久々すぎる一挙更新。

書くときは一気に書くんですけどねえ・・・なかなか進まなくて。


二か月近く放置してしまったということで、世界設定とか読んでいただいて興味があった人には大変申し訳ございません。


仕事に慣れるまで大変で・・・あ、ちなみに来月でやめるので

そしたらもうちょっと休める仕事に変えます。

で、もっとちゃんと定期的に記事をあげたいと思います。

出来れば毎週、とか・・・うーむ、出来るかな・・・



とまあ、まだ今日はプロローグだけです。

次から第一話が始まります。

え、仮面ライダーが出てこない?

いやちゃんと出てきますって・・・二話ぐらいに・・・うん・・・


――――西暦2046年、世界は崩壊した。

資源の枯渇と貿易摩擦、そして核戦争が人類の歴史に終止符を打ち

それまでの世界の情勢―――国際連合や国家間の提携がすべて消え失せ

国という存在が、概念が無くなってしまった。

生き残った人々は領地を求めて争いを続け、核戦争の終結後は

二十年以上も血で血を洗う死の時代が続いた。

しかし突如として現れた巨大な軍事組織―――新世界政府軍(NGF)によって

世界の半分以上が一斉に制圧された。

核戦争後では通常あり得なかった圧倒的な物量、最新式の装備と武装で

消えかけていた大陸間の繋がりを元に戻し、世界を一つの国家で統一し始めたのだ。

NGFは独裁政権を目論見、絶対統制のしかれる軍事国家を設立しようとしていた。

しかし長きに渡った争いの時代はNGFの登場で急速に終焉を迎えようとしている。

残った人々は長いものに巻かれるようにNGFに降伏、領地をもらい絶対統制の中で苦しい生活を強いられる。

そんなNGFのやり方に疑問を抱く者も少なくはなく――ほどなくいくつかの反乱軍が立ちあがった。

争いの時代を乗り越えてきた戦士たちが集結し、レジスタンスが発足した。

数ある反乱軍はやがて一つになり、赤い鳥をシンボルマークとして掲げる。

彼らはこう名乗った。

「我々はリヴァイヴだ。」

―――2073年、依然としてリヴァイヴとNGFの戦いは続く。

圧倒的にNGFが優勢なまま。

「ならば諦めろ、残った道を遠回りしながら中央へと逃げてくるのはほぼ不可能に近い。十数時間も孤立無援の状態で生き残れるはずがない。」

「輸送機で迎えに行けばもっと短い時間で救えるでしょう!」

「連中がノロマならそれも可能だろう。だが、我々よりもはるかに高性能のレーダーを持っている彼らが、あちこち巡回していないと言い切れるのか?」

「・・・そんなの、やってみないと、わかりませんよ・・・!」

「なるほど、つまり見切り発車で輸送機一台と兵士十数人を危険な場所へ派遣するのかね。」

「もうやめてください、二人とも落ち着いて・・・!!」

 

