冷淡」だというイメージが拡散され、更には「報道の自由というのは報道機関の既得権益」だというような言い方に賛同が集まるとしたら、これはムチャクチャです。
個々の報道機関に関しては、好き嫌いも賛成反対もあっていいわけです。ですが、報道機関一般に不信感があるという話になっていって、その結果として今回の法案への反対が盛り上がらないというのは、本当にそういうことが世論の中に起きているであれば、それは大変に異例で一時的な現象であり、長期にわたって実施されるような大きな制度改正を正当化する理由にはならないと思います。
2つ目は、いわゆる「保守」の立場がどうして賛成するのかという点です。
最初に申し上げたように、政権当局が秘密を持ちたがるのには理由があるわけです。ですが、政権当局でもないのに、いわゆる「保守」の立場の論説がこの法案に賛成するというのは理解できません。例えば、仮に「保守=中国との緊張拡大も辞さず」という立場であるならば、その立場からは、今回の法改正の契機の1つとなった元海上保安官による「中国船による体当たり映像」の「流出」という行為は「正当」であるはずです。
この事件が良い例であるように、またTPP交渉の経過が申し合わせで厳秘扱いになったように、現代の外交問題に関しては、「国際協調や対立回避」のために情報をふせることが多いわけです。仮に「保守」という思想が「より自国の利益優先」だとか「近隣諸国との対立の激化も辞さず」だとしたら、「やたら国際協調をしたがって他国に譲歩しがちな」政府の秘密を暴くことに正当性があると考えることも多いはずです。どうしてその「保守」が「政府による情報統制に賛成」という立場になるのか良く分かりません。
3つ目は、どうして「野党」が賛成に回るのかという点です。
先ほどの「どうして保守が賛成するのか?」という話と重なる問題ですが、政権与党が「秘密を持ちたがる」のは理屈としては分かります。ですが「野党」でありながら「政府が秘密保持を厳格化する」ことに賛成するというのは良く分かりません。「野党」というのは、政権交代の受け皿を作りながら現政権への批判者として存在しているわけであり、政権が隠そうとしていることを暴くのも使命の1つであり、またそれが政権奪還の手段でもあるはずです。
それにも関わらずその野党が賛成に回るというのは、すぐにでも政権を取るなり、連立に加わって「秘密を持ちたがる」側になることを想定しているからなのでしょうか? どうにも理解ができません。
こうした問題点というのは、そのまま法案の中身に関しての議論が進まないということと表裏一体をなしています。更にいえば、日本という国の「政体=政権の正統性」、「主権者から行政府への委任の程度」といった「国体=国のかたち」に、実は合意も統合もないということから出てきた問題のようにも思えます。
要するに日本というのは「お上」と「庶民」の対立、「藩閥の流れを汲んだ確信犯的な開発独裁(現在は独裁的手法による秩序ある衰退)」と「アジア的封建制からの脱出実験に自分探しをかけた野党精神」の対立、あるいは中央と地方、高齢者と若者、国際志向と国内志向といった「2つの正反対の方向性による対立とバランス」の中に「国体=国のかたちの本質」があるのだと思います。
今回の「特定秘密保護法」論議を取り巻く動向は、その「対立とバランス」が著しく均衡を失っているということを示しています。この点から考えても、現在の流れの延長で法案成立へ持って行くのは余りに拙速だと思います。
秘密保護法案、参院で実質審議入り 第三者機関など争点
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2803F_Y3A121C1PP8000/
2013/11/28 19:49 日本経済新聞
機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案は28日、参院国家安全保障特別委員会で実質審議入りした。与党と日本維新の会、みんなの党の4党修正案の衆院審議は2時間にとどまったため、野党は徹底審議を要求。行政機関の長による特定秘密の指定の妥当性を点検する第三者機関や、運用での首相の関与のあり方などが争点となる。
委員会審議では第三者機関をめぐり、4党内でも具体像が定まっていないことが浮き彫りになった。4党修正案を提出した自民党の中谷元氏は「内閣の中に情報監察をする機関を設け、首相に進言し、結果をあげる」と説明。一方、同じく提出者の維新の桜内文城氏は首相から独立した機関だと答弁した。法案を担当する森雅子少子化相は「検討する」と述べるにとどめた。
与党は12月6日の会期末までに成立させる方針だが、野党は反発している。28日の特別委は中川雅治委員長(自民)の委員会運営が強引だとして野党が抗議し、開会が約2時間半遅れた。
これに先立ち、みんなや維新を含む野党7党の参院国会対策委員長は与党側に徹底した審議を求めることで一致。民主党の榛葉賀津也国対委員長は記者会見で「最低でも衆院での41時間の審議時間を確保する」と参考人質疑や公聴会の開催を求める考えを示した。
本日は、2013年11月28日木曜日です。
今朝も冷え込みましたが、明日も今日以上に寒いようで。。。もっとも、あと二日で12月!冬だから寒いのも当然ですね。防寒対策しっかりして、がんばりましょー!
