「抗がん剤は体力が落ちる」というのは良く耳にする話で、この原因として、抗がん剤(シスプラチン)によって、体内のマグネシウムが大量に排出されることが研究で分かっているそうです。マグネシウムはATP(エネルギー)産生のキー物質であり、痛みの閾値を制御する重要な物質です。抗がん剤治療を受けている方は、マグネシウム(特に、塩化マグネシウム)の積極的な摂取をおすすめします。

 

 

 

 

 

資料は以下を参照しました。

Magnes Res. 1991 Jun;4(2):123-5.
Changes in serum, erythrocyte, and urinary magnesium after a single dose of cisplatin combination chemotherapy.
Abbasciano V1, Mazzotta D, Vecchiatti G, Tassinari D, Nielsen I, Sartori S.

 

以下訳文です。
要約
血清と赤血球Mg濃度の、そして、シスプラチン(100mg/mq体表面積)の単回投与によって誘発される腎臓Mg排出の変化は、16例の肺癌患者で調査された。
マグネシウム尿症はシスプラチン投与の後有意に日を増加させて(0.001未満のP)、次の日に基礎レベルに戻って、7日目(0.05未満のP)に、再び増加した。
高マグネシウム尿は段階的に減少して、7時以降、治療(0.05未満のP)の前により有意に低かった。
赤血球Mgはシスプラチン投与の後日1(0.05未満のP)と2(0.001未満のP)の上で有意に減少して、4日目に増加し始めて、7日目に治療前の数値に回復した。
これらの結果は、浪費している腎臓Mgのそれに伴う増加に対する尿細管機能への有名な損傷の他に、シスプラチンが細胞および亜細胞性の度合でマグネシウム代謝を阻害する可能性もあることを示唆する。
血流への細胞からのMgのそれに伴う推移で、核酸と膜輸送システム(Mgは豊富で、重要な安定化機能を発揮する)の本剤の活動は、Mg動員と増加した膜透過性を誘導する可能性がある。
これは高マグネシウム尿の増加と平衡する、そして、細胞内Mgが治療前の度合に戻る場合にだけ、マグネシウム尿症は有意に減少する。