ある医療機関のホームページでは

「代償性発汗の発生メカニズムとその予防方法がわかっている」 

という趣旨の説明がされています。 

 

しかし、日本皮膚科学会の2023年改訂ガイドラインは

ETSについて、「代償性発汗を高率に合併する」と記載しています。 

 

さらに近年の系統的レビューでは

代償性発汗の病態生理学的メカニズムは現在も不明であり

治療についても「信頼できる解決策はまだない」「各治療法の有効性は十分確立されていない」

とされています。 

 

もちろん、LSFGを用いた治療研究は存在します。

 しかしその研究は、たった8例の報告です。

  https://sciencedirect.com/science/article/pii/S0022522319311687?utm_source=chatgpt.com 

 

8例で良好な結果が得られたことと

「代償性発汗のメカニズムが解明され、予防・治療法が確立している」

ことは同じではありません。 

 

特定施設の研究成果を「確立した治療法」のように受け取らせることは如何なものでしょうか。 

インフォームドコンセントとは

「何が確立していて、何がまだ研究段階なのか」

を伝えることではないでしょうか。

 

 

ETSでは代償性発汗という合併症があり

どの様な手術方法を持ってしても防げません。 

 

関係学会の報告でも、過去のETS裁判の判例でも

そのように判断されています。 

 

日本国内、全ての医療施設で、代償性発汗にならない治療は出来ておりません。 

代償性発汗は、ETS手術により身体に無汗症の部位が出来ることによって

体温調節機能が不全になることで起こる生理現象です。 

 

私たち代償性発汗患者は、ほんの5分歩くだけでも体温調節が上手くいかず

胸から下は汗が絞れるほどになります。

 

 無汗症は、難病指定されるほどの状態です。

つまり、「汗をかけないこと」自体が

場合によっては指定難病になるほど重大な問題なのです。

 

 ETSは、手術で人工的に胸から上側を発汗できなくしていまいます。 

手のひらや脇の汗だけが止まるわけでは無いのです。

 下方遮断T4以下の遮断で代償性発汗が無視できるとする医師もいます。

病的な交感神経節を取れば代償性発汗は防げるとする医師もいます。 

 

いずれも「仮説」に過ぎず、科学的論証はないとガイドラインに記載されました。 

そのような非科学的な理論で副作用はないと安易に考えてはいけません。

 

 

人体にとって自律神経は、生命を維持するために不可欠な機能を担っています。
 生命維持活動は、普段は意識することがないだけに
失うまでその有り難みが実感できません。 

生きている途中で自律神経幹を損傷する事故など
頻繁に起こるものではありません。
しかし、内視鏡技術の発達によって、
正常に機能している交感神経を意図的に切除・遮断する手術が可能になりました。 

自律神経を失うことは
飛行機が操縦系を失うことと同じです。

技術が進歩したことと
その技術を使うことが正当化されることは、全く違うものです。 
多汗症のままだったら、あの人は今日も笑っていたでしょう。 
残された遺族にとって、ETS手術を肯定することなど到底受け入れられないのです。

あの人の訴えは、術後アンケートには全く反映されませんでした。 
こんなご都合主義の医療など認めるわけにはいきません。 

失われた命は、二度と戻りません。



 

 

 

ETS手術の後遺症に苦しむ患者は
長年にわたり十分な救済や検証が行われないまま苦しみ続けています。
それは2026年の今現在も全く変わりません。 
厚生労働省の研究班報告でも、ETS後の深刻な健康被害についての報告があり
苦しみのあまり自ら命を絶った患者さんについても報告されました。 


こうした状況を重く受け止め
今年6月25日、東京都清瀬市議会は
未成年者の保護を求める意見書を
衆議院議長・参議院議長に提出しました。


ETS手術は、重度の多汗症に悩む方が
手術による合併症や将来起こる後遺症のリスクを十分に承知した上で
選択すべき不可逆的な手段であり
ただ単に「汗で困っているから」受けるものではないことを知ってください。
 一度切除された交感神経節は、もう2度と元に戻すことができません。

ETS手術を受ける前に、どうか一度立ち止まり
ご自身の将来について考えてみてください。

将来起こり得る後遺症について、もれなく十分に説明を受けていますか?
現在もETSの後遺症に苦しみ、
障害年金を申請している患者さんがいることをご存じでしょうか?
その中には外出ができなくなった方もいます。
そのことについての説明はありましたか? 


ETS手術を行っている医師の中には
不適切なインフォームドコンセントにより
患者から裁判を起こされ
和解金を支払っているにもかかわらず
相変わらずその説明を続けている施設があり
被害が止まりません。

手術以外の治療選択肢について
「皮膚科専門医」有資格者の皮膚科の先生から意見を聞きましたか? 
少なくとも、皮膚科専門医の紹介状がなければ
ETS手術を検討するべきではありません。

代表的な障害である代償性発汗は、
ETSによって体に汗をかけない無汗の部位が生じて
体温の調節ができなくなることによっておこる「機能障害」です。
 気温が25度を超えたり
通気の悪い環境下では季節を問わず通年発症します。 
その苦しさは経験者にしか理解できません。
未経験であれば医師でも理解はできないのです。
 


多汗症は悪性疾患ではありません。手術を急ぐ必要は全くありません。
加齢とともに、収まっていく方も一定数います。

 今の健康は、手術を受けた後ではもう取り戻すことはできません。

体が自由に動いて
脇や靴下は汗でぬれるけれども夏でも自由に外出はできる。
今すでにある恵まれた点にも目を向けてください。 

「上半身の発汗を止めて無汗症になる」 
それは健康や外出の自由を失ってまで手に入れたいものですか? 



私も長年、手の多汗症に苦しんできました。
「一刻も早くこの苦しみから解放されたい」
「一気に解決したい」と考える気持ちはよくわかります。

しかし若い皆さんには、
一度失われた発汗機能は一生涯
元に戻らないという厳しい現実と
自律神経を失うことによって将来体に起こる
長期的なリスクについて
熟考する慎重さを持っていただければと思います。

術後、2年や3年では体調不良は顕在化しません。

怖いのはそのあとです。
他人からは見えない後遺症がはじまってからです。



 

 

 

ETS手術後遺症による障害年金申請事例

代償性発汗の治療として追加切除(広範囲の交感神経節切除)
を受けた方の審査が行われ、障害厚生年金2級認定となりました。 

申請者は体の大部分の発汗を失い体温調節が出来ないだけでなく
全身に変調をきたしています。 
手術を受けなかったら業種は制限されたかもしれませんが
これまで通り働けたことを思うと、言葉がありません。

ETS手術は不可逆的な行為です。
一度失われた交感神経は2度と元には戻りません。


「手術しかない」と思う前に
後遺症のリスクや現在も続く患者の訴えについて、ぜひ知ってください。
取り返しのつかない選択をしないために、大切なお子さんを守ってください。