サバーブの逆襲 | Hemoglobin by Blood Tube Inc.

サバーブの逆襲

近年、都心と言われる銀座、丸の内、新宿などの街はたくさんの団塊世代の引退で人が集まらなくなっているという。団塊の人たちが住んでいるのはベッドタウンと言われる中規模の周辺都市だったため、会社に行く必要がなくなった今、都心にわざわざ出かける必要もなくなり、その接続点にあたる柏、大宮、吉祥寺などで間に合ってしまうために盛り上がりを見せているという、逆都市化という新しい現象が起こっている。ちょうど最近、影響力のある団塊世代のライフサイクルによって街の栄枯盛衰が簡単に起こるのを、自分たちでも肌で感じていたところだった。どこにでも同じ商品、サービスを提供しようとチェーン展開し画一化した結果、どこで食べても買っても一緒という現象が起こり、逆に本店のある銀座などを遠ざけるという皮肉な結果をつくっている。それと同時に若者の地元愛の加速も注目するところ。ハッキリと働くところと生活するところを割り切っている。雑誌「広告」の地元飲みの話などの記事を見ると、しかも仕方なくというよりもむしろ愛情を街に持っている。近くのショッピングモールの方がどちらかというと、もう街なのだ。そのあてにしている団塊の世代だって一段落すれば、高齢化ゴーストタウン、人口減少社会という次のパターンの風景を描き出していくのだから、速い街は次の世代が住み継ぐための街のテコ入れもはじめているみたい。駅のまわりに託児所と高齢者のデイケアサービスがあって、安心して働きに出られる街が増えそうだ。風景はたえずガラガラと変わる。粘菌の実験や脳神経回路と同様、使わない路は廃れて行くし、たくさんの情報や人が行き交う路は太い絆になって行くんだな。そこで重要なのは太い絆であって、太い道路じゃないよ。お間違いなく。