2016年ヘナは収量はやや多いが、作柄は並か並以下。
2016年はヘナの産地に珍しいほどに大雨が降り続いた。
その結果、ヘナの葉は大きく成長。収量もあがった。
しかし、その結果として、ヘナの葉に含まれる色素量も薄まってしまったようだ。
ローソニア色素は、軒並み1%ダウン。
本年は最大で2%あれば、すごくよい色素量となるが、 そもそも2%のローソニア色素量のヘナの葉を捜すこと自体が難しい状態。
ちなみに、ヘナに含有されるローソニア色素は、ヘナ特有の赤オレンジ色の色素で、これが髪に染まる。この色素量が2%以上が高品質のヘナとされる。
どのサンプルをチェックしても、大半が1%~1.5%の色素量。
かろうじて、数トン、ローソニア色素量2%ぴったしのヘナの葉を買い付けることができた。
ただ、目標数にはまるで及ばないため、今年は良質なヘナの絶対量がまるで足らない厳しい状況。
この色素量の違いは、髪染めの際には、人によってはわかりずらいかもしれない。
髪よりも、皮膚に染めたときに、はっきりと違いが出てしまう。
2015年産のマハラニ・ヘナはローソニア色素が2.9%で、このヘナをメンディアートとして 皮膚を染めるとすごく染まる。
ところが、今年のように色素量が並のもの、例えば1.5%程度の色素量のヘナをメンディアートに使った場合は、色素量2.9%の2015年産マハラニ・ヘナと比較するとまるで薄い模様として皮膚上で違いがバレてしまう。
こういうヘナ品質が低い年は、わずかに薬品を忍び込ませる製造業者が出る
今年は非常に危険。
明らかに品質が劣るヘナの葉ばかりのため、品質を補うためにわずかばかりの薬品、たとえば、ピクラミン酸などを、0.05%程度、混ぜ込むことで極上の品質のヘナに化けさせることができるため、インド国内向けにはかなり危ない年。
衝撃のヘナ産地レポート「お安いヘナの作り方」タダ同然の偽装ヘナ!より この実験で判明したが、0.2%程度のピクラミン酸を配合すると、推定でローソニア色素量4%もある極上ヘナに化けさせることができる。
つまり、0.2%のピクラミン酸は4%のローソニア色素に該当するため、0.1%のピクラミン酸が2%のローソニア色素量。
そうなると、1%ばかりのローソニア色素を補いたい場合は、0.05%のピクラミン酸を忍ばせるだけでよい。
0.05%ばかりのピクラミン酸をしのばせても、使用者にはほぼわからない。
検査では検出される?かは、これは、検出限界値を調べないとわからないが、日本の業者とはいえ、品質や検査をインドまかせにしていると、そのままスルーしてしまうだろう。
今年はそういう意味で、非常に危険な年なのだ。
まはのヘナは、仮にローソニア色素が低いとしても、薬品をしのばせるということ自体、一切ありえない。製造工場ですら、一切そういうこともしない。 写真はSMHEENA社。
工場のスタッフのみんな。とてもよいチームだ。
しかし、今年は厳しい。
良質なヘナの葉が少ない上、インドの通貨切り替えでヘナ市場が非常にのろくなってしまい、もの(ヘナの葉)の動きが非常に鈍い。
なんとか、12月上旬までにはケリをつけたいところ。。。 なぜかというと、12月の後半に入ると、冷えてくるため、粉末化には難しい状況になるのだ。