さて、今日の話題は26日に衆院を通過した「特定秘密保護法」(4党修正案全文 、2013年11月27日朝日新聞)についての記事を集めて読んでみました。感想は3行です。
【1】スパイ対策は必須。日本の良さを対外アピールし、日本にとって良くない情報を集める機関は必要。
【2】問題点は「秘密の定義があいまい」であること。
【3】原子力発電と核のゴミ等は、テロ対策に関係するでしょうけれども、国民の安全という点で公開を求めたい情報です。安全面に関わることは公開されるという言葉が欲しい。
【情報元】
総理 秘密保護法案衆院通過FBで報告 コメント千件超
http://yukan-news.ameba.jp/20131128-119/
2013年11月28日 15時15分 アメーバニュース/政治・社会
機密を漏洩した公務員らへの罰則を強める特定秘密保護法案が11月26日に衆議院を通過。11月27日にはいわゆる日本版NSCの国家安全保障会議を設立するための法律が可決、成立した。
安倍晋三総理(59)は自身のフェイスブックで両法案の進捗を報告し、「国民の皆さまの安全を守るための法律が大きく前進しました」とコメント。また、両法案に対する不安や懸念を払拭するために、「しっかりと説明責任を果たしていきます」とも強調した。
特に特定秘密保護法案に関しては反対意見も多く、議論の的。共同通信が11月23、24日に実施した全国電話世論調査によると、特定秘密保護法案への「賛成」は45.9%、「反対」は41.1%と賛否両論。同法案が成立した場合に「知る権利」が守られるとは思わないとの回答が62.9%に上った。
同法案については安倍総理のフェイスブックにも意見を書き込む人が多数。2013年11月28日13時18分現在、1150件のコメントが書き込まれており、「この法案はベストじゃなくても国同士の機密保持契約に最低必要なものと理解してます」「国民を守るために必要なことです。自信をもって前へ進んでください」「自分も賛成です。自分の職場や身近な人間で反対している者がいません」と賛成する声が多数。しかし、中には「もっとしっかり議論していくべきだと思う。今の時代で悪用されなくても後の時代はわからないからなぁ」「法の目的はよくわかりますが、希代の悪法になりそうですね」と釘を刺す声も書き込まれている。
首相「知る権利十分尊重」…秘密保護と両立強調
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131128-OYT1T00386.htm
2013年11月28日10時45分 読売新聞
安倍首相は27日の参院本会議で、安全保障の機密情報を漏えいした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案について、機密保全と「知る権利」尊重を両立させる考えを強調した。
法案は27日、参院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。質疑では、「知る権利」が制限されることなどへの国民の懸念を踏まえ、野党だけでなく与党からも、法案に関し一層の説明を求める意見が出された。
自民党の宇都隆史氏は「『知る権利』の範囲がこれまで以上に狭められるわけではないことを国民に正しく説明する必要がある」と訴えた。これに対し、首相は「『知る権利』が十分尊重されるべきことは当然だ。報道・取材の自由に十分配慮しなければならないとの明文規定を置くなど、『知る権利』を十分尊重しつつ、特定秘密の保護を図る」と述べた。
特定秘密保護法案、成立したらどんなことが起こる?議論も説明も足りないとの指摘も【争点:安全保障】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/27/japans-illiberal-secrecy-law_n_4352010.html
2013年11月28日 07時48分 JST(更新: 2013年11月28日 14時53分 JST) The Huffignton Post
懸念される秘密保護法案とビッグデータの関係
