ストレスは「酸化ストレス」として体内の化学反応に影響します。酸化反応は炎症を引き起こすため、その応答としてコルチゾールが放出されますが、これが大量であると、脳の海馬が委縮し、うつ状態が引き起こされることが分かってきています。また同様に、酸化ストレス自体も海馬に炎症を引き起こします。

http://jams.med.or.jp/symposium/full/129006.pdf

 

クルクミンは、酸化ストレスから海馬を保護し、細胞死を抑制するとの研究結果を見つけました。クルクミンは水には溶けにくいので、摂取する際は、少し油分のある料理の後などがオススメかもしれません。これを書きながら、イギリス式の日本カレーとはうまくできた食べ物だな、と感じています。

 

 

資料は以下を参照しました。

Neurosci Lett. 2007 Apr 6;416(1):49-54. Epub 2007 Jan 31.
Curcumin attenuates the kainic acid-induced hippocampal cell death in the mice.
Shin HJ1, Lee JY, Son E, Lee DH, Kim HJ, Kang SS, Cho GJ, Choi WS, Roh GS.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17300872

 

以下訳文です。

要約
カイニン酸によって誘発された(KA)酸化ストレスは、海馬細胞死と関係している。
最近の研究は、クルクミン(強力な抗酸化剤)がKAによって誘発された酸化ストレスからの保護を提供する可能性があることを示唆する。
我々は、クルクミン処置の効果をKAによって誘発された発作でマウスの海馬反応性星状細胞によって調査した。
クルクミン処置の18時間後に、マウスはKA(30mg/kg、i.p.)を投与され、そして、更なる48時間後に観察された。
トリル・スミレ染色とTUNEL分析を使用して、組織学的評価で、KA治療をうけている海馬で細胞死がみられた。
しかしながら、著しい細胞死は、クルクミンを用いた治療を受けるマウスで観察されなかった。
加えて、クルクミン処置は、KAによって誘発されたカスパーゼ-3の免疫活性を低下させた。
同様に、免疫活性分析は、KAが海馬GFAP(eNOSとHO-1レベル)の上方制御を生じることを示した。一方、クルクミン投与を受けた全ての動物ではGFAPが低下した。
我々の所見は、クルクミンが反応性星状細胞発現の強力な抑制薬で、このように、海馬細胞死を防止することを示す。
これらの結果も、神経変性疾患の処置用に、その可能性を支持する。