ウッツォン | Hemoglobin by Blood Tube Inc.

ウッツォン

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今までシドニーのオペラハウスはあまり好きな建築ではありませんでした。何度かシドニーに行っても対岸から眺めるだけで、観光名所の一つ程度にしか思っていなかったと思います。それが今回あまりにやることもなかったのでオペラハウスの中の見学をしてみたのです。すると遠くで見ていたときよりもコンクリートの構造の面白さなどが際立って見えてきました。そしてこの間の11月29日にこのオペラハウスの建築家ヨーン・ウッツォン氏が亡くなったことをそこで知ったのです。ウッツォンは当時38歳という若さでオペラハウスの建築設計コンペに思わぬ勝利を収め、世界の建築界に鮮烈なデビューを飾ったのですが、建設途中で政権が変わりデザインやスケジュール、費用についての考えを問いただされ、1966年2月にウッツォンは設計者の地位を辞任します。そして内装に着手できないままオーストラリアを去り、それ以後二度とオーストラリアには戻っていないそうです。でも、結果的にはオペラ・ハウスが代表作になってしまったのは事実です。2003年には建築界の最大の栄誉であるプリツカー賞を受賞し、2007年にはオペラ・ハウスが世界遺産となったのです。38歳のときの仕事が歴史に残ったのです。38歳という年齢は今の私たちと同じ歳です。

Hemoglobin by Blood Tube Inc.-オペラ中