男たちの挽歌 | お役に立ちません。

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ジョン・ウー監督 ’86香港 男たちの挽歌

ホーとマークは香港マフィアだ。ホーは弟のキットに仕事を隠して、育てている。
成長したキットは警察に入り、兄がマフィアだということを知り、激しく憤る。
正義感から、兄を含め、マフィアを逮捕しようとして、悲劇が起こる。

うんうん。
なかなか面白かった。
ジョン・ウーはハリウッド進出以後しか知らなくて、
カッコよければ全ていいんだ!の、無茶アクションが大好き。
その原点だってことで見てみた。
80年代の、米欧趣味が踏んだに溢れた画面なんだけど、なんかカッコいい。
譲れない美学がジョン・ウーにあるからだろうね。
基本的にアジア人にはグラサンに合わないと思うし、
主役のホーさんなんか、ちょっと額が後退してるんだけど、
グラサン×黒ロングコートカッコいい。

なにより、アクションめっちゃカッコいい!
ガンアクションメイン、殴り合いで血だらけ、で、もの凄い熱量を持ってるんだけども、
うーむ、カッコいい。
さすがアクション帝王。

キットが、殴りこみの前に、鉢植えに銃を隠しておいて、
それをひとつひとつ取りながら、廊下で撃ちまくるシーンと、
地下駐車場で、カートに乗りながら、ガガガガッ!と撃ちまくるシーンがめっちゃカッコいい。
映像メインの作品ならば、リアリティはともかく、ここまでやって欲しいよねぇ。
実際、銃はそんなふうに撃てない!とかそんなんはある程度、でいいんだよ。
銃の使い方で無くって、見た目のカッコよさ見たいんだもん。

ストーリーは、結構、お涙モノ。
すごい、香港て感じ。家族愛とかが。
ホーさんはいい奴だと思う。
頭が良くて、慕われてて、家族のために最後まで頑張って、
弟に理解されなくても、言い訳せずに、最善の方法を考えていたんだから。
マークの友情も好きだな。
チョウ・ユンファがカッコよすぎるってこともあるんだけども、
明るくっておちゃらけてて、でも友情に熱いという。
最後はうるっときちゃうよ。

でも、キットが好きじゃないんだなぁ。恋人のジャッキーも。
キットは、真っ直ぐで若者らしくっていいやつなんだけども、
それゆえに、尊敬していた兄がマフィアだと知って絶望してしまう。
頑なになる。
それは分かるんだけども、ある意味ワガママ。
何故兄がそうしたのか、全然理解しようとしないんだもん。
何より弟であるキットのためだったのに。もしくは、それ知ってるからこそ、頑なになったのかもだけどさ。

ジャッキーは、唯一のヒロイン役だから仕方無いかもしんないケド、
男たちのカッコよさに較べて、馬鹿すぎて嫌だったなぁ。
なんか、そんな役割しか振られないのが可哀想。
けなげで、必死にいいこなんだけども、抜けてるんだよねぇ。
特に、暗闇で、キットのお父さん手助けしようとして包丁持ち出したとこ。
使えもしないのにそんなもの持ち出さなければ、あんなことにはならなかったのに。
でも、最終的に、ずっとキットを支えようとした芯の強さは好きだなぁ。

時代感も、お国の特徴もたっぷり詰まってるけど、
いい作品なら、それでも古びないもんだねぇ。
どちらかというと、B級だと思うんだけど、でも、いい作品だよ。
そりゃ、タランティーノがリスペクトするわ。
カウボーイ・ビバップで真似しちゃうよねぇ。
…いやいま、BSでやってるじゃん。懐かしくて思わず見ちゃうわ。
そして、スパイクのマフィア時代の話を見るたび、
「男たちの挽歌!」「男たちの挽歌!」
と叫んでしまう(笑)
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