http://japan.zdnet.com/cio/sp_13matsuokaopinion/35040570/
2013年11月27日 17時32分 ZDNet Japan 松岡功
特定秘密保護法案における国会での審議が大詰めを迎えている。国民の「知る権利」やメディアの「取材・報道の自由」を脅かしかねない法案だけに慎重な論議を求める声も多いが、11月26日夜に衆院で可決され、参院での審議に移った。(中略)
秘密保護法に「有効活用」されるビッグデータ
そんな特定秘密保護法案に対して、筆者なりの懸念を1つ示しておきたい。それは、この法案とビッグデータ (コトバンク)の関係である。さまざまな情報を収集し分析して、ビジネスの拡大や便利な社会作りにつなげようというビッグデータの活用が今、ブームともいえる盛り上がりを見せている。企業にとってはまさに「宝の山」とも言われるビッグデータだが、それは当然ながら行政にとっても同じだ。
最近では、ビッグデータ (総務省)を活用して人間の行動だけでなく嗜好や感情をも把握できるようになってきており、これらによって企業がビジネスの拡大を図るのと同じく、行政にとっても便利な社会づくりにつなげていくことが期待されている。(後略)
特定秘密保護法案、衆院通過 アメリカは歓迎、海外メディアは懸念報じる
http://newsphere.jp/politics/20131127-4/
2013年11月27日 NewSphere
特定秘密保護法案が26日、衆議院で賛成多数で承認された。27日の参院本会議で審議に入り、今会期中に成立する見通し。
法案では、国家機密を漏らした官僚と、それを入手しようとするジャーナリストに、より厳しい処罰を定めている。政府関係者が秘密を漏洩すれば、最長で懲役10年が科される。ジャーナリストが「不適切」あるいは「不正」に情報を入手した場合は最長で懲役5年の刑としている。閣僚と省庁が、防衛、外交、諜報活動、テロ対策などに関連する23項目の情報をほぼ無制限に機密扱いにすることを認めるとしている。
安倍首相は、「この法律は、国民の安全を守るためのものだ」とし、法案成立後も運用について国会でさらなる議論を重ねることを約束した。
【懸念される国政運営の透明性低下】
議論の主な争点は、政府がどの情報を機密扱いとするかだ、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。法案の反対派は、機密指定の過程を監視する独立組織の設置を約束するよう求めていたようだ。
AP通信は、元内閣官房副長官補(2004~2009年)の柳澤協二氏の、「最も心配なのは、政府が方針を決定する過程がより見えにくくなることだ」との懸念を報じている。同氏は、政府の意思決定過程を確認できないため、「国民が政府に賢明な選択を求めることができなくなる」と語っている。
さらに、明治大学のローレンス・レペタ教授(政府情報への市民アクセスと政策立案への市民参加に関する研究者)は、法案は報道の自由に対する深刻な脅威だと語り、「安倍政権は、監視を免れるため、いくらでも情報を隠すことができ、政府とその関係者が情報を機密扱いにすることで、これからの法案成立過程の透明性が落ちることになる」と指摘した。
【アメリカは法案を歓迎】
一方、法案成立の動きをアメリカは歓迎しているようだ。軍事力を強める中国に対抗するため、日本が強い政府となることを望んでいるのだ、とAP通信は報じている。ただ、国際的には、日本政府が言論の自由を統制した、戦前の軍国主義に逆戻りするのではとの不安も強まっている、とも指摘している。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、アメリカが法案成立により日本を「より強力な同盟国」と評価しているとの、在日米国大使館首席公使のカート・トン氏の発言を報じている。同氏は同時に、成立過程の透明化と、アジア諸国から法案への理解を得るよう求めている。
法案は、安倍首相がアジア地域の安全保障において、日本の影響力を強めようとする基本的取り組みのひとつだと報じられている。
