地上の下北沢
踏切の前で「なんで皆さん、写真を撮っているのですか?」と若い女の子に尋ねられた。確かに全く知らない人にとっては、この汚い駅や踏切の写真を撮る変な人々にしか見えなかったのだろう。そうです、今日でとうとう地上の小田急線下北沢駅は役目を終えるのです。明日からは地下の駅になります。もっとずっと先だとばかり思っていたけど、あっという間に今日の日がやってきました。最初に来た時、迷子になるという下北沢の洗礼を受けました。そのくらいつぎはぎで増改築を重ねて出来上がったような駅は外からも中からも複雑な迷路でした。それから20年ちょい、感慨深いです。初夏になると蔦に緑の葉が茂るのが、今年は見られないのが寂しいです。開かずの踏切に若い頃はイライラしていたのに、30歳を過ぎると待つのが心地よくなりました。最近は駅の周りをぶらつくだけで、リラックスできるようになってきました。友人たちと改札で待ち合わせをして、芝居や飲みにいきました。下北沢駅は、そんな風にたぶんたくさんの人の青春を見てきたでしょう。演劇人やバンドマン、画家やデザイナー、そして学生たちのいろんな思い出の中に、この下北沢という舞台装置はあったと思います。夢を持って田舎から出てきたかつての若者が、くすぶって発酵しちゃったような街よ永遠なれ。そしてこれからも下北沢は変化しながらつづくのです。ありがとう & あらためてよろしく!





