ファクトリーガール | お役に立ちません。

お役に立ちません。

本・漫画・映画のレビューブログ。
本は月に10冊ほど、漫画は随時、
映画はWOWOWとTSUTAYAのお気持ち次第(笑)

ファクトリー・ガール [DVD]/シエナ・ミラー,ガイ・ピアーズ,ヘイデン・クリステンセン
¥3,990
Amazon.co.jp

アンディ・ウォーホルが最もあこがれ、崇拝し、そして捨てた女性。
イーディ・セジウィック。
彼女とウォーホールの関係を中心に、その生涯をつづる。


観て面白い映画ではない。
ウォーホルのアトリエ兼取り巻きのたまり場、ファクトリーでの話。
イーディは美しくて、家柄も良く、リッチで、
絵画を描く夢を追ってニューヨークへ来た。
その美貌がウォーホルの目にとまり、
生い立ちや、背景とともに彼の心をとらえ、ファクトリーの一員になり、
そして堕落していく。

素直、純真、といえばそうも言える。
人を疑わず、勧められればなんにでものめり込んでいく。
でも、自堕落ともいえるし、自分で考えてないともいえる。

あっという間に世間の人気を独り占めして、
スターになっていくも、ウォーホルとの蜜月は短くて、
次第にボブ・ディランに傾いていく。

イーディがかわいらしくて楽天的で、何も知らなかったことを強調するシーンが
ウォーホルとディランを会わせるところ。
大好きな二人だから仲良くしてほしかったのに、
全く合わない二人は、ディランが繊細なウォーホルを傷つけて帰るだけだった。

イーディはディランを追えば良かったのに、
ウォーホルを捨てられず、ファクトリーからも村八分にされ、ディランにも捨てられ、
麻薬におぼれる最悪な日々へと陥っていく。

そんなイーディの転落物語。
あれだけ美しくて、カリスマ性があっても幸せになれない。
イーディを強く求めた二人の男も、
あっさりイーディを見限ってしまう。
その自分勝手さも悲しい。
美しくても、家柄が良くても、カリスマ性があっても、
人は自分がしあわせになればそれでいい生き物だから、
どんなに魅力があっても相手にしあわせを与えられなければ
捨てられてしまう。

最後はドラッグを断つ病院に入り、
治って退院、結婚するも、結局オーバードーズで死んでしまうイーディ。
享年28歳。

彼女を狂わせたのは二人の男か、世間か、彼女自身かはわからないけれど、
なんだか悲しい気持ちになった。