「ぐ・・・っ!!」

倉庫内に足音が響く。次々と人間が――敵が入りこんでくる音が。

かつ、かつ、かつ。

数は何人ほどだろうか、十人か、それとももっとか。

ベラージはライフルのトリガーに指を掛け、滅茶苦茶に振り回した。

周囲にいる兵士をなぎ倒して、弾丸をばら撒く―――つもりだった。

ライフルのバレルは素早く敵兵士に掴まれ、そのまま銃身ごともぎとられる。

銃はいとも容易くベラージの手を離れた。

彼は驚愕した。腕力には自信があったからだ。

片手とはいえ、こうも簡単に銃を奪われるとは思わない。

瞬間的に彼は自分の腰に装備していた小型の拳銃を掴もうと手を動かすが、無駄だった。

素早く腕を掴まれ、反対側へと折り曲げられる。

まるで枝でも折るかのように、軽く捻っただけで、彼の関節は通常とは逆の向きに曲がった。

「ぎ・・・ああっ!!」

左手が折られ、彼は膝をついてうめく。

それでも諦めまいと、開かない目を無理やり開けようとした。

先程の兵士達の言葉が蘇る―――もう無駄だ、と。

確かにそうかもしれない。それでも、ベラージは自ら死を選んだり、諦めたりはしなかった。

動く方の手で、上着についている手榴弾のピンを引き抜く。

「――――うおおおおおおおおッ!!」

最後の力を振り絞り、彼は立ちあがって爆弾を倉庫の後方へと投げる。

依然として視界は確保できていなかったが、感覚でそのまま入口へと駆け

倉庫から飛び出す。

―――衝撃。爆破音と火炎が倉庫内を埋め尽くした。

狭い場所で戦えたのが功をなしたかもしれない。ベラージは痛む左腕を押さえながら

倉庫前の通路でやっと眼を開く。

敵は倉庫にいるはずだ。あの倉庫内で爆破が起これば、火薬が炸裂して相当な被害が出るだろう。

そう確信して視界が開けた時――硝煙の中から現れたのは、

基地をたったの一時間で壊滅寸前まで追い込んだ、謎の黒い兵士達の姿だった。

―――死んでいない。爆風にもやられていない。

倉庫内から次々と出てくる彼らを見て、ベラージは初めて諦めた。

勝てるわけがない。

ものの一時間――もっとも、ベラージやリヴァイヴの兵士にとっては人生でもっとも

苦しく長い一時間だったが――それでもこんな短時間で巨大な北部基地を責め落とせる敵を

残った数人の兵士でどうにか出来るわけがなかったのだ。

「はは・・・ははは、ははは!!」

ベラージの口から渇いた笑いが漏れる。

最後の兵士が煙と共に倉庫から出てきた時、黒い兵士の一人が銃を向け

ベラージの頭部を撃ち抜いた。

午後7時、北部基地は完全に崩壊した。

それは、抵抗をするのが無駄だという意味でもあるし、

抵抗しようと声かけすること自体が無駄なのだという意味でもあった。

投げやりな言葉を言い放つと、ベラージに襟首を掴まれていたその兵士は、

「ば―――やめろ、なにを――!!」

―――握っていた拳銃で、自分の頭を撃ち抜いた。

「馬鹿が!なんて・・・なんてことを!!なぜだ・・・!!」

ベラージの腕に一気に体重がかかる。撃ち抜かれた頭はだらん、と後ろに下がり

兵士の身体は後方へと傾いた。ベラージの腕はその重みに耐えきれず――襟首を離した。

身体は床へと崩れ落ちる。

そしてその瞬間、まるでそれが終焉の鐘であるかのように―――他の兵士が一斉に、銃を取り始める。

「よせ!!」

ベラージが腕を伸ばし、手前にいた二人の銃をもぎ取るが、もう遅かった。

他の数人は次々に自分の頭を5,56ミリ弾丸でブチ抜き、火花と共に赤い血を撒き散らして死んだ。

狭い倉庫内の壁が吹き飛んだ血液と肉片で赤く染まる。

「クソッ・・・クソッ!!」

ベラージはもぎ取った二つのアサルトライフルを投げ捨て、手前の兵士二人を殴り飛ばした。

力一杯に殴ったつもりだったが、どうやら痛みすらもう彼らの心を動かすことはないらしい。

彼らは殴られてその恰好のまま、床に倒れ、動かなかった。

生きているはずなのに、それは死んでいるのと変わらないようだった。

自分のライフルの残弾数を確認する。20発弱。

ベラージは兵士たちを諦め――彼らの死体からマガジンだけ抜き取り、倉庫の外へと出ようとした。

その時、強烈な閃光が外部から放たれ、倉庫の扉を打ち破る。

ベラージの視界は一瞬にして奪われ、腕で顔を覆った時にはすでに目を潰されてしまっていた。

ドアが吹き飛び、ベラージもその炸裂音と衝撃で怯む。

―――西暦2073年、反乱軍「リヴァイヴ」の北部基地―――

「もうおしまいだ、クソッ・・・!」

「弾薬はどうした!?まだ探せばあるはずだ!」

「助けてくれ・・・いやだ・・・死にたくない・・・」

「泣き言なんて言ってる場合か、このままじゃ全滅するぞ!」

「抵抗すれば全滅しないとでも思ってるのか・・・?本気で言ってるなら

 病気だな・・・」

「黙れ、黙って銃を取れ!!」

――北部基地の地下、武器弾薬を保管している強固な倉庫の奥で

上級士官のベラージは完全に戦う気を失った部下の襟首をつかみあげ、怒鳴った。

「いいか、よく聞け。まだ俺たちは生きてる。生きてるんだ!」

「それがどうした・・・どうせあと五分であの世逝きじゃねえか。」

「ふざけるな!五分間“も”生きていられるのに、その間貴様はただ死を待ってここに座っているつもりか!」

「それでいい、俺はそれでいい。」

「・・・!他の奴らはどうだ、五分でも一分でもかまわん、俺と共に闘う者はついて来い!」

