わたしを離さないで | Hemoglobin by Blood Tube Inc.

わたしを離さないで


カズオ・イシグロの小説を原作にした映画「わたしを離さないで(NEVER LET ME GO)」を観た。映画の構成上か原作で大好きだった部分がないのがもったいない気がしたが、映像が持つ雰囲気は満足した。役者の微妙な表情は文字よりも格段に理解したし、伝わった。ここでは誰かの生のために、誰かが犠牲になるシステムが描かれている。システムの為に利用されて何も知らない子供たちに後ろめたい態度の大人たち。震災の後のタイミングでこの映画を観ていると、何だかまるで原発のことを語っているかのように解釈できるのだ。まあ拡大解釈かもしれないのだけれど、ちなみにカズオ・イシグロは長崎生まれだ。