またAP通信によると、専門家の多くは、特定秘密保護法案は、安倍首相の望む中央集権的政府をつくるための憲法改正への道ならしともみているようだ。
【残る国民の不安】
共同通信が23、24日に行った世論調査では、62.9%の有権者が「知る権利」が守られないだろうと不安な見方をしているようだ。法案自体に関しては、45.9%が支持、41.1%が反対であった。日本経済新聞とテレビ東京の調査では、50%が法案反対、26%が支持という結果だった。
安倍政権が「特定秘密保護法案」「日本版NSC設置法案」成立を急いだ本当の理由
http://www.nikkeibp.co.jp/article/matome/20131127/375123/?rt=nocnt
2013年11月28日 日経BPネット
11月26日、衆議院本会議で「特定秘密保護法案」が自民、公明、みんなの党の3党によって強行採決された。審議が不十分とする野党民主党ほかや、法案には同調していたが審議時間をもっととるべきと主張していた日本維新の会の申し入れを振り切ってまで、強行した理由は何なのか? ここに極めて危険な安倍政権の保守主義があらわになった。
創生「日本」での不可解な演説
それを象徴するのが、26日の安倍首相の動静だ。午前に開かれた衆議院の特別委員会を強行突破した後、夜の衆議院本会議までの合間を縫って、自身が会長を務める超党派議連「創生『日本』」の会合に参加。そこで安倍首相は「誇りある日本を取り戻す」とぶち上げたのだ。
なぜこんな多忙な日にこうした会合に参加したのか? その真相は、創生「日本」、なる組織がなんたるかを知れば理解できる。創生「日本」は、自由民主党、日本維新の会、みんなの党、新党改革の4党と無所属の国会議員など約70名の国会議員が参加する「真・保守主義」という理念を掲げる政治団体。憲法改正や「国民ひとりひとりが、真・保守主義の根本理念の下で、皇室を戴く」ことなどをうたっている。
この日の会合では議連メンバーを含め約400名が参加し、保守派の論客であるジャーナリストの櫻井よしこ氏らが講演した。安倍首相が「特定秘密保護法案」や「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」で目指すものが、創生「日本」の理念と合致するとなれば合点がいく。
安倍首相悲願の憲法改正の布石に
11月27日には日本版NSC設置法案が、参院本会議で自民党、公明党の与党と民主党、みんなの党、日本維新の会、新党改革の賛成多数で可決、成立。12月4日に発足することが決定した。日本版NSCの運営が本格化してくれば、当然その中では日米の安全保障問題も主要なテーマとして扱われる。
しかも日本版NSCは議事録の作成が義務付けられていないため、政策決定過程が非公開になる恐れもある。集団的自衛権行使などを巡る米国とのやり取りは特定秘密保護法によって秘匿され、公の場で議論されないまま、なし崩し的に日本の安全保障の道筋が決まっていくことも懸念されるのだ。
日本版NSCは政府が12月中に取りまとめる「国家安保戦略」や「新防衛大綱」を実質的に決定する役割も担う。この重要な報告書を取りまとめていくためにも、それまでに「特定秘密保護法案」と「日本版NSC設置法案」をセットで成立させておきたかったともみてとれる。
9月17日には、安倍晋三首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が7カ月ぶりに開かれ、集団的自衛権行使の議論を本格的に始めたところだが、この議論は日本版NSCに引き継がれるわけだ。
⇒ 集団的自衛権、サイバー攻撃も対象に現実的に議論せよ
安倍首相にとって、憲法改正による「戦後レジームからの脱却」は悲願である。祖父の岸信介元首相のDNAを引き継ぐ安倍首相は、政権発足時から憲法改正に向けて奮闘してきた。いきなり憲法改正が難しいとみるや、憲法改正をやりやすくするために憲法改正手続きを定めた96条改正を目指した。
⇒ 「押し付けられた服に体を合わせる」日本人の憲法観
それも暗礁に乗り上げると、今度は憲法解釈を担当してきた内閣法制局の人事に官邸が介入し、長官を交代させ、政府見解による解釈改憲による集団的自衛権行使に向けた環境を整えてきた。
