ボイスケアサロン | コーラス・スペシャリスト「へんぽっけ」の本音

ボイスケアサロン

皆さんは「ボイスケアサロン」をご存じでしょうか。

ボイスケアサロンは「喉(のど)専門の整体院」といったところでしょうか。いわゆる病院ではないので病気を治してくれるわけではなく、またボイストレーナーでもないのでボイストレーニングをしてくれるわけでもありません。外的アプローチ(マッサージ、牽引、超音波など)によって喉周辺の運動性能を高めるための施術を行ってくれるところです。

恐らく日本中で喉に特化した整体的施設はここしかないのではないかと思います。そのため、日本全国にとどまらず、時には海外から訪れる方もいらっしゃるようです。病気ではないけど声が出にくくて困っていらっしゃる方や喉に違和感がある方はもちろん、声を使った職業の方が喉(声)のメンテナンスのために、と数多くの方々が通っていらっしゃいます。

私が初めてボイスケアサロンに伺ったのは1年ほど前です。サロンの存在は数年前から存じ上げていたのですが、お世辞にもお手頃価格とは言えないので、「気軽に」「お試しで」、という気持ちで伺うことができませんでした。

通うことになったきっかけは、ボイストレーニングを受けた際にトレーナーから「声帯が硬いねぇ」と言われたことでした。

声の「抜け」を良くしたかったこと、そして音域を拡げるきっかけをつかむためにボイストレーニングを受けたのですが、その時に言われた言葉です。恥ずかしながら私は歌い手でありながら裏声が苦手で、その原因は発声にあると考えていました。結果的にはたしかに発生方法が原因としては大きいのですが、もうひとつの要因として「LDP」だということが後にわかったのです。LDPとは、喉周辺の筋肉が硬いために喉仏が奥に引っ込んでいる状態です。そのことにより、声の共鳴空間を広く確保することができなかったり、喉仏の中に格納されている声帯の運動性能を通常よりも発揮できなくなることにより声(音色やピッチなど)のコントロールを通常よりも行いにくくなります。そもそも「硬い」という発想はなかったので、ある意味衝撃的でした。またトレーナーは「発声はスポーツと同じく運動である」ともおっしゃっていました。よくよく考えればそのとおりなのですが、そのようには意識して歌ってはいませんでした。だとすれば筋肉が硬いより軟らかいほうがいいことは明白です。ならば軟らかくするにはどうしたらよいか?と考えました。

このことがきっかけで忘れかけていたサロンのことを改めて思い出し、サロンのブログを読みあさりました。すると、まさに自分にピッタリだと思われる症状のことが掲載されていました。それが上述のLDPでした。私は男のくせに(笑)いわゆる喉仏(喉頭隆起)がありません…という表現は正確ではないですが、女性のように目立たず一見わかりません。LDPだから喉仏がないのか…妙に納得した瞬間でした(正確にはそれだけが理由ではなく、甲状軟骨の形状が広角である=幅広いことも関係しています)。喉仏がないのは自分の個性だと思って気に入っていたのですが、LDPということであれば話は別。試しにLDP判定のテストを自分で行ってみたところ、確信しました。これは間違いない!LDPだ!

お手頃価格ではないにもかかわらず予約がいっぱいで初診は早くて3ヵ月後!予約から3ヶ月待ち、ようやく初診。サロンに到着し、先生の第一声「こんにちは!」に度肝を抜かれました。先生ご自身が素晴らしい声の持ち主だったのです。なんていい声なんだ!声フェチ(笑)の私としては内心とても興奮していました。これは期待できそうだ、と。まぁ、直接関係ないんですけどね。とはいえ、明らかに具合の悪そうなお医者さんよりも健康そうなお医者さんに診ていただくほうが気持ちが落ち着くのと同じで、施術を受ける先生がいい声だとなんとなく期待も持てるというものです。それから診断、説明、施術…あっという間の約2時間でした。やはり予想どおりLDPで、私の喉周辺の筋肉はいいカンジに硬かったようです(^_^;)。施術後はけっこうな「筋肉痛」でした。それだけ喉の筋肉が刺激を受けてストレッチされたということを実感できました。

それから最初は集中的に数回、その後は月1回のペースで通っています。おかげで現在ではLDPは改善し、だいぶ柔軟性を獲得してきました。この調子で喉の状態をさらに良くして、加えて発声の改善を行って高音を楽に出せるようになればと思っています。

たしかに価格はお安くはないですが、それだけの価値があると私は思いますし、声のことで悩んでいるのであれば、サロンのサイトやブログを見てみてはいかがでしょうか。そして気になったら一度受診されることをオススメします。