作戦室は静まり返った。

リックの拳が震える。悔しさなのか、それとも悲しさなのか――彼は勢いよく扉を開け、作戦室から出て行った。

「・・・。」

残った士官と隊長達は、無線から入ってくる情報の整理を始めた。

「・・・クリスさん、いいんですか。」

「いつものことだ、リックは戻ってくる。安心しろ。」

クリスはそれ以上、何も言わずに椅子へと腰掛ける。

そして、壁の巨大な地図―――いや、戦力図を見上げた。

赤い土地は年々、その数を減らす一方だ。

逆に黒い土地の増え方は年々勢いを増す。

「・・・ここまで、かな。」

誰にも聞こえないように、クリスはそうつぶやいた。

リックは士官の手を振り払い、机に片手をついた。

「・・・北部は負けた。でも、俺たちは負けられない・・・」

そうつぶやくと、リックは壁に貼られた地図を見る。

北部基地の書いてあった場所が黒く塗りつぶされ、地図の半分以上が黒く染まった。

黒―――それは彼らが敵対するNGF(新世界政府軍)の領地となった場所だ。

リヴァイヴが所有する土地は赤く塗られた部分―――地図の4分の1にも満たない。

北部から脱出し、中央へと逃げ込もうとしている生存兵たちは、黒く塗られていない場所を

遠回りしながら通り抜けなければいけない。

無力さがリックの心に重くのしかかる。

「・・・リック隊長、落ち着いてください。まずは、北部から逃げている彼らを迎えに行かなくては・・・」

「・・・そうだな。じゃあ輸送機を―――」

「それは出来ない。」

 

クリスが静かに、そう言い放った。

「輸送機は中央といえど保持数が多くない。貴重な戦力だ。」

「何が言いたいんです・・・!」

「助かる見込みのない命に、戦力は割けない。」

「ふざけないでください!!」

今度こそ、リックは激昂した。

「彼らは我々の仲間だ、見殺しにするわけにはいかない!」

「いいや、見殺しにするんだ。そうしなければ、後々もっと多くの兵士を見殺しにすることになるぞ。」

クリスは怒りをあらわにするリックに対し、あくまで冷静に、ささやくように問いかけた。

「お前は若い。普段は冷静で優秀な士官だが、こういう事になるとすぐ熱くなる。

我々は反乱軍――少数派であることを理解しているかね?」

「・・・!それでも、見込みがないわけじゃない・・・!輸送機さえあればきっと彼らは助かる!」

「それは去年までの話だ。今年はもう違う。北部と中央をつなぐ連絡通路がNGFに断たれたのはよくわかっているはずだろう。何故ならば―――」

どん、という音が作戦室に響く。

リックが拳を壁の地図に叩きつけた。

「・・・我々の失敗でそうなったからです・・・!よくわかってますよ、そんなの・・・!!」

――――反乱軍「リヴァイヴ」中央第二支部、午後7時――――

「北部から連絡が途絶えた。落ちたな。」

「・・・随分あっさりと言いますね。」

「感慨深くいえば事態が変わるのか?変わるなら声をあげて泣いてみせるさ。」

「・・・貴方のそういうところが嫌いだ。」

「なんとでも言うと言い。」

若い兵士と杖をついた老人が、暗い作戦室の中で向き合っていた。

周囲では情報が矢継ぎ早に入ってきて、無線連絡がうるさく頭に響く。

「はやく撤退を―――」「援護を頼む、救援を―――」「死にたくな―――」

北部基地から逃げ、中央支部へと急ぐ兵士達の声が入ってくる。

基地は完全に壊滅し、残った十数人の兵士が車両で逃走を図っていた。

最寄りの基地まではかなり時間がかかる。恐らくは、十数時間。

車で寝ずに走り続けてもそれだけかかるのは間違いない。

彼らが車で逃げているところを考えると、おそらく輸送機やヘリは全て破壊されたのだろう。

その十数時間を、生き残れるとはとうてい思えなかった。

老人は目を瞑ってこう言った。

「次は、我々の番かな。」

若い兵士の目がカッと見開く。

「やめてください、クリスさん。」

ただ一言、やめてくださいと言っただけだったが――彼の言葉には力があった。

「リック、北部は確かに中央ほど大きくはない。だが、それでも一時間余りでこれだ。」

老人はリック――若い兵士の視線を受け止める。

「中央だって、同じように落ちるさ。」

「やめてください、と言ったでしょう!」

リックは怒りをあらわにし、老人へと掴みかかる。

「よせ、リック!」

周囲にいた士官たちがリックを止めた。しかし、リックの手は老人を掴んだままだ。

「クリスさん・・・貴方の言う事は正しい。けど、それでも諦めるわけにはいかないんです・・・!」

「はたして本当にそうかな。」

「二人とも止めてください・・・!」

士官が二人を引き離す。