⇒ 専政か英断か。霞が関を震え上がらせる官邸の人事介入
憲法改正に向けた最後の仕上げが、「特定秘密保護法案」と「日本版NSC設置法案」という2つの法案のセット成立ともみることができるわけだ。
まだまだある「特定秘密保護法案」の問題点
ここで改めて「特定秘密保護法案」の問題点を見ていこう。
特定秘密保護法案は「外交」「防衛」「スパイ活動などの特定有害活動の防止」「テロ活動の防止」という4分野を対象にしている。「漏えいすると我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの」を「特定秘密」としており、大臣ら行政機関の長がそれを指定することができる。
特定秘密を漏らせば「10年以下の懲役」に処せられる。漏らした者ばかりか、人を欺いたり、人に暴行を加えたりして特定秘密を取得した者も10年以下の懲役。共謀、教唆(そそのかし)、扇動した者も5年以下の懲役に処せられる。
ジャーナリストの田原総一朗氏は、何が危険かというと、大臣ら行政機関の長が「これを特定秘密に指定しよう」と考えたら、その裁量で決められてしまうことである、という。
特定秘密は4分野に限るとしているが、国の安全保障を脅かすような原発事故問題についても、原発は「テロ活動」の対象になる可能性もあるので、原発に関する情報も特定秘密に指定されてしまうかもしれないというのだ。
⇒ 特定秘密保護法案の危険きわまりない曖昧さ
ねじ伏せられた民意
法案の衆議院通過の前日に、特定秘密保護法案に関する地方公聴会が福島市で開かれ、県内の首長、学者ら7人が意見を述べた。そこでは、範囲指定があいまいな「特定秘密」によって原発の情報開示が不透明になる恐れがあるとして、全員が反対や懸念を表明した。
浪江町の馬場有町長は、原発事故直後に「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」の情報が公開されず、住民が無用な被爆を受けたと指摘。秘密保護よりも情報公開を優先すべきと訴えた。
だが、こうした民意は翌日の国会では全く考慮されず、為政者によってねじ伏せられた。こうした振る舞いをする為政者が、監視の役割も担うというから、国民は開いた口が塞がらないだろう。
「さようなら原発1000万人署名」運動や憲法を守る「九条の会」に取り組むノーベル賞作家の大江健三郎氏は26日、「原発事故の情報が隠されていなければ、どれだけの人が被ばくを防げたか。秘密保護法案の反対運動と反原発運動が重なり、市民の声はますます大きくなるだろう」と説いた。
日本経済新聞社とテレビ東京が11月22~24日に実施した世論調査では、特定秘密保護法案に反対が50%となり、賛成の26%を上回った。これは各メディアが実施した調査ともほぼ同じ傾向を示している。原発問題や憲法改正問題を差し引いても、多くの国民が、依然、根強い不安を抱いているのが浮き彫りになった。
当初42万件だが、官僚の采配でどんどん増える「特定秘密」
「特定秘密」の範囲が官僚の裁量によってどんどん拡大して歯止めがきかなくなるという懸念は、現実のものになりそうだ。特定秘密保護法案が成立したあと、政府はまず42万件の情報を特定秘密に指定する方針だ。2007年に政府が作った秘密基準である「特別管理秘密」をそのまま「特定秘密」に横滑りさせるわけだ。
安倍首相はこの数の問題を指摘されると、「42万件のうち9割は衛星写真」と答弁した。では残りの4万件もを首相が把握できているのか。しかも、これは当初の数で、今後加速度的に増えることが予想されるのだ。
ジャーナリストの磯山友幸氏は、米国やその他の先進民主主義国では、秘密文書の取り扱いについて明確に規定しているが、どの国も20~30年で文書を公開する情報公開ルールを確立していると指摘する。1972年の沖縄返還に伴う密約文書を日本政府は認めてこなかったが、米国で期限が来て情報公開される文書からその内容が明らかになった。米国並みの秘密保護法制を整えると言いながら、米国並みの情報公開法制はまったく整える気が安倍内閣にはないとみる。
⇒ 政府が好き勝手に「秘密」指定。その数40万件以上?
