まだ付き合い始めて1ヶ月くらいの時、バンクーバーに住む山熊さんの一番上のお兄さん(Sにい)のところに、いきなり泊りがけで呼ばれました。
Sにいは、当時、Lちゃんというラテンアメリカ人のパートナーとスティーブストンという海辺の可愛い小さな町に住んでいました。二人はゲイカップルです。
フェリー乗り場まで迎えに来てくれたSにいは、体格が良く、ちょっと怖そうな雰囲気。
ソフトな話し方の山熊さんとは違い、一言一言噛みしめるような強い感じの話し方。
うわぁ、ちょっと怖そう…。
パートナーの人もそうなのかな…。
一泊するの、大丈夫かな…。
ドキドキしながらお家に着くと、Lちゃんが玄関に出てきてお迎えしてくれました。
Lちゃんは、体格が良いのはSにいと同じだけど、と〜ってもオープンで、太陽みたいな雰囲気の人。
よく来たわねぇ〜!とハグをしてくれて、さぁ、さぁ、入って入って、と大歓迎で迎えてくれました。
あぁ、良かった。
怖くなさそう。
さて、明るいうちから夕方までスティーブストンを見て回り、帰ってくると、Lちゃんが、
ディナー、出来ているわよ💖
とダイニングルームに案内してくれました。
入ってみると、あちこちに火を灯したろうそくが飾ってあって、部屋も薄暗く、テーブルには二人分のディナーが。
くぅ:えっ…?
山熊さん:うーん。なんか、俺たちだけで食べるみたいな感じ…??
…Sにいたちは一体どこへ…?
今思い返しても、これはカナダだからではなく、非常に稀な状況…。
ディナーが終わると、山熊さんはLちゃんから連れられていき、私のところへSにいがやってきました。
Sにい:で、くぅは弟と結婚するよんだよな?
えっ…あの〜まだ、知り合って1ヶ月くらいで…。
私、一応短期でカナダに来てるわけで、いや、なんかそういうのまだ…💦
と思ったものの、Sにいの中では、私たちはすっかり結婚前提になっていて、私の状況は完全無視で、山熊さんや両親のことを色々話してくれたのでした。
後日談で山熊さんから聞いたのですが、山熊さんはあの日、Lちゃんから、
Lちゃん:山ちゃん、あなた、あの子と結婚するわよ。
と言われたんですって。
恐るべし、Lちゃん。
Lちゃんはその後も数々の予言を的中させることになるのでした。