- 大奥 第5巻 (ジェッツコミックス)/よしなが ふみ
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この画像こそ見てほしいのに~~~~!!!!
綱吉のこの笑顔!
こんな怖い表情描ける力量が恐ろしいよ。
比較的単純な線なのにさ。
前巻は綱吉の非道さが描かれていたけど、
今巻は綱吉がそこに至るまでの人生、そこらの悲哀が描かれる。
子を産まなければならない女の悲哀が胸に迫る。
幼少時は利発だった綱吉。
でも、父にはただ美しくいることを望まれる。
初恋は実らず、一番の理解者だと思っていた側近は父と関係。
ただただ、子を作ることのみが求められていること。
それは綱吉も、おかしくなるよね…
だれ一人、彼女のこと理解しようとせずに、
その行動だけ責めるんだもん。
月経が止まっても、子を産むことを求められ続けることに涙した。
綱吉の人生なんなんだろう、って。
誰もこのひとを救えないのか、って。
吉宗との出会いだけが、唯一の清涼だった。
この巻では赤穂浪士事件なんかも描かれるんだけど、
描き方が本当にうまい。
これってSFって解釈していいのか、SF時代物なのか悩むとこだけど、
よくもまぁ、
一発ネタに陥らずに、つぎつぎと重厚な物語を生み出せると思う。
有功編が、一番ドラマティックで泣けたけど、
それでも、どの将軍の話も深みがあっていい。
SF作家が書いたら、中途半端に設定ありきになるところを、
少女漫画家が描いたからなのかなぁ。
この人間関係と、業の深み。
それにしてもこの人、単純な線で目を書くのに、
怖い表情描くのうますぎ!!!
表紙だけでも、ほんと怖いから。