民主主義国家では政府が「国民に説明する義務」を負っている。「秘密は秘密」だと、その義務に頬被りしようとしているのが今回の法案だ。国民の代表である国会議員すら永遠に知ることができず、下手に聞き出そうとすれば犯罪者にされかねない。磯山氏は、それが霞が関の一存で事実上できてしまうところに危うさを感じるという。
ネット時代には通用しない時代遅れの法案
今回の「特定秘密保護法案」「日本版NSC設置法案」について、ノンフィクション作家の松浦晋也氏は、ネット以前の時代錯誤をそのまま体現した法案だと指摘する。インターネット時代では、1人の人間が一度に扱える情報量が劇的に増え、かつ簡単に扱えるようになったため、インナーサークルの者が「法を犯す」と決意すれば、従来とは比較にならないほど大量の情報を簡単に持ち出すことが可能という。
米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン氏による米国の機密情報大量漏洩などを見ても明らかなように、いくら罰則を厳しくしても、機密漏えい問題は防ぎようがないのだ。
さらに日本が輸入して政府機関も使っている通信機器のファームウエアやI/Oチップにバックドアが仕掛けられたら、いったいどうしたらいいのだろうか。インフラ機器を疑いだしたら切りがない。そんなバックドアから国家の機密情報が漏れた時、はたして特定機密保護法は、具体的にどのように役に立つのだろうか、と松浦氏は疑問を投げかける。
⇒ 問題多い特定機密保護法案~ネット以前の時代錯誤をそのまま体現
情報を巡る環境が激変した以上、国家と情報の関係も根本から考え直す必要がある。基本的に秘密を守るのが非常に難しくなったのだから、機密指定は本当に隠さねばならない最小限の事項だけに限定し、その代わり徹底的に厳密に秘匿すべきと松浦氏は指摘する。そして今後の防諜は、情報の流出を防ぐだけではなく、流出を前提として分析を困難にする方向で考えるべきではないかと提案する。
特定秘密保護法案は27日から参議院入りし、12月6日の会期末までには成立する見通しだ。参議院は良識の府として、この法案について改めて議論を深めてほしい。そして、安倍首相は歪められたナショナリズムに固執せず、あるべき日本の未来を真摯に考え抜いてもらいたいと切に願う。
ジャーナリストが秘密保護法案反対集会
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131127/k10013364241000.html
2013年11月27日 4時54分 NHKニュース
【田中秀征 政権ウォッチ第210回】
特定秘密保護法案成立で危機に瀕する日本人の“自由”と“民権”
http://diamond.jp/articles/-/45147
2013年11月28日 田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
特定秘密保護法案は26日に衆議院本会議に緊急上程され、自民、公明、みんなの党の3党の賛成により可決、参議院に送られた。
注目の日本維新の会は採決を棄権。みんなの党は江田憲司前幹事長が「強行採決に抗議」して退席。1年生議員の井出庸生、林宙紀両議員が同法案を「官僚統制強化法案」として反対した。
(中略)
それにしても、あえて党議に反しても反対した井出庸生、林宙紀両議員の行動には心底から敬意を表したい。1年生としてはあまりに重すぎる決断。おそらく長く深い苦悩の末に辿り着いた結論だったのだろう。
(後略)
プリンストン発 日本/アメリカ 新時代
特定秘密保護法案をめぐる議論、3つの疑問とは?
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/11/post-607.php
2013年11月28日(木)13時21分 ニューズウィーク日本版 冷泉彰彦
この問題ですが、政府が秘密を守ろうとする、あるいは秘密の漏洩に関する罰則を強化したくなるというのは、政府の立場からは理にかなっている部分があります。だから良いというわけではありませんが、複雑化した現代の国際社会にあって「世論の合意を取るのが面倒だから公開しない」とか「相手のある(交渉相手やテロリストなどの)話については手の内を見せたくない」という動機を持つことそれ自体は理解ができます。特に後者に関しては、実務的に考えても秘密扱いをゼロにはできないでしょう。
問題は、この法案を巡る議論の周辺にあると思います。3点ほど、深刻な疑問を感じます。
1つ目は、報道の自由を守るべき報道機関に対して、世論が冷淡だということです。
報道機関に対する冷淡な態度として、例えば、保守的な若い層には「マスコミ」のことを「マスゴミ」だと言って揶揄することが流行しました。国家に自己を投影した立場からは、国家への批判者は「裏切り者=反日」だという印象になることに加えて、そうした「裏切り者」が「経済的な安定」を得ている(実際はそうでもなくなってきていますが)ことへの反発も重なっていたのだと思います。賛成反対はともかく、そうした立場があるのは理屈として理解できます。