ベラージ―――年の頃は三十過ぎと言ったところか。

若くして上級士官へと上り詰め、数々の作戦を成功に導いてきた歴戦の勇者だ。

どんな状況にあっても挫けず、最後まで諦めないその強い意志と鍛えられた肉体は

彼らリヴァイヴにとっての“敵”を何十、何百と打ち砕いてきた。

しかし――――もう彼の言葉に心を動かされる兵士はいなかった。

その場にいるほとんどの兵士が下を向き、中には銃を投げ出してぼーっと中空を見つめる者もいる。

“追い詰められている”という、たった一つの事実が兵士達の士気を全て奪ってしまい、

次々と破壊され、炎に飲みこまれる仲間や基地を目にして、彼らは立ち上がる事が出来なかった。

足が震えるとか、腰が抜けるとかいう表現は間違っているだろう。

もっと大きな“恐怖”が、精神を蝕み、思考力を奪い、身体はそれに呼応せず

微塵にも動かない。

指先ひとつ動く事なく、アサルトライフルのトリガーにかかったままのそれは、生きていることを忘れたかのように止まっている。

「だから言ったろ・・・もう、無駄だって。」


今日は、これから更新していく予定の小説
「仮面ライダー Re:Generation」の世界設定を紹介します。

かなり荒唐無稽な上に、まだまだ練り込まれていない設定の
プロット的なモノだと思っていただければ幸いです。


―――世界設定―――


人類は核戦争の時代を迎え、2046年、現在の国際連合や世界情勢が一変
全てが力によってのみ制御される混乱の時代を迎えていた。


世界は戦火に包まれ、争いが絶えず続く死の時代が
20年以上も続いた。


そしてその時台頭してきたのが、「新世界政府軍」(通称
N.G.F)と呼ばれる巨大組織。

最新の武装と圧倒的な物量であっという間に世界の半分以上を支配してしまう。


独裁政権を目論む彼らに対し、レジスタンスが発足し抵抗を宣言するが
そのあまりに巨大な権力と軍事力の前に、少数派であるレジスタンスは苦戦を強いられていた。

残り少ない民衆達は、長い物に巻かれるかのように新世界政府軍に降伏、領地を確保し、
絶対統制の敷かれる独裁政治の中で苦しい生活を迫られる。


しかしそのおかげで、日々争いが続く混乱の時代は急速に終焉を迎えようとし、
抵抗を続けるレジスタンスの数も少なくなり、世界は再び安定の時代へと突入しようとしていた。


――しかし、それは偽りの安定であると、気づく者は少なかった。

舞台はNGFが大陸の大半を制している2073
今だに抵抗を続ける少数派レジスタンス「リヴァイヴ」
のとある作戦行動から、物語が始まる…


といった感じです。
えっと…まあ、なんですか。
「仮面ライダー」の「か」の字も出てこないのですけれども
ちゃんと仮面ライダーのオリジナル小説の設定ですよ。

どうしても私は、未来世紀ブラジルやリベリオンのような
分かりやすいディストピアが好きなので、こういう世界観でヒーローを書きたくなってしまうんです。

こんな内容ですが、興味を持っていただけたら嬉しいです。
「うわだめだ、肌に合わねえ」と感じたそこの方も、
ライダーが出てくればきっと色々変わってくると思いますので…!

それでは、失礼します。
明日あたりにプロローグでものせたいなーなんて思ってるんですが…
ゆっくりやっていこうと思います。

えー、まあまだ誰も来ないと思いますし
誰に向かって挨拶するんだと言われると非常に返答に困るわけですが…
(そのことを突っ込んでくる人もいない状況。)

はじめまして。
管理人(?)のヘナチンと申します。

まず自己紹介からですが…タイトルの通り、といった感じで
所謂、「特撮オタク」です。

ここでは仮面ライダーの小説をメインに更新していくつもりですが、
別にライダーにこだわらず特撮ならなんでも大好きです。

ゴジラのような怪獣はもちろん、昭和の(今思えば)へんてこな特撮から
ゼイラムや未来忍者のような雨宮作品まで、いろんなものが好きです。

一緒にガメラのマーチを歌える人募集中。
強いぞガメラ♪強いぞガメラ♪

特撮という枠組みになるのかはわかりませんが
海外の映画も好みです。

最近だとやっぱり「第九地区」が凄かったですね。
あれは迫力満点で、特撮のように展開が熱く、なおかつちょっと切ないという
まさに私のツボつきまくりな作品でした。

そういう意味だと
「アイアンマン」なんかも好きです。というか、アメコミ大好きです。

他にも好きなモノを上げていくとホントにキリがないのですが
ともかく共通しているのは

「カッコイイモノ」が好きだ、という事です。
まあ、子供みたいな奴だなと思っていただければ幸いです。

こんな感じ。
とりあえず、ぼちぼち仮面ライダーのオリジナル小説を
掲載していきたいと思っておりますので、
素人の駄文ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

タイトルは、「仮面ライダー Re:Generation」
オリジナル、といいつつ昭和ライダーへのリスペクト、
石ノ森先生への敬意を込めた作品にしたいと思っております。

所謂初期平成ライダー的なドロドロ感はあまりないと思いますが
それなりにダークな感じといいますか、「真仮面ライダー」を意識した形の
作品になるんじゃないかな、という感じです。

それでは、今日はいったんここで失礼します。
これから宜しくお願いします。