ですが、それはあくまで「自分の立場とは異なる報道機関への反発」に過ぎないわけです。その延長上として「報道機関一般に対して世論が冷淡」だというイメージが拡散され、更には「報道の自由というのは報道機関の既得権益」だというような言い方に賛同が集まるとしたら、これはムチャクチャです。
個々の報道機関に関しては、好き嫌いも賛成反対もあっていいわけです。ですが、報道機関一般に不信感があるという話になっていって、その結果として今回の法案への反対が盛り上がらないというのは、本当にそういうことが世論の中に起きているであれば、それは大変に異例で一時的な現象であり、長期にわたって実施されるような大きな制度改正を正当化する理由にはならないと思います。
2つ目は、いわゆる「保守」の立場がどうして賛成するのかという点です。
最初に申し上げたように、政権当局が秘密を持ちたがるのには理由があるわけです。ですが、政権当局でもないのに、いわゆる「保守」の立場の論説がこの法案に賛成するというのは理解できません。例えば、仮に「保守=中国との緊張拡大も辞さず」という立場であるならば、その立場からは、今回の法改正の契機の1つとなった元海上保安官による「中国船による体当たり映像」の「流出」という行為は「正当」であるはずです。
この事件が良い例であるように、またTPP交渉の経過が申し合わせで厳秘扱いになったように、現代の外交問題に関しては、「国際協調や対立回避」のために情報をふせることが多いわけです。仮に「保守」という思想が「より自国の利益優先」だとか「近隣諸国との対立の激化も辞さず」だとしたら、「やたら国際協調をしたがって他国に譲歩しがちな」政府の秘密を暴くことに正当性があると考えることも多いはずです。どうしてその「保守」が「政府による情報統制に賛成」という立場になるのか良く分かりません。
3つ目は、どうして「野党」が賛成に回るのかという点です。
先ほどの「どうして保守が賛成するのか?」という話と重なる問題ですが、政権与党が「秘密を持ちたがる」のは理屈としては分かります。ですが「野党」でありながら「政府が秘密保持を厳格化する」ことに賛成するというのは良く分かりません。「野党」というのは、政権交代の受け皿を作りながら現政権への批判者として存在しているわけであり、政権が隠そうとしていることを暴くのも使命の1つであり、またそれが政権奪還の手段でもあるはずです。
それにも関わらずその野党が賛成に回るというのは、すぐにでも政権を取るなり、連立に加わって「秘密を持ちたがる」側になることを想定しているからなのでしょうか? どうにも理解ができません。
こうした問題点というのは、そのまま法案の中身に関しての議論が進まないということと表裏一体をなしています。更にいえば、日本という国の「政体=政権の正統性」、「主権者から行政府への委任の程度」といった「国体=国のかたち」に、実は合意も統合もないということから出てきた問題のようにも思えます。
要するに日本というのは「お上」と「庶民」の対立、「藩閥の流れを汲んだ確信犯的な開発独裁(現在は独裁的手法による秩序ある衰退)」と「アジア的封建制からの脱出実験に自分探しをかけた野党精神」の対立、あるいは中央と地方、高齢者と若者、国際志向と国内志向といった「2つの正反対の方向性による対立とバランス」の中に「国体=国のかたちの本質」があるのだと思います。
今回の「特定秘密保護法」論議を取り巻く動向は、その「対立とバランス」が著しく均衡を失っているということを示しています。この点から考えても、現在の流れの延長で法案成立へ持って行くのは余りに拙速だと思います。
秘密保護法案、参院で実質審議入り 第三者機関など争点
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2803F_Y3A121C1PP8000/
2013/11/28 19:49 日本経済新聞
機密を漏らした公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法案は28日、参院国家安全保障特別委員会で実質審議入りした。与党と日本維新の会、みんなの党の4党修正案の衆院審議は2時間にとどまったため、野党は徹底審議を要求。行政機関の長による特定秘密の指定の妥当性を点検する第三者機関や、運用での首相の関与のあり方などが争点となる。
委員会審議では第三者機関をめぐり、4党内でも具体像が定まっていないことが浮き彫りになった。4党修正案を提出した自民党の中谷元氏は「内閣の中に情報監察をする機関を設け、首相に進言し、結果をあげる」と説明。一方、同じく提出者の維新の桜内文城氏は首相から独立した機関だと答弁した。法案を担当する森雅子少子化相は「検討する」と述べるにとどめた。
与党は12月6日の会期末までに成立させる方針だが、野党は反発している。28日の特別委は中川雅治委員長(自民)の委員会運営が強引だとして野党が抗議し、開会が約2時間半遅れた。
これに先立ち、みんなや維新を含む野党7党の参院国会対策委員長は与党側に徹底した審議を求めることで一致。民主党の榛葉賀津也国対委員長は記者会見で「最低でも衆院での41時間の審議時間を確保する」と参考人質疑や公聴会の開催を求